露花便り

福山市の庭師のブログです。庭師の仕事や日々の生活の中からやさしさに包まれる出来事や気付きを綴っていきます。

3歳になりました。「ふく」の記録

2014-10-23 00:46:04 | 日記
露花のホームページのトップ画面、真ん中あたりにいる子犬の写真は「ふく」です。

ふくは三年前のちょうど今時期、剪定中のお屋敷に猫に追われて迷い込んできた子犬です。


か・可愛い・・


まだとてもちっさくてひとりでは生きていけない状態でしたが

生きようと懸命に山の中をさまよったらしく、からだはダニとノミだらけ・・。

干からびたミミズでも熟して潰れた柿でもなんでも食べました。


よく頑張ってきたねぇ、うるうる・・・・




私の両手に入るほど小さい。

剪定が終わるまで私について回っていたので抱き上げて連れて帰りました。




その日から親方宅に家族として迎えられ「ふく」と名付けられました。




散歩が怖いふく。

人がちょっとでも離れると死にそうな声で叫び続けるので、夜親方が連れて寝たり、お祖母さんが抱っこしてコタツに座っていたことも・・(笑)




ちょっとずつ大きくなってきました。






ジャンプ ジャーンプ!











あれから三年・・・。


親方との朝晩の散歩が日課。

親方のご家族も散歩に連れていってくれるため一日3~4回は散歩に行くふく

時間になると猛烈アピール。
すごいね、なんでそんなに正確に時間がわかるんだい?

とにかく散歩大好き



きたきた




ふくはいつも笑ってるからね~、笑ってるとこ撮るよ~




どーーーーーん!!!
近っ!!







ふくのおかげで福がたくさん来ています







庭師と花師とお庭番

2014-08-24 18:56:17 | 日記
岡山県真庭市にある樹齢千年といわれる桜をご存知ですか?


その桜は丘の上に立つ一本の桜で、元弘2年(1322年)後醍醐天皇が隠岐配流の際この桜を見て賞賛したという謂れから「醍醐桜」の名がついたそうです。



13年程前、初めてこの醍醐桜に出会いました。

当時園芸業界で働いていましたが、この桜の足元に立ったとき、何故か江戸時代ぐらいの庭師や職人、いろんな人の営みが走馬灯のように目の前に浮かんで流れていきました。

素晴らしい日本庭園を前にしたわけでもなく、一本の桜を見ただけですが、日本人として心を鷲掴みにされたような物凄い衝撃を受けました。

そのことがあってから、日本の庭や庭師について考えるようになりました。



当時の園芸業界はイングリッシュガーデンブームで猫も杓子もイングリッシュガーデンでしたが、日本に生まれて素晴らしい庭文化があって、大切に受け継がれてきてるのになんでイングリッシュガーデンなんだろう・・と思うようになりました。

私も長い年月かけて大切に受け継がれてきた歯車の一部になりたいと思い、庭師を目指すようになりました。


それから数年かけて勉強し造園学校に通い、現場で使える資格をいくつか取りました。


京都で修行された親方の影響でさらに「庭師」という職人の奥深さを知り、一層憧れや羨望が強くなり今に至ります。




もう一つ影響を受けたのは、朝井まかてさんの小説「ちゃんちゃら」




江戸時代の庭師が仕事や人間関係を通して成長していくお話です。



まかてさんが描く世界はフィクションですがあらゆる文献に裏付けされていて、石組みや流れ、植栽、庭を構成する全てのものに江戸時代の職人たちがどれだけ真剣に向き合っていたのかを鮮明に見せ付けられます。


