中村紘子さんが亡くなられました。
わたしにとっては、ピアニストというよりエッセイストとして記憶に残っている存在でした。
ピアニストという蛮族がいる、チャイコフスキー・コンクール、アルゼンチンまで潜りたい・・・。
本を読んだきっかけはカミさんの友達のピアノの先生。
「面白いわよ、読んでみたら? ピアノより書くことのほうが上手いみたい・・・」
ご亭主が芥川賞作家ですからね~、代筆だったりして・・・。
それは冗談でしたが、その頃は、図書館によく通っていた時期でした。
さっそく借りて読んでみましたが、たしかに面白く、これはピアノよりうまいかも・・・。
といっても、ピアノの技量を判定する耳なんかありませんが。
コンサートにもよく通っていた時期。
が、彼女の演奏をナマで聴いたことはなかったと思います。
ただ、オペラのコンサートで、ロビーでちらとチャーミングなお顔を見かけたことがありました。
桐朋の「子どものための音楽教室」で小澤征爾さんと同期。
全日本学生音楽コンクール、その小学生部門で1位。
その後、ショパンコンクールで入賞・・・演奏家、審査員、後進の指導者として活躍しました。
わたしより年長、と思っていましたが同じ72歳・・・と知ればまた別の感慨も湧いてきます。
そういえば先のピアノの先生どうしているでしょうか。
3年ほど前、初期の痴呆症と診断され、カミさんとの音信も間遠に・・・我が人生もたそがれ時です。