第17代大韓民国大統領選挙が、19日に行われ、ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)候補が、大統合民主新党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)候補や、無所属の李会昌(イ・フェチャン)候補を大差で破り、当選した。
開票結果は以下の通り。
(候補名・政党・得票数・得票率の順)
①李明博(ハンナラ党)=1149万2389(48・7%)
②鄭東泳(大統合民主新党)=617万4681(26・1%)
③李会昌(無所属)=355万9963(15・1%)
④文国現(創造韓国党)=137万5498(5・8%)
⑤権永吉(民主労働党)=71万2121(3・0)
⑥李仁済(民主党)=16万708(0・7%)
⑦許京寧(経済共和党)=9万6756(0・4%)
⑧琴明(韓国社会党)=1万8229(0・1%)
⑨鄭根謨(真の主人連合)=1万5380(0・1%)
⑩全寛(新時代真の人間連合)=7161(0・0%)
民団HPhttp://mindan.org/shinbun/news_t_view.php?category=13&page=18より
①李明博(ハンナラ党)=1149万2389(48・7%)
②鄭東泳(大統合民主新党)=617万4681(26・1%)
③李会昌(無所属)=355万9963(15・1%)
④文国現(創造韓国党)=137万5498(5・8%)
⑤権永吉(民主労働党)=71万2121(3・0)
⑥李仁済(民主党)=16万708(0・7%)
⑦許京寧(経済共和党)=9万6756(0・4%)
⑧琴明(韓国社会党)=1万8229(0・1%)
⑨鄭根謨(真の主人連合)=1万5380(0・1%)
⑩全寛(新時代真の人間連合)=7161(0・0%)
民団HPhttp://mindan.org/shinbun/news_t_view.php?category=13&page=18より
ちなみに、韓国では独特の「地域主義」があり、南東部の慶尚(キョンサン)道と南西部の全羅(チョルラ)道では、前者が保守、後者が革新であるということが、非常に明確である。これは、慶尚道はかつての新羅の支配地域で、全羅道は、百済の支配地域であり、百済滅亡後は、全羅道の人々は散々馬鹿にされ、辛酸をなめてきたと言う。こういった歴史的背景があって、地域主義が醸成されたというのだ。早大の重村教授によれば、金大中氏が98年に大統領に当選したのは、百済滅亡以後初めて(!!)、全羅道が政権を握ったということになるという。
なお、前回の革新系候補だった盧武鉉氏は、慶尚南道出身のため、保守の強い慶尚道でも票を伸ばせたとされる。一方、今回の革新系の候補・鄭氏は、全羅道出身のため、ただでさえ盧武鉉政権の評判が悪く、革新が不利なのに、慶尚道地域で票を得るのは極めて困難なのは前から予想されていた。
ちなみに、忠清(チュンチョン)道は、大統領選挙では常にキャスティングボートを握るとされ、前々回の選挙では、金大中氏は忠清道の実力者・金鍾泌(キム・ジョンピル)氏と組み、また前回は、盧武鉉氏は忠清道への首都移転を公約することで、票を獲得できたとされる。
各道の位置はhttp://ja.wikipedia.org/wiki/大韓民国の地方行政区画参照
さて、以下は今回の地域別得票率の一部で、左から李明博、李会昌、鄭東泳各候補の得票率。前二者が保守(李会昌氏の方が右派と思われる)、鄭氏が革新であるので、見やすくするため、保守を青字、革新を赤字にしておいた
慶尚北道:72.58、13.72、6.79
慶尚南道:55.02、21.48、12.35
全羅北道:9.04、3.63、81.60
全羅南道:9.22、3.61、78.65
忠清北道:41.58、23.38、23.79
忠清南道:34.26、33.23、21.08
(全国:48.67、15.07、26.14)
朝日新聞より
慶尚南道:55.02、21.48、12.35
全羅北道:9.04、3.63、81.60
全羅南道:9.22、3.61、78.65
忠清北道:41.58、23.38、23.79
忠清南道:34.26、33.23、21.08
(全国:48.67、15.07、26.14)
朝日新聞より
これを見ても、今回でもやはり、慶尚道と全羅道の地域対立はまだまだ解消されていないことが分かる。
ただ、前回や前々回では、全羅道での革新候補の票は9割を超えたが、今回は8割前後で、鄭氏にとっては、かなり苦しい戦いであった事が分かる。
李明博氏ががここまで票を伸ばせたのは、あちこちでいわれている通り、経済の問題であろう。韓国経済はマクロ的にはそれなりに好調なようだが、国民の景況感は良くなく、とりわけ若い世代は就職難だという。盧武鉉政権は左派にもかかわらず、格差はかえって悪化したと見られているようだ。盧武鉉大統領自身は、上も下も上がったが、上が上がりすぎたので、格差が感じやすくなっていると弁明しているようだが、国民はそれでは納得しなかったのだろう。また、北朝鮮への行きすぎた融和政策への批判もあったのかもしれない。李明博氏は財界出身であり、やり手の前ソウル市長とも知られているので、彼なら経済を何とかしてくれるんじゃないかという期待が集まったのは分かりやすい話だ。
