クマ子は自分の母親には不妊治療をしていることを話しています。
クマ子ママも孫の誕生を心待ちにしていて、前のめり状態でした。2年たってもなかなか妊娠しない私非常に遠回りにプレッシャーをかけていたので、不妊治療をしてることを伝えました。
そして義母。
こちらもそれはそれは長男であるクマ吉に子供ができることを楽しみにしていて、電話をかけるたびに「あら?!嬉しい知らせかと思ったわ~」と毎回言われます。
そしてそのたびに「いや、そうじゃないんですけどね・・・」と軽く嫌な気持になるクマ子。
義母はクマ子にとても良くしてくれて、節目節目に帰省する私たち夫婦をとても歓迎してくれます。一緒に料理をしたり、クマ吉の悪口を言ったり(笑)、おいしそうなレシピを教えたったり。
義父もおだやかでおおらかな人なので、夫の実家に帰省するのは全く苦にはならないのですが、唯一苦になるのが、義母の言葉の端端にあふれ出る子供待ちでした。
「早くできたらいいのにねえ。」
そういう義母にクマ子はずっと「私だって欲しいんです。だけどなかなかできないんですよ、どうすればいいんでしょう」と聞き返す作戦で義母を黙らせてきましたが、最近その効力がなくなってきました。
だから不妊治療を始めたこと、現在体外受精中であることを正直に伝えました。
これにより余計期待が膨らむか、治療を反対するか・・・どっちに転ぶかと思っていましたが、結果は意外なものでした。
離れて暮らしているため、コミュニケーションを兼ねて2週間に1度は電話で話をするのですが、その時に義母に体外受精を始めたことを伝えたのです。
そうしたら
義母は私の体を真っ先に心配してくれたんです。
「知らなかったよ、不妊治療始めたなんて・・・息子はなーんにも話さないし。クマ子ちゃん、体大丈夫?無理はだめ。もし体が辛かったらもうしなくていいんだからね」
義母の優しい言葉にクマ子はほろりときてしまいました。
聞けば義母の学生時代からの仲良しグループの一人がかつて若いころ、不妊治療をずっとしていたそうなのです。
「友達が不妊治療をしていてね。その時にずっと話を聞いていたんだけど・・・治療は大分辛いらしいね。思い出したよ、その時の話。彼女毎日辛い治療に耐えてがんばったけど、子供ができなかった。」
そんな辛いことをクマ子ちゃんがしているかと思うと、変わってあげたいのに変われないのが悲しい・・・
そう言ってくれたのです。
その言葉で十分。
十二分にクマ子は嬉しかった。
そしてこうも言ってくれました。
「男はそんな辛い気持ちなーーーーーーんにもわかってないよ。だからちゃんとクマ吉にも辛い時は伝えるんだよ。私からも言っておくけど、クマ子ちゃんからも言うんだよ。絶対に無理はだめなんだから。」
お義母さん、ありがとうございます。
クマ子は一人じゃない!そう思うことができました。