7月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。7月は夏の花もピークを過ぎ、夏枯れ状態でした。しかし、つくば実験植物園の稀少植物を中心に約140品種ほどの花木や鳥の撮影ができました。毎月恒例の記録として9回に分けて投稿します。
<本日のバラ うらら> 2023/11 坂野ローズガーデン
系統:F(フロリバンダ) 作出:1995年 京成バラ園芸(日本)
ショッキングピンクの花色がたいへん華やかなバラです。花付きが良く、春から秋まで絶え間なく咲き続けます。1995年JRC金賞受賞。
カバノキ科ハンノキ属の落葉高木。日本固有種で、西日本に多く自生します。
近年、花の花粉が花粉症などのアレルゲンとなることが知られるようになりました。
秋に実る果実で鉄とともに染めます。藍と重ねることで、深みのある黒色になります。水戸黄門(徳川光圀)も着物などに好んで使ったようです。
名前の由来は、熟した果穂が夜叉(顔かたちがものすごく、性質が勇猛なインドの鬼神)にも似ていることから。
<ヤシャブシ(夜叉五倍子) カバノキ科ハンノキ属>
7/9 つくば実験植物園
南アメリカ原産で、日本には園芸植物として導入されましたが、野生化して空き地や道端などに生えます。三尺バーベナとも呼ばれます。
大きな根株から、茎はよく分岐して伸び、直立します。高さは1~1.5mほどにもなります。高さの割に茎は細く、全体に剛毛が生えています。
花は紫がかった濃いピンクで、径3~5mm、長さ1cmの5弁です。細い茎の先に小さな花をびっしりと多数咲かせます。その見た目は名前の通り、花笠のようです。
<ヤナギハナガサ(柳花笠) クマツヅラ科クマツヅラ属>
7/3 北柏ふるさと公園
土手や野原、林縁などの日当たりの良い場所に多く生える多年草です。地下茎で横に広がっていくため、しばしば群生します。
6月から9月ごろ、数十センチメートルほどの茎がのびて、その先に直径8センチメートルほどの大きなオレンジ色八重咲きの花を咲かせます。
冬になるといったん葉は枯れますが、春になると再び芽吹いてきます。この新芽は茹でるとぬめりがあって美味しく、山菜として人気があります。
従来はユリ科に分類されていましたが、DNA解析をもとに分類が見直された結果、現在はススキノキ科になっています。
<ヤブカンゾウ(藪萱草) ススキノキ科 ワスレグサ属>
7/3 北柏ふるさと公園
福島及び新潟県以南の各地に見られる多年草で、薄暗い暗い林や藪に生え、葉の色や形がミョウガ(ショウガ科)に似るため命名されました。
夏から秋にかけて花茎が伸び、直径6ミリほどの小さな白い花が、茎の上部に段々に集まって咲きます。
花には両性花と雄花がありますが、いづれも一日しか持たない「一日花」です。しかし、タイミングをずらして次々に咲くため、花期は1か月間ほど続きます。
実も花と同じようにタイミングをずらしながら次々に熟し、その青藍色が美しいことから観賞用に植栽されます。
<ヤブミョウガ(薮茗荷) ツユクサ科ヤブミョウガ属>
7/9 つくば実験植物園
主に太平洋側の福島県から四国・九州に分布しています。半日陰の湿り気のある林や沢沿いに生育しています。このことから別名のサワアジサイの名前がつきました。
周辺の自然によくなじんでいる樹木です。中央から花の外側に向かって咲き、縁に沿って装飾花をつけてガクアジサイと同じようにガク咲きとなります。
装飾花(中性花)の萼片は、白色または白青色で少し反り返りますが、紅色を帯びることもあります。ガクアジサイよりも花序が小型なので、コガクと呼ばれることもあります。