まかてさんの作品ではシーボルトの庭の園丁になった熊吉のお話、「先生のお庭番」と花師が登場する「花競べ」にも庭師として感情移入してしまいます。






庭の中で問題にいきあたったとき、何故そうするのか分からないでいたことがたくさんあります。

まかてさんの本を読んでからは、そんな問題解決の助けになるというか、何が間違いで何が正解なのか自分なりに答えが浮かんでくるようになりました。




ちなみに最近の親方の愛読書。





日本建築は人を迎えるための建築だそうです。

庭は外と建築を繋ぐ重要な役割があります。

素晴らしい先人達が本に書き留めて残してきたことを出来るだけ知ることが答を探す手がかりになると思います。

「数寄屋住宅礼賛」私も是非読みたいと思います。





大雨土砂災害

2014-08-24 12:11:22 | 日記
8月としてはありえない程雨が続いています。

今日はまだ降っていませんが、たった今も福山・尾三地域にも大雨洪水警報が発表されました。

福山などの東部は西部ほどの雨量はありませんが、家のすぐ近くを流れる山南川の水位は高く、

台風と大潮が重なった時には明け方まで市役所に電気が灯り、消防が警戒をされていました。




先日の広島の土砂災害では多くの方々が亡くなられました。

真夜中に突然土砂に襲われる恐怖と、人間の力ではどうすることもできない無力さに胸が締め付けられます。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りしますとともに

