先回の続きです。⇒ 10月の花のアルバム ⑤ 2023-11-26
今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
【Official】花耶『あじさい』
パナマ、コロンビア、ヴェネズエラ原産のキョウチクトウ科の常緑樹。コブラの頭部のように先端が膨らんだ葉の形が特徴的です。
同属の他の種とは異なり、花色が純白です。しかもまとまって開花することから、英名では「花嫁の首飾り」と呼ばれます。
<プルメリア・プデイカ キョウチクトウ科プルメリア属>
10/25 柏の葉公園
香りの良いハーブとしてよく知られ、熱帯および温帯の各地に約250種が分布している一年草または多年草の植物です。
バニラに似た甘さと清々しさのある香りです。日本にはじめて入ってきた香水が本種の香りだったといわれ、和名で香水草というほど魅惑的な甘い香りがします。
一般的に園芸店などで流通している本種は、花が大きく観賞価値が高いのですが香りはあまりしません。
<ヘリオトロープ(木立瑠璃草) ムラサキ科キダチルリソウ属>
10/18 北柏ふるさと公園
遺伝子の変異によって、さまざまな色や形に変化した花や葉が生じるアサガオです。
アサガオを種から育て、そのアサガオの変異が花や葉、茎などに現れる”出物”と言う朝顔のことを、本種の名前で呼びます。
遺伝法則はおろか受粉のしくみさえ知らなかった江戸時代の人々によってつくりだされ、幾多の絶種の危機を乗り越えて現代に受け継がれています。
世界的に見てもこれほどまでに変化を遂げた園芸植物はほかになく、生きた文化遺産ともいえます。
(変化朝顔図鑑(仁田坂 英二 著・化学同人刊より引用)
<ヘンカアサガオ(変化朝顔) ヒルガオ科サツマイモ属>
10/2 自宅
南欧、アジア原産で、ヒユ科バッシア属の非耐寒性・耐塩性の一年草です。雌雄同株で、葉は春から夏には緑色で、秋に紅葉します。
茎や枝が赤く色づいて枯れたものはホウキ(箒)になります。果実は食用となる「トンブリ」で、「畑のキャビア」とされる秋田の名産品です。
トンブリそのものには味がありませんので、醤油を垂らすなどして食べます。トンブリには、強壮、利尿に効果があるとされます。別名でコキア、ホウキグサ(箒草)とも呼ばれます。
<ホウキギ(箒木) アカザ科ホウキギ属>
10/18 北柏ふるさと公園
日本の特産種で主に太平洋側に自生する多年草です。日本に自生する仲間は10種ほどあります。花、草姿ともに野性味のある姿で、自然風の庭でよく用いられます。
花は星の形で、特徴的な斑点が入ります。あまりたくさん花をつけるわけではありませんが楚々とした風情があります。品種によっては斑点の入らないものもあります。
花弁の斑点が鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることから名づけられました。
<ホトトギス(杜鵑) ユリ科ホトトギス属>
10/11 千葉市緑化植物園
タデ科の一年草で、春にはほとんど目立ちません。夏にかけて地面を静かに匍匐(ほふく)するように枝葉を伸ばし、秋に入ると急に立ち上がって花を咲かせます。
ほのかなピンクと白のグラデーションがなんとも愛らしい花で、金平糖のようにみえるので、コンペイトウグサ(金平糖草)とも呼ばれます。
本種の名前は畑のソバに対して、水湿地の溝に咲くソバという意味で名づけられたようです。
<ミゾソバ(溝蕎麦) タデ科タデ属(イヌタデ属)>
10/18 手賀沼
原産地は中国で、平安時代に日本に渡来しました。韓国の国花としても知られています。