北朝鮮に関しては、李氏は、経済支援は核放棄を前提にしており、盧武鉉政権よりは厳しい対応になることが予想される。韓国人拉致問題についても、取り組む意志は示しているようなので日本としても、協調を呼びかけたいところだ。ただ、以前日本人拉致問題に消極的発言をしたことがあり、大統領としてどこまで協力してくれるかは不透明だ。米国に対しては、盧武鉉政権は「反米的」とされていた。もちろん、実際はイラク戦争に賛成して、派兵もしているし、今年には米韓FTA締結を実現させるなど、なかなか現実的な政策も見られたが、やはり米韓関係は最悪とみるのが一般的だろう。李明博政権になれば、米韓関係がよくならない事の方が考えにくい。とすれば、北朝鮮問題についても、米国の対北姿勢が重要となってくるので、来年の米国大統領選の重要性が、いっそう増したと感じる。ブッシュ政権は最近やや融和的になりつつあるので、韓国の大統領が保守派になったからといって、単純に喜べるわけではない。残り任期も少なくなってきたブッシュ政権と、その次の政権の行方を見守りたい
日韓関係を考えれば、今より悪くなることは、考えにくい。盧武鉉政権のもとで、日韓関係は本当に冷え切ったものになったのは明白である。ただ、李明博氏は経済に関して国民から強い期待を受けすぎているので、仮に経済政策で失敗すれば、当然支持率は急落するだろう。そうなると、支持率回復のために、反日的な発言を始めるかもしれない。たとえば、盧武鉉大統領は、韓国大使館HP(「資料室」http://jpn-tokyo.mofat.go.kr/languages/as/jpn-tokyo/data/room/index.jspのNo.82)によれば、03年に「大統領就任式に小泉首相を招請したが、ちょうどその時に靖国神社を参拝した。それ以前なら招請を取り消し、非難声明を発表していただろう。私がそのような態度を表明したとしたら韓国国民は喜んだだろうが、韓日間の国民情緒には悪い影響を与えたはずである。国民の敵対的な感情をなるべく刺激せずに少しずつ譲歩し、友情と協力の雰囲気を強めるよう努力することが結局、我々の未来」と発言したりしているし、また、04年7月の日韓首脳会談では「歴史問題が両国国民間の友好親善を阻害しないよう互いに努力する必要がある」「韓国政府が要求を繰り返すと、日本国民の間で、何回も謝まったのに、何回謝らなければならないのかという反発が生じる可能性もあろう。両国民の情緒的な隔たりがある中で、私の任期内には公式的には提起しない方針である」http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2004/07/21press.html、12月の会談では、「韓国が日本に歴史問題を頻繁に提起し、また謝罪の要求や様々な要求をした場合に、それが果たして韓国と日本の友好親善のためにあるのか、と考えると、それについては否定的な立場である」http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2004/12/17press.htmlと述べており、少なくともこの頃までは比較的親日的と見られていた。これは、小泉首相が靖国に参拝していたにも関わらず、である。それが、あの豹変のしようだ。
とはいえ、基本的に前政権の悪しき箇所は受け継がぬであろうし、少なくとも短期的には日韓関係はかなり改善されるのではないかと見ている。
ちなみに北朝鮮は静観しているようだ。朝鮮新報http://www.korea-np.co.jp/sinboj/や、朝鮮通信http://www.kcna.co.jp/のサイトは今のところ何も報道していない。
また、韓国では金大中政権以来、死刑が停止されているが、今回の政権交代でどうなるのかも着目したい。
とにかく、李明博候補が当選したのは非常によいことだと思うので、心よりお祝いを申し上げたい。そして、韓国の国内外に難問が山積する中、ソウル市長として清渓川整備を推し進めたようなリーダーシップを振るって、うまく処理していただきたい。
ところで、こないだ家に帰ったら、大韓民国大使館から宅配便が届いてました!!
何かと思ったら、前ダイナミックコリアのサイトhttp://korea.or.jp/で応募したのが、当選したとのことで、結構大きな箱の中に、とってもコンパクトなUSBが・・・ でも、結構嬉しいね♪ 多分応募者僅少だったんだろうな…
日韓両国は互いに一衣帯水の隣国であり、文化的に近い部分はたくさんあるし、政治的にも、民主主義や基本的人権の尊重、法の支配、市場経済といった共通の価値を共有している最も近い国である。諸問題はあるとはいえ、基本的に韓国との関係は良好でなくてはならない。両国の政府・国民は、そのことをよく認識して、日韓関係のさらなる強化に尽力すべきであろう。
日付変わって、今日23日に、郵便局のバイトの「事前訓練」 「研修」じゃなくて「訓練」??
だるいな・・・・・ まあ、前向きに頑張ろう!!
ちなみに最初は地元の郵便局にネットで応募したのに、大分経ってから「もういっぱいで、もし辞退者が出たり近隣局で募集があれば連絡する」みたいなこと言われて、数日後に別の郵便局から留守電が入ってたので、かけなおしたら、「担当者が居ないのでこちらからかけなおす」と言われて、その日の夜にようやくかかってきて、この日の面接が決まったわけで、んま~、郵便局のバイトがきまるのにこんなに長丁場になるとはな・・・