まだたくさんの方々が行方不明のままですので、全員の方が一刻も早く救出されることを願います。



なんとか無事だった方々も家の中に土砂が入り込み、生活の目処がたたない状況です。

昨日は700人から800人のボランティアの方が集まり、土砂を土嚢に詰めたりバケツリレーで

運んだりされましたが、まだまだ全然人数が足りないそうです。




親方はここ半年、日曜日も仕事を休むことはありませんでしたが、

今日は有志の方々と土砂を運ぶために広島へ行かれました。




普段土を触る仕事がら、水を含んだ土を取り除くことがどれだけ重く重労働になるかよくわかります。

私も同じ広島県民として何かできることがあれば力になりたいと思います。



まだ二次災害の危険が続いていますので油断できません。

避難所に避難されている方々も危険を承知でその場所を修理して住み続けるかどうかの選択という岐路に立たされておられます。






毎年水不足を心配して雨を心待ちにする季節でしたが、

なんとか土砂災害の危険がなくなるまで雨が降らないよう祈る毎日です。



ネコライフロカ

2014-07-21 08:28:13 | 日記
先月剪定に行く途中に道路の真ん中を匍匐前進してきた子ネコ。





古都(こと)と名付けられみんなに可愛がってもらってます。




最近のお気に入りは絵筆。



・・・というか、なんでも遊ぶ。


ゴミ箱に飛び込んだり、



ぶら下がるものに猫パンチの連打したり、ティッシュを引っ張り出してみたりと見るもの触るもの全てに興味津々の様子。







女の子だと思って名付けたんですが、念のため連れて行った動物病院でたぶん男の子だろうと言われました

おしりを見たり爪を切ったりするのを嫌がって、先生に噛み付いたので、

「この子はシャム猫の血筋だから性質が悪いよ~。悪いゆうちゃあいけんな、キツイゆうかな。
今は大人しくても元気になったら本性を現すよ~。」なんて言われました



ヨタヨタ歩きだったのに今ではぴょんぴょん飛び回り、走り回れるようになりました。

そしていつでも何かに狙いをつけているので、歩いていたりすると足に飛びついてきます。
右足、左足と交互にじゃれるので普通に歩けない・・



そして疲れて寝る。




途中、猫アレルギーで鼻炎や喘息が出たので親方宅に一時預かってもらい、

シャープのプラズマクラスターの一番良いやつを購入してから引取りに。

プラズマクラスターを使うと鼻炎等のアレルギーがでなくなりました。


花粉やハウスダスト、PM2.5等も除去するスグレモノです。




一番好きなTV番組はカリスマドッグトレーナー、シーザーが理想の男性という犬派の私ですが、
子ネコの可愛さにメロメロの日々・・・

猫に対してかなりクールなイメージがありましたが、人好きでとにかくついて回る子です。

姿が見えないとちいさい声で「ひやんひやん」と鳴いてます。



癒される・・・




ネコライフ満喫中です







山道で子ネコに遭遇

2014-06-29 20:08:47 | 日記
先日から三日間続いた剪定。

朝早くに深い山道を走って現場に向かっていると、道路の真ん中をもぐらのような生き物がほふく前進で向かってきました。

親方がビックリして車を停めると、それはまだ目もはっきり見えていないようなちいさい子ネコでした。



目やにを拭いて目が開いたところ。





周りに親ネコや兄弟の姿はなく、山に生きる野良猫の感じではありません。

明らかに捨てられた子ネコが道路をハイハイしてきた様子・・・。

目やにで片目も開いてないし、焦点もあってない。


私達も軽トラでなければ、踏みつけていたかもしれませんが、とにかく間一髪で助かりました。

そこに置いていけば車に跳ねられるか、トンビやタカなどに連れて行かれるサイズです。


剪定は時間が決まっていますし、迷わず車に乗せて連れて行きました。





それから一週間・・・。

ミルクから子ネコ用のエサを食べられるようになり、排泄も自分でできるようになりました。

どこにいてもネコ砂トイレを用意したらホリホリして必ずトイレでします。


なんて賢い子ネコなの!!!






バンザイで寝てる・・・。

か・可愛すぎる・・・




無表情の親方も犬のふくと子ネコにだけはやさしいニコニコ笑顔(笑)

ネーミングセンス無いのに一生懸命名前を考えておられます。



犬が「ふく」じゃけぇ「ヤマちゃん!」合わせると「ふくやま」になるけぇ!

郷土愛半端ない





うちの長男がカレーを作っていると足の甲に乗っかり、そのまま寝てしまって料理できなくなったり、

次男がよく遊んであげるのでついて回って試験勉強ができなくなったりするぐらい人懐っこい子ネコです。


元さん、アドバイスいろいろありがとう!!



少し大きくなりました


私は子供の時からネコアレルギーがあり、鼻水やクシャミ、喘息がでるのですが、何故かこの子ネコだけはアレルギーがでません。


可愛すぎて可愛すぎて・・・


もし私があと20年生きられるなら、この子と一緒に生きたい。



ネコのために引越しを考えています






旅立った住人たち

2014-05-27 00:35:49 | 日記


よりによってこんな雨の日に旅立っていってしまった。


なんだか歌詞でもかけそうなほどさみしい気持ち



やっぱり二匹とも会話してたんだな、すんごい仲良しに違いない。






空っぽのサナギーズ



ありがとう!



二匹の無事を祈ります。


しばらくは風にはためく抜け殻を見て過ごします。



ジャズのナンバーばかりが頭にまわる雨の一日でした




車の住人サナギーズ

2014-05-25 23:20:28 | 日記
一週間以上前から、私の車には住人が居ます。


窓ガラスの上の雨よけに二匹並んではりついていた青虫。


どうやってここまで二人で登ってきたのか謎ですが、ピッタリ寄り添って蛹になりました。


サナギーズ


高速で邑久町にも行き、雨の日も風の日も揺られていましたが、二匹とも頑張ってきました。



最初は寄生虫にやられているだろうと思っていましたが、無事に蛹になり、ぷるぷると体をくねらせてあと少しで飛び立ちそうです。


こうなると可愛くて仕方ない(笑)


のんびり動画まで撮影・・・夢中です。




なんとか里山で羽化できますように




引き続きばら祭でのご縁♪

2014-05-25 01:46:10 | 日記

バラに求めるものは、豪華さや丈夫さ、華やかさ、香り等、みなさん様々ですが、

これほど世界中で老若男女に愛されている植物も珍しいです。


ちなみにヨーロッパではバラといえば6~7割の方が赤いバラを購入するのに対して、

日本ではピンク色のバラが一番売れるそうです。

やさしいピンクや白色のバラを好むのは、日本人の美意識を表していると思います。



そう考えると、作出家の河本純子先生や広島バラ園の田頭先生はすごいです。

あんなバラ、日本人じゃないと思いつかない!!


