男の子と

夕方外ランをした。

どうも昼間気分が乗らなくてダラダラとしていたら
午後四時近くになっていたので
慌てて外に走りに出た。

スッキリしない気分を、走ることで汗とともに吹き飛ばして
さっぱりして帰りたいと思い
一生懸命に走った。

ある程度の距離も走りたい。
そう思って最近割とよく目的地として行くことが多くなった
JR○○駅を目指すことにした。

海岸通り、堤防付近を通って、国道沿いを走って行く。
ジグザグに通りを走り抜けて
できるだけ信号のないところを選んで走る。

それで大体目的地までは9キロ。

トイレを借りて用をたし、また走って戻る。

行きとは若干コースを変えて気分転換もする。

そうこうしているうちに自宅付近に戻る。
ここまでで約二時間。
そして走った距離は20キロ。

「やれやれ、良く走った。ちょっと気分はすっきりしたな。」
と思いながらエントランスに入ろうかとしていたら
一人の小学生の男の子がじっと私を見ている。

人懐っこい感じの子で、ちょっと私に声をかけてみたいという気持ちが
その態度からうかがえた。

どうやらどこかのサッカークラブに入っているらしく
手にはサッカーボールを持っている。

なにかな？と思っているうちに、その子が話しかけてきた。

「走ってるの？」というから
「そうだよ。」と答える。

「どこまで走った？」とまた聞くので
「○○駅ってわかるかな？そこまで走ったんだけど。」

すると「どれぐらい時間がかかった？」とまたたずねてくる。
「大体二時間ぐらいかな。」と答えると
その男の子はびっくりした様子で
「へ～～すごいんだ！」と声をあげた。

近所にいろんな子どもたちがいるが
こんなふうにいろいろ話しかけてくる子は珍しい。

私も思わず真剣に話をしている自分に気が付いた。

もう夕食の準備をしなくてはならない時間だったので
その男の子ともうそれ以上話をしなかったのが残念だったなと
後から後悔した。

その子のことをもう少し聞いてみたらよかったな。
小さな友達ができたらもっと日々が楽しいかもしれない。
そんな気持ちになった、貴重な時間だったと思う。

また会えるといいなあ。