初夏~秋までの長期間に次から次へと涼やかで優しい大輪の一日花を咲かせます。ハイビスカスの仲間であるフヨウ(芙蓉)とよく似ています。
本種とフヨウの違いは葉を比べるとわかります。フヨウの葉は花と同じぐらいの大きさで薄い緑色です。葉形は掌状に浅い切れ込みがあります。本種の葉は花より小さくて濃い緑色です。葉形は卵型で葉縁に荒い切れ込み(鋸歯)があります。
<ムクゲ(槿) アオイ科フヨウ属>
10/11 千葉市緑化植物園
北アメリカ南部から南アメリカに分布するキク科の一年草です。牧草地や草原、森林などに自生しています。
5月~10月頃の花期になると、茎上部の葉の付け根から花柄を伸ばし、鮮やかな黄色の頭花(とうか)を咲かせます。
一輪の花に見える部分は、外周の花弁のような舌状花(ぜつじょうか)と、中心部分の小さな管状花(かんじょうか)から作られた集合花です。
こんもりと茂った株に、明るい黄色の小花を休みなく咲かせます。高温多湿に強く、肥料分の少ない土地でもよく育つので、春まきして育てる丈夫な夏の草花として人気があります。
<メランポジウム キク科メランポジウム属>
10/11 千葉市緑化植物園
北アメリカ中南部及び中米を原産地とするフウ科の落葉樹。正式にはアメリカフウという名前ですが、一般的には本種の名前で呼ばれ、公園や街路に使われます。
日本へ渡来したのは大正から昭和初期で、アメリカ庭園協会から寄贈されました。渡来したのはタイワンフウより遅いが、これまでに植栽された数はタイワンフウを凌ぎます。
雌花の後にできるイガ状の果実は直径3~4センチでタイワンフウよりも大きく、棘があります。クリスマスリースの材料になるほか、小型エビの隠れ家になるとして熱帯魚愛好家に販売されてます。
<モミジバフウ(紅葉葉楓) フウ科フウ属>
10/25 柏の葉公園
荒れ地や道端に生える南アメリカ原産の多年生の帰化植物で、草丈が高く「三尺バーベナ」と別名がつけられていますが、三尺よりはるかに大きくなります。
細い葉をヤナギに、上部にまとまって咲く花を花笠にたとえたものが、名前の由来になっています。観賞用によく栽培されています。
<ヤナギハナガサ(柳花笠) クマツヅラ科クマツヅラ属>
10/18 北柏ふるさと公園
林や藪のまわり、庭のまわりや道ばたなどに普通に生育します。茎は急速に伸び、長いつるになり他の木やフェンスなどにおおいかぶさります。
放っておくとたちまちはびこり、庭や林の厄介物となるので、別名『貧乏葛(ビンボウカズラ)』とも呼ばれています。
<ヤブガラシ(藪枯) ブドウ科ヤブガラシ属>
10/18 手賀沼
福島及び新潟県以南の各地に見られるツユクサ科ヤブミョウガ科の多年草で、薄暗い暗い林や藪に生え、葉の色や形がミョウガ(ショウガ科)に似るため命名されました。
夏から秋にかけて花茎が伸び、直径6ミリほどの小さな白い花が茎の上部に段々に集まって咲きます。
花には両性花と雄花があるが、いづれも一日しか持たない「一日花」です。しかし、タイミングをずらして次々に咲くため、花期は1か月間ほど続きます。
実も花と同じようにタイミングをずらしながら次々に熟し、その青藍色が美しいことから観賞用に植栽されます。
<ヤブミョウガ(藪茗荷) ツユクサ科ヤブミョウガ属>
10/11 千葉市緑化植物園
中国、日本原産で、キジカクシ科の常緑多年草です。藪や林内の日陰に自生します。 日本では一般家庭の庭で見られます。花名にランと付きますが、ラン科の植物ではありません。
初夏から秋に、藪で光沢のある細長い根生葉の間から、細い花茎を出し先端から穂状花序を伸ばし薄紫色の小花を多数咲かせます。
用途は 主に庭植や公園植えですが、根の肥大した部分に滋養強壮や鎮咳、去痰、強心利尿などの薬効があるとされ民間療法に使われます。