「ガブリエル」

この十年の間に、繊細で可愛らしくて趣のあるバラがたくさん生まれています。


「おとひめ」





「はつね」




「シュシュ」






「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」


オールドローズや名作と言われるバラも素敵ですが、日本人の美意識で作出されたバラも広めていきたいと思っています。


「マダム・ピエール・オジェ」




「ラレーヌ・ヴィクトリア」





「マダム・ハーディー」



「かおりかざり」



「アンブリッジローズ」


私たちは日本の風景に溶け込むような自然でやさしい雰囲気のバラが好きです。

シダネルが戦後壊滅状態のジェルブロワにバラを植えて村を復興したように、

福山市も戦後の焼け野原にみんなでバラを植えて復興を願いました。



それから時代は流れ、暮らしや生活スタイルも変わりました。

みんなが貧しくて、豪華なものや贅沢なもの、珍しいものが憧れだった時代から、等身大のナチュラルなものが求められるようになりました。

その辺に当たり前に生えているノイバラの自然な美しさに感動するのも裕福になった証かもしれません。


バラをど派手に植えて華やかにするだけでなく、福山にきた人がやさしい気持ちになるようなバラの町になればと思います。



さてさて、今年も露花を訪ねてきて下さりありがとうございます

購入頂いた新苗は一刻も早く植え替えしてあげてくださいね。

みなさんのお宅で元気に大きくなるよう願っています




そして、いつも応援して下さる皆様にこの場を借りて感謝の気持ちをお伝えします。



三原のKさま御夫妻、今年も二日とも足を運んで頂き、ありがとうございました!!!

出会ってから一年しか経っていませんが、お二人のお顔を拝見すると、

なんだかずっと昔からの友人のような安心感を覚えます

今年は私がうっかり枯らしてしまった銅葉スミレの種を分けてくださいました♪

小さなつぶつぶの種が大切にパックされた姿を見ると、幸せな気持ちになります。

スミレの種は、うっかりするとすぐにはじけ飛んでしまうので、

毎日観察していないと種を採取することができないからです。


目に見えない愛情に包まれたスミレの種たち・・・癒される

休みの日にのんびり植えたいです♪


今年も沢山のバラたちが仲間入りしましたので、来年の成長写真を楽しみにしています!





リフォーム工事中のO邸のOさま、イクヨさま、ありがとうございました!

忙しくゆっくりお話できませんでしたが、とても励まされました


ばら祭の後も打ち合わせや片付けでなかなか伺えずすみません。


これからテラスとウッドデッキ工事に全力投球でお返ししたいと思います。


ガブリエルとナエマも大切に育てていきましょうね♪





福山のKさま御夫妻、いつも差し入れをありがとうございます

忙しく怒涛の二日間のばら祭ですが、私たちにとってお二人は憩いのオアシスです

さらに今年はなっちゃんに会えた!!



んにゃ~~可愛い~~可愛い~~


バタバタの中、幸せなひとときを過ごせました。

また近々お伺いしますね





アイアン作家のフジオさん御夫妻。

いつも廣岡さんを助けてくださってありがとうございます!


奥様は初対面でしたが、すごく素敵な奥様!!

直感的にたぶん、同じ空気を感じる方だと思いました(勝手に)


Kさまのオープンガーデンにも足をはこんでくださったんですね♪

溶接して頂いた特注のフェンスや門扉の柱などのお陰で素敵なお庭になりました

今年もフジオさんの手作りアイアンたちが働いてくれています









岡山のO先生、ヨウコさま、遠いところ足をお運びいただきありがとうございました!!

親方が「O先生が来られてる!!」と、嬉しそうに教えにきてくれました。

工事途中で一ヶ月という長い間抜けることを快く承知してくださりありがとうございました!

