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日露首脳会談

2009-02-18 20:20:02 | 領土問題
本日麻生首相はサハリン(樺太)南部のユジノサハリンスク(豊原)を訪れ、ロシアのメドベージェフ大統領と首脳会談を行った

日本首相の戦後初のサハリン訪問だそうだが、ここでサハリンの歴史を簡単に振り返りたい。1905年のポーツマス条約で南樺太は日本の領土となったが、第二次大戦末期の旧ソ連の侵攻以来、旧ソ連・ロシアが実効支配している。我が国は1952年発効のサンフランシスコ講和条約で放棄したが、ロシア領と認めたことはない。大半の世界地図に、北海道とサハリンの間と、サハリンを通る北緯50度線の2つの国境線が描かれるのはそういう理由だ

一方、日本はユジノサハリンスクに総領事館を置いているし、本日の会談もこの町で行われた。確かにサハリン州庁が置かれる町とはいえ、主権未確定の立場からすれば、「日本は主権を放棄しているし、領有権を主張する国はロシアだけ」という外務省の説明を鑑みても、釈然としない。朝日新聞には、先述の経緯を知ってか知らずか、「ロシア・サハリンを訪問」と書かれていた。(追記:毎日と日経もロシアとした一方、産経と読売はそうではないようだ)

ところで、サハリン州旗に描かれる同州の地図には、日ソ共同宣言で返還が約束された歯舞・色丹を含め、北方領土も載っている。http://www.adm.sakhalin.ru/北方領土はロシアではサハリン州の一部なのだ。本日の会談では、「我々の世代」の解決を目指した協議の加速で一致したが、麻生氏が「向こうが二島、こっちが四島では進展しない」と述べた事は憂慮したい。四島返還が我が国最大の譲歩であって、面積分割等の解決はあってはならない

経済については、サハリン2等の今後の協力が期待される。一方、ロシアが現在保護主義的傾向にあるのは懸念したい。ロシアでは日本車等の人気が高く、安易な保護主義は両国民にとって不利益だ

日露両国はどこで国境が確定しても最も近い隣国であることを忘れず、領土問題の粘り強い解決をめざす一方で、協力や交流を促進していく必要がある