アジサイに比べて葉は、薄くて細長く小型です。野趣に富んだ樹形で、花色や花形は地域による変異が多く、愛好家の間で人気の高い花木です。
<ヤマアジサイ(山紫陽花) アジサイ科アジサイ属>
7/3 あけぼの山農業公園
ヤマアジサイのなかで葉に甘味のある植物を指し、昔から4月8日の潅仏会(かんぶつえ)に用いられました。
通常アジサイの葉には毒があり飲用にしませんが、本種の葉は乾燥させてから煮出してお茶にすると、薬効がある甘茶になります。
葉は生葉では甘みを感じませんが、甘茶に加工すると甘みが出るので、糖尿病患者の砂糖がわりの甘味料として利用されます。
<ヤマアジサイ「踊り子甘茶」 アジサイ科アジサイ属>
7/9 つくば実験植物園
北海道から九州まで日本各地の山野に生えるマメ科の落葉低木。秋に咲く淡い紅紫の花を観賞するため、庭園や公園、川岸などに植栽され、「秋の七草」に数えられます。
ハギの仲間は北半球に約60種ありますが、日本には本種に代表され、木として扱われる8種と、メドハギに代表される、草のハギ4種が分布します。
ハギという植物はありませんが、本種が最も一般的であるため、単にハギという場合は本種を示すことが多いようです。
開花は8~10月。花は直径1センチ程度の小さな蝶形。派手さのないところが昔から好まれる所以ですが、花期は長く、満開がはっきりしないまま咲き続け、いつの間にか花が消えます。
<ヤマハギ(山萩) マメ科ハギ属>
7/3 近隣の路傍
中国、朝鮮半島、日本の本州から琉球列島に分布します。江戸時代には欧米へ渡り観賞樹木として栽培されています。
花のように見えるのは本来の花弁ではなく、ハナミズキと同様、総苞片(花のつけ根の葉)です。そのため比較的花の観賞期間も長いのが特長です。
名前の由来は中央の丸い花穂を坊主頭に見立て、4枚の白い苞を白頭巾に見立てたものだと言います。
<ヤマボウシ(山法師) ミズキ科ミズキ属>
7/3 あけぼの山農業公園
日本特産のユリで、北陸地方を除く本州の近畿地方以北の山地に分布し、山地、山野の林縁や草地に自生しています。
花は大型で白く、山中でもよく目立ち、強い芳香を放ちます。鱗茎は食用のユリ根になり、別名リョウリユリ(料理百合)ともよばれています。
花期は夏(7 - 8月)で、茎の先に1 - 数個、ときに20個ほどの白い花を横向きに咲かせます。
花は6つある花被片が、外に弧を描きながら広がって、花径は15~18 (cm) になり、ユリ科の中でも最大級であり、その重みで茎全体が弓なりに傾くほどです。
<ヤマユリ(山百合) ユリ科ユリ属>
7/18 布施弁天・妙見大菩薩
ヨーロッパ原産で、世界各地で野生化しています。日本には明治時代に入ってきました。
ギザギザとした葉を持つことから、西洋ノコギリソウと名づけられました。
ミネラルが豊富で効能が高いため、料理やハーブティとして利用されます。
殺菌効果に優れたアルカロイドを含み、古くは傷薬や強壮薬に用いられました。「兵士の傷薬」と呼ばれ、生葉は傷の治療に使われていたそうです。
<ヤローイエロー キク科ノコギリソウ属>
7/9 つくば実験植物園
本州・四国・九州の日当たりの良い草地に生育する、高さ1~1.5mほどになる多年草です。
花期は7~8月で、高さ1~1.5mほどの花茎の先に花序をつけ、夕方頃から翌朝にかけて先が軽く反り返った直径7~10cm程度のラッパ状の花を咲かせます。
花被片は鮮やかなレモンイエローで、長さは5~8cm程度、基部の合着した筒部は3cmほどです。
<ユウスゲ(夕菅) ユリ科ワスレグサ属>
7/3 あけぼの山農業公園
原産地は北アメリカでキク科ユリアザミ属の草花です。寒さや暑さに強い性質のため育てやすい植物です。