こちらでのイベントと工事をきっちり終わらせて、岡山に帰ります。





今年オープンガーデン開催中のKさま。

ばら祭と同日開催でしたので、たくさんの方が見に行かれました。

こちらは昨年露花でパーゴラを設計、設置させていただきました。

バラを植えてから一年目の新米ロザリアンですが、

新米なんて信じられないほどの美しい見事なバラを咲かせられました。



将来は福山のバラリーダーになられるような行動力と熱意のある素敵な方です。



そして、いつも露花の素敵なチラシをデザインしてくださるムドラランパーティーの村上さま。

今回もギリギリでお願いしたにも関わらず期待以上のものをデザインしてくださいました。



ここには書ききれませんが、ご購入頂いたみなさま、応援してくださっている沢山の方々に感謝します。



ありがとうございました!!



また来年もお会いできると嬉しいです。
















ばら祭でのご縁♪GARDEN CRAFT LIB ガーデンクラフトリブさん

2014-05-24 23:15:02 | 日記
改めて、今年のばら祭は楽しかった~~

二日間だけのイベントですが、沢山の方々との出会いがあり、思い返してはニコニコの日々です。


中でも一番の衝撃的な出会いは長野県から出店されたガーデンクラフト リブさん!!

信州・松本発の手作りオベリスク工房さんの作った木製オベリスクたち。


な・なんと!!!この衝撃的な可愛らしさ!!!!





買っちゃった



む~~んっ・・・、可愛い  ふぅ




一体ずつがそれぞれ今にもしゃべりだしそう・・何というか・・木製ロボな感じです

なんと言っても線の細さと絶妙な角度とライン、ヨシヨシしたくなるような頭の丸いポッチ。

明治大正時代の和と西洋文化が混じり合わさる頃のノスタルジックなレトロ感。

そして日本の田園風景にも合うやさしい立ち姿

そこに置いた、とか、刺したとかじゃなくてね、「立ってる」っていう表現でしか言い表せない存在感なんです。



信州の澄んだ空気を吸って生まれたに違いない穏やかな表情のオベリスク。

沼隈の里山とツルバラにピッタリです。



親方はすっかりリブさんのとりこになったようで、来年の店舗オープンに向けて、露花オリジナルを作成してもらうそうですよ♪

ちょっとやそっとじゃ感動しない親方ですが、ばら祭では自分から名刺をもってリブさんのブースを訪ねました。

現場で作業しながらも毎日長野のリブさんのところに行く話ばかりされてます。

そうとうツボったみたい




露花で購入したオベリスクがあまりに可愛いので名前をつけることにしましたが、

親方の発想は「オベ」と「リスク」・・・


即刻却下。



「じゃ、おベリンな!おベリン♪」と食い下がる親方・・・。


と、いうことで一体は「おベリン」に決定し、もう一体は私の好きなブルーグラスの曲に登場する名前から、
「ルーシーメイ」と名付けました



「ルーシーメイ」と「おベリン」に出会えるお店のオープンをお楽しみに♪


そしてもう一度お会いしたいリブさん御夫妻

仕事が一段落したら訪ねていこうと思います





信州 松本発、手作り木製オベリスク工房

GARDEN CRAFT LIB


ガーデン クラフト リブさんのオンラインショップはコチラ






2014年  明けましておめでとうございます!