<ヤブラン(藪蘭) キジカクシ科ヤブラン属>
10/18 北柏ふるさと公園
北海道から九州まで日本各地の山野に生えるマメ科の落葉低木。秋に咲く淡い紅紫の花を観賞するため、庭園や公園、川岸などに植栽され、「草」ではないが「秋の七草」に数えられます。
ハギの仲間は北半球に約60種ありますが、日本には本種に代表され、木として扱われる8種と、メドハギに代表される、草のハギ4種が分布します。
ハギという植物はありませんが、本種が最も一般的であるため、単にハギという場合は本種を示すことが多いようです。
開花は8~10月。花は直径1センチ程度の小さな蝶形。派手さのないところが昔から好まれる所以ですが、花期は長く、満開がはっきりしないまま咲き続け、いつの間にか花が消えます。
<ヤマハギ(山萩) マメ科ハギ属>
10/11 千葉市緑化植物園
北アメリカ原産のキク科オオハンゴンソウ属の二年草、または短命な多年草です。ルドベキア・トリロバ種から作出された園芸品種です。
7月~10月の花期になると、多数分枝した茎の頂部に頭状花を1輪咲かせます。頭状花は、中心部分の小さな筒状花と、花弁のように見える舌状花からなる集合花で、径3~4㎝の大きさです。
<ルドベキア・タカオ キク科オオハンゴンソウ属>
10/18 あけぼの山農業公園
南アフリカ原産のイソマツ科の半耐寒性常緑低木で、別名プルンバゴとも呼ばれます。爽やかなブルーの花を春から秋まで繰り返し楽しめる丈夫で育てやすい植物です。
本種の仲間は熱帯を中心に約20種類の仲間が知られています。その中でも南アフリカに分布する、プルンバコ・アウリクラータのことを本種の名(和名)で呼びます。
和名の「ルリ」は花色(瑠璃色)から、「マツリ」は花姿がマツリカ(ジャスミン)に似ているところに由来します。
<ルリマツリ(瑠璃茉莉) イソマツ科ルリマツリ属>
10/11 千葉市緑化植物園
まるでロウ細工のような黄色い花を咲かせる中国原産の落葉低木です。中国では、ウメ、スイセン、ツバキとともに、「雪中の四花」として尊ばれています。
果実は梅のような香りは無く、また、果肉もなく食用にはなりません。また、強い毒性を示す「カリカンチン」と呼ばれるアルカイド系の毒があるといいます。
<ロウバイ(蝋梅) ロウバイ科ロウバイ属>
10/18 北柏ふるさと公園
地中海沿岸地方原産の常緑性低木のハーブです。全草に爽やかな芳香があり、料理やお茶、薬用、化粧品、香料として幅広く利用されています。
体調を崩した中世ハンガリーのエリザベート王妃が本種のハーブチンキを使用したところ元気と若さを取り戻し、ポーランド王に求婚されたことから「若返りの妙薬」「若返りのハーブ」などの別名があります。
<ローズマリー(迷迭香) シソ科マンネンロウ属>
10/18 北柏ふるさと公園
ラベンダーに似た花をたくさん咲かせるシソ科ペロブスキア属の多年草です。ベルベット状の青紫色の小花が多数群れ咲き、花や茎葉には芳香があります。
ミントに似た柔らかな香りを放ち、ハーブとして利用されることもあり、虫よけ効果や癒し効果があるとも言われています。
サルビア属に似ていることから名前に「セージ」とついていますが、属は違います。また、原産地はアフガニスタン、パキスタンでロシアではありません。
<ロシアンセージ シソ科ペロブスキア属>
10/11 千葉市緑化植物園
10月の花のアルバム①~⑥ 全119品種の花、野鳥、昆虫を最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は「11月の花のアルバム」を12月上旬に投稿予定です。次回もご覧いただけると、とても嬉しいです。