いくつかの種類があり初夏から穂状~球状の花を咲かせます。花色はよく見かける赤紫のほか、紫や白もあります。
真っ直ぐに花穂を立ち上げて小さな花をびっしりとつけ、頂部から下に向かって咲き進むのが特徴的です。
葉は細長い線のような形で、放射状につきます。葉がユリに似ていることから、「ユリアザミ」と呼ばれることもあります。
<リアトリス(麒麟菊) キク科ユリアザミ属>
7/3 あけぼの山農業公園
通常のリアトリスに比べ、大きくならないタイプ。小型の割に花数が多く上がるので、花が密に咲き、姿がとてもきれいです。
通常のリアトリスを縮めたような草姿ですのでふっくらとしていて、上部から下へと咲き進む姿は逆さにした手持ち花火の様にも見え、美しいです。
リアトリスの小型改良種で狭小地などでも活躍できます。一般的なリアトリスは、花穂が高く上がり、見頃の時期になると倒れてしまう心配がありましたが、その心配はありません。
<リアトリス・スピカタ キク科ユリアザミ属>
7/9 つくば実験植物園
野生種は砂漠や荒れ地に自生し、園芸種をふくめると世界で約150品種以上が存在しています。
イソマツ科の一年草または多年草で、花期は5月~6月ですが、切り花としては1年中流通しています。
花に見える色がついている部分は萼(がく)で、実際の花は白い部分です。萼の部分は散ることなく長期間色褪せずに残るため、ドライフラワーとしても人気があります。
<リモニウム(スターチス) イソマツ科イソマツ属>
7/9 つくば実験植物園
花が大きくカラーバリエーションが豊富なルドベキアシリーズの品種です。
直径10cmを超えるような色鮮やかな花を株いっぱいに咲かせます。暑さや蒸れに強く、切花やドライフラワーにも利用できます。
ジャパンフラワーセレクション2023-2024 鉢物部門春審査会 コンテナ・ガーデンパフォーマンス特別賞を受賞しています。
<ルドベキア・サンベキア キク科オオハンゴウソウ属(ルドベキア属)>
7/3 あけぼの山農業公園
南アフリカ原産のイソマツ科の半耐寒性常緑低木で、別名プルンバゴとも呼ばれます。爽やかなブルーの花を春から秋まで繰り返し楽しめる丈夫で育てやすい植物です。
本種の仲間は熱帯を中心に約20種類の仲間が知られています。その中でも南アフリカに分布する、プルンバコ・アウリクラータのことを本種の名(和名)で呼びます。
和名の「ルリ」は花色(瑠璃色)から、「マツリ」は花姿がマツリカ(ジャスミン)に似ているところに由来します。
<ルリマツリ(瑠璃茉莉) イソマツ科ルリマツリ属>
7/9 つくば実験植物園
明治時代の終わりに、牧草とともに日本にやってきました。野菜のナスと同じ仲間で、花後に黄色く丸い果実ができることもありますが、これは食べられません。
花色は淡い青紫色で、その色の濃淡は株によってちがいます。花の美しさとは裏腹に茎や葉には鋭い刺が多数あり、触ると非常に痛い思いをします。
さらに、繁殖力が強く、一度の家に侵入すると根絶は困難になります。それゆえ、たちが悪いとされています。
<ワルナスビ(悪茄子) ナス科ナス属>
7/9 つくば実験植物園
7月の花のアルバム①~⑨ 全142品種の花、野鳥を最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は「8月の花のアルバム」を2024年9月中旬に投稿予定です。それまでは、暫くブログを休止いたします。フォロワー様のブログにも暫くの間、訪問できなくなりますので、よろしくお願いします。
再開した折りには、また拙ブログをご覧いただけると、とても嬉しいです。