昨夜、窓をすべて開け放している時のことでした。
「わ~、美味しそうな匂い!」とカミさんが叫びました。
わたしも鼻をクンクンいわせてみると、何か食べ物の匂いのよう・・・。
もともと嗅覚には自信がないのです。
かつてのタバコの吸い過ぎで、鼻の嗅覚細胞が破壊されてしまったのでしょうか。
断煙して20年ほど立ちますが、嗅覚が蘇ってくる兆しはありません。
人類の嗅覚能力は、視覚が進化したゆえに落ちたという説があります。
使う必要のない機能の遺伝子はだんだんダメになってゆく。
それが進化の法則のようですから、タバコの吸い過ぎは関係ないのかもしれません。
「こんな美味しそうな匂いがわからないの? バカな鼻なのね~」とカミさん。
鼻がいいのは、まだ進化途上だからだよ。いいね~、この先、まだ進化するなんて。
と、負け惜しみを言っていますが、嗅覚とて悪すぎるよりはほどほどがいいですね。
視覚の話。
恐竜が生きていた大昔、哺乳類はほとんどが夜行性だったといいます。
夜の世界で生きていく分には、色を見分ける必要はありません。
だから、緑や青を見分ける視覚センサーを作る遺伝子がダメになった。
ところが、人類の祖先のサルの時代、突然変異が生じて、今のような視覚を得た。
色彩豊かな森の生活が色覚を蘇らせたのではないか、という仮説です。
もっと祖先を辿って、魚類、爬虫類、鳥類。
これらのいきものは、RGB(赤・緑・青)のほかに、紫外線も見えるといいます。
そういう視覚能力を持つと、夜の蝶が蛾に見えて興ざめ・・・になるかどうかはわかりません。