AMHが0.8とほぼ0に近かったクマ子。
平均値は4ですから大幅に低いことがわかります。
AMHは女性の体の中にあとどれぐらい原始卵胞が
残っているかを計るホルモン値です。
40歳前後で平均4あるとされるのですが
クマ子はほぼ0。卵が体にあまりない、ということです。
夜、クマ吉がかえってきて、いつも通り2人で食卓を囲みます。
クマ子はまず、夫の精子に異常がなかったことを
伝えました。とても正常で運動率も問題ないこと。
するとクマ吉の顔は緩み、「そうなんだ」と平静をよそいながらも
とてもほっとした表情をしました。
結果が怖かったんだね、クマ吉。でもよかった、クマ吉には問題ないよ。
「問題は私だったの」
そう伝えるとクマ吉はこちらを見て、話を促すように
クマ子を見つめました。
「クマ子のね、体に卵がもうほとんど残ってないんだって。
AMHっていうホルモンの値でわかるらしいんだけど
それが0.8しかなくて・・。のんびり妊活している時間は
ないってことなの」
卵は日々体から失われていくので、
卵がなくなればもう妊娠の可能性はゼロになってしまう・・・
クマ吉は静かに聞いていました。
クマ子は、決心していたことを彼に言いました。
「つまり子宝には恵まれない可能性が高いということなんだ。
クマ吉、子供好きだもんね。欲しかったもんね。
ごめんなさい。クマ吉がもし離婚したいというならば
私はそれでも良い」
そうなんです。
クマ吉は家族が欲しかったのをクマ子は知っているのです。
だからこそ、自分に原因があるとはっきりわかったことが
苦しかったし、すごく彼に申し訳なかった。
クマ子の友人の中には子宝に恵まれないことで
離婚された子もいます。
それにもしクマ吉に原因があって、治療に協力してくれないなら
クマ子自身離婚しようとも頭の片隅にありました。
だから彼に捨てられても仕方ないのです。
話を聞き終わってクマ吉は口を開きました。
「離婚はしない。僕はクマ子が好きだから結婚したんだ。
死ぬまで一緒。だから子供云々で何も変わらない」
クマ子はすごく心がホッとしてしまいました。
また泣いてしまいそう。
「クマ子は・・・やっぱりまだあきらめたくない。
人工授精も体外受精も・・・してから結果だめなら
諦めるけど、それまでは諦められないよ」
「クマ子がしたいなら、協力するよ」
クマ吉はようやくそう言ってくれました。
ようやく、協力、と言う言葉を言ってくれました。
その言葉でクマ子はどれぐらい救われたでしょう。
残りの時間を無駄にしないよう、できることをしよう。
そう決めた夜でした。
平均値は4ですから大幅に低いことがわかります。
AMHは女性の体の中にあとどれぐらい原始卵胞が
残っているかを計るホルモン値です。
40歳前後で平均4あるとされるのですが
クマ子はほぼ0。卵が体にあまりない、ということです。
夜、クマ吉がかえってきて、いつも通り2人で食卓を囲みます。
クマ子はまず、夫の精子に異常がなかったことを
伝えました。とても正常で運動率も問題ないこと。
するとクマ吉の顔は緩み、「そうなんだ」と平静をよそいながらも
とてもほっとした表情をしました。
結果が怖かったんだね、クマ吉。でもよかった、クマ吉には問題ないよ。
「問題は私だったの」
そう伝えるとクマ吉はこちらを見て、話を促すように
クマ子を見つめました。
「クマ子のね、体に卵がもうほとんど残ってないんだって。
AMHっていうホルモンの値でわかるらしいんだけど
それが0.8しかなくて・・。のんびり妊活している時間は
ないってことなの」
卵は日々体から失われていくので、
卵がなくなればもう妊娠の可能性はゼロになってしまう・・・
クマ吉は静かに聞いていました。
クマ子は、決心していたことを彼に言いました。
「つまり子宝には恵まれない可能性が高いということなんだ。
クマ吉、子供好きだもんね。欲しかったもんね。
ごめんなさい。クマ吉がもし離婚したいというならば
私はそれでも良い」
そうなんです。
クマ吉は家族が欲しかったのをクマ子は知っているのです。
だからこそ、自分に原因があるとはっきりわかったことが
苦しかったし、すごく彼に申し訳なかった。
クマ子の友人の中には子宝に恵まれないことで
離婚された子もいます。
それにもしクマ吉に原因があって、治療に協力してくれないなら
クマ子自身離婚しようとも頭の片隅にありました。
だから彼に捨てられても仕方ないのです。
話を聞き終わってクマ吉は口を開きました。
「離婚はしない。僕はクマ子が好きだから結婚したんだ。
死ぬまで一緒。だから子供云々で何も変わらない」
クマ子はすごく心がホッとしてしまいました。
また泣いてしまいそう。
「クマ子は・・・やっぱりまだあきらめたくない。
人工授精も体外受精も・・・してから結果だめなら
諦めるけど、それまでは諦められないよ」
「クマ子がしたいなら、協力するよ」
クマ吉はようやくそう言ってくれました。
ようやく、協力、と言う言葉を言ってくれました。
その言葉でクマ子はどれぐらい救われたでしょう。
残りの時間を無駄にしないよう、できることをしよう。
そう決めた夜でした。