平成23年、皇紀2671年、西暦2011年の辛卯の年を迎えました。
本年も、KKDブログをよろしくお願い申し上げます。
さて、我が国をとりまく状況はたいへん厳しいものがあります。以下、外交安保、経済、それに皇室についてを中心に述べてまいります。
まず、外交安保については、民主党政権下で日米関係が揺らぐ中、昨年は尖閣諸島近海での中国の漁船(?)衝突事件や、ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土「訪問」問題、それに竹島問題での配慮と報じられた防衛白書の先送り問題など、我が国の領土を巡る問題が大きな話題になりました。いずれの問題についても、菅内閣の対応が極めて悪かったためにより深刻化してしまったと言わざるを得ません。
一方、年末にまとめられた新しい防衛大綱では、中国を念頭に、南西諸島への守りを重点化し、与那国島への自衛隊配置にも前向きな姿勢を鮮明にするなど、なかなかよくできたものとなりました。武器輸出三原則の見直しについては、見送られたものの、議題としてあがるだけでも民主党政権としては大きな前進です。武器輸出三原則については、佐藤内閣での本来の三原則自体は当然のものであり、今後も維持されるべきですが、三木内閣以降、武器輸出そのものが大きく制限されている状況は、好ましくありません。菅内閣には是非とも、我が国の防衛産業の適度な発展を妨げる規制の緩和を実現してほしいと思います。
北朝鮮については、朝鮮戦争以来の南侵といってもいい延坪島砲撃という暴挙に出ました。拉致問題も未だに解決の道筋が見えません。今までなかなか連携を保てなかった日米韓が、今度こそ一致結束してほしいものです。ただ、親北派として有名なニューメキシコ州のリチャードソン知事の訪朝等、米国の動きは微妙なところです。
次に日本経済に目を向けると、やや持ちなおしの傾向があるとはいえ、依然厳しい状況です。
経済政策については、大前提として、我が国の状況は財政については大赤字、金融については超低金利であり、政府日銀が大胆な政策をとるのは困難な状況であるということは、是非とも共有してほしいものです。そして経済全体については、長くデフレギャップの状態が続いているのは、巷言われる通りでしょう。これは即ち、過剰供給状態であり、市場メカニズムに基づいて、供給側の調整が行われる必要があります。勿論、リーマンショックによる急激な需要の落ち込みには、財政・金融政策でその穴埋めをすべきであり、それが不十分という議論も理解できます。ただ、大きな方向性として、過剰供給状態の改善を、引き続き行うと共に、生産性を向上させる成長戦略が必要なのはいうまでもありません。
個別具体的に財政はどれくらい出せるとか、金融緩和はどれくらいまで有効かといった議論は、専門家に委ねたいところです(マスコミにでる方々は皆バラバラですが…)。
最後に皇室に関してです。皇室の弥栄をお祈りしつつ、将来的に皇室の存在を危うくする2つの問題について論じます。
1つは皇位継承問題です。我が国の皇室典範は現在、男系(父系)かつ男性の皇族にしか皇位の継承を認めていません。しかし、現在の皇室の構成では、将来の皇位継承が極めて不安定なものとなるのは必然です。今の内に、適当な対策を考え出す必要があります。そのためには、将来的に女性や女系の皇位継承を認めることもやむを得なくなるかもしれません。その意味でも、女性が結婚したら原則的に皇籍を離れる、現在の皇室典範の規定は見直す必要があるでしょう。また、戦後皇籍を離脱された旧11宮家に属する旧皇族及びその子孫の方々を皇籍復帰させる案も、真剣に検討すべきです。
いずれの案に対しても根強い反対がありますが、皇統断絶こそが最悪のシナリオです。伝統ある男系継承をなるべく守る一方、皇位の安定を図るべきというのが、私見です。
ちなみに、英国王室は女性・女系とも王位継承を認め(兄弟間で男性優先)、また王家の血筋をひく者(かつ新教徒)に王位継承権を認める(ノルウェーやスウェーデンの国王らにも英国王位継承権がある!)という極めて安定的な制度を保っています。全て英国を真似せよとはいいませんが、十分参考にすべきです。
もう1つは、若者の皇室の無関心です。ある世論調査では、20代の皇室への無関心層が7割を超えているという数字もありました。極めて由々しき状況です。
その一方、小林よしのり氏の『天皇論』がベストセラーとなるなど、嬉しい動きもあります。若者の歴史ブームも、皇室への関心の高まりに寄与してほしいものです。
いずれにせよ、皇室に関して、十分な教育がなされていないのが、最大の問題です。適度な愛国心を育む教育改革を、切望します。
末筆となりましたが、本年が皆様にとって素晴らしい一年になりますよう、お祈り申し上げます。
平成23年元日 KKDブログ