2014-01-13 00:26:28 | 日記
ご挨拶が遅くなりましたが、新しい年の幕開けですね!
本年もみなさまのご健康とご多幸をお祈り致します




昨年は露花にとって大きな改革の一年となりました。

日本庭園もつるばらの庭もそうですが、庭が美しいということの裏付けを模索し、
先人の技術や境地、約束事、自然界の法則を探り続けた一年でした。


イベントでもたくさんのご縁に恵まれました。


そして、新しい命の誕生!
この報告を心待ちにしていました!
途中、Yさん、ご主人の頑張りに涙涙の日々でした
Nちゃんおめでとう!!
あなたに会える日を楽しみにしています






一年を振り返ると、1月の京都に始まり、5月は東京国際バラとガーデニングショウやパソナを見学。



パソナの壁面緑化。




室内で作られる野菜たち。


白ナス。






2013国際バラとガーデニングショウの記事はコチラ




9月は大阪、11月には足立美術館、京都の石材や、12月には植木を探して九州を周りました。


「雨の足立美術館」の記事はコチラ


中でも長崎の松の先生、熊本の井上さん、植徳親方からはいろいろなお話が聞けました。


長崎の松。
あまりの美しさに言葉を失いました。


繊細な枝先。
こんなになるまでに何十年かかったことでしょう。






今では貴重な島松。






工事の最中にも関わらず抜けることを快く承知して下さった施主様にも感謝致します。


ありがとうございました!!

実際にその土地に足を運び、目で見て観察し、話をすることでしか解らない
貴重な体験をさせて頂きました。

「樹に和風も洋風もなかと!」

井上さんの言葉はいろんなものを引っぺがすほど情熱に満ちていて、
ずっと心に残っています。


井上さんが30年かけて作ってこられたダイスギ。
台が出来て初めてダイスギです。



京都の老舗で石材探し。
川石のウブもの。



燈籠 北木島産 三月堂法華堂 
伝統工芸師の方の手彫りです。


手彫りの燈籠たち。


二重升の手水鉢。


縁先手水鉢。


月見(硯型)の手水鉢。





ここ数十年で建築様式が変わってきたため、庭もそれに合わせて変化してきました。
そんな中で安価で手に入り、枝先の繊細さが好まれて雑木の庭が主流になりました。

人気ではありますが、正直雑木ばかりを庭に植えて何十年と維持していくことは難しいのです。
雑木といってもいろいろですが、基本的に小さいうちはほとんどの樹が陰樹です。
自然の中では種から芽を出し、ある程度大きくなるまでは他の樹の影で育ちます。
大きくなって他の樹を越し、初めて陽樹になるのです。

最近の外構やシンボルツリーとしてよく使われるサイズは2メートルぐらいですが、
高木になる樹の2メートルは、まだ赤ちゃんで陰樹です。
南向きの暑い敷地に線の細い繊細な赤ちゃんを寄せ植えにしているのを頻繁に見かけますが、
五年後、十年後にはひどいことになります。
暑さに負けて枯れこんでくるか、幹吹を出してボーボーに葉をつけようとするか、
どちらにしても樹にとっては生き残りをかけての闘いの始まりです。

折角頑張って生き残ってみても、茂りすぎて最初の繊細さがなくなったという理由で
切られる樹は可哀想すぎます。

樹が伸びていく方位も気にせず、谷間のようにあっちゃこっちゃに向けてみても、
人間の思い通りの方向に伸びていくことは出来ないのです。

樹は太陽を追いかけて枝を伸ばします。

雑木を南向きの敷地の境界に植栽し、家に向かって北向きに伸ばそうと思っても無理なのです。


出来た時が最高で、年数が経つにつれて荒れていくような庭を作っていくことは、
庭というものの評価を下げていくことになりかねません。


実際、施主様のご身内は何年も前に庭を作られたそうですが、
境界に落葉樹があり、秋はお隣に毎日葉が落ちて顔を合わすたび謝らないといけないため
「庭なんか作らなきゃよかった」という話をされているとお聞きしました。
家族にとっても樹にとってもストレスになるような植栽は不幸の始まりです。


「庭」が全て一括りにされてしまうことは悲しいです。



庭師の思い入れは強くとも、好みや主張は出来るだけ表に出さず、
施主様のお人柄を反映した庭を作るための
観察力や洞察力、想像力に磨きをかけていきたいと思います。






本年もよろしくお願い致します