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9月入学の議論・・・嘘つきなのかアホなのか

2020-05-16 13:31:43 | 時事問題

全国知事会で、9月入学が議論されたとのこと。賛成した知事サンの言い分として、

  • 「グローバル化の進展」に期待とか、
  • 武漢ウイルスの感染拡大で休校となり、授業時間が不足する分を確保できるとか、
  • 9月入学は「グローバルスタンダード」とか、
  • 改革をするなら今だ、

などの理由が挙げられていたとのこと。

筆者は9月入学には絶対に反対である。

 そもそも、この議論は、初等・中等教育についてのことなのか、高等教育のことなのかが判然としない。その区別が付かない、その程度の議論なのかも知れない。ここでは、初等・中等教育のことであると解釈して書いているが、大学教育の場合の入学月は概ね、この入学月の1~2か月後になっている国が多いが、それ以上の月数のの国も存在している。

筆者が反対する理由は、4月入学は、明治以来、百年余の伝統であり、文化となっていることである。これは、知らず知らずのうちに、日本人の精神・心・記憶に刻まれているものである。例えば、桜の花が咲く、その下での入学式の構図は、日本人の心にはごく自然に感じるものである。その構図は、小説や映画などでも多用されている。これを情緒的だとして反論することはできるであろうが、その情緒こそが大切なのである。そもそもが、4月入学は過ごしやすい季節となるところから定められたもので、日本人の持つ情緒・精神と合致しているのである。

 そして、もし、9月入学となれば、このような記憶は全て他所事となり、今までの文化は失われてしまう。

そして、

  • に挙げた賛成論の「グローバル化」への期待であるが、

 今回の武漢ウィルスの蔓延は、グローバル化の「負の側面」が噴き出たものであり、今や世界は行き過ぎたグローバル化を反省している時期である。何をアホなことを言っているのかと言いたい。また、そもそも、9月入学にすることとグローバル化は関係ないことである。

  • 武漢ウイルスの蔓延で休校になった分を9月入学にすれば確保できるとのことは、随分と能天気なことである。今の感染拡大が9月前に終息する保証はない。寧ろ、第二波、第三波も予想されることで、これは、最悪、ワクチンの接種が終わるまで続くと考えるべきことである。知事ともあろう人たちの認識はこの程度であり、「何とかしなくては」との思いも覚悟も、真剣さもなく、ウイルスの蔓延を弄んでいるだけのように感じるものである。
  • 9月入学は「グローバルスタンダード」とのこと。これは、承知していて「嘘」を言っているのか、知らないでいっているのか。下に示す表は、文部科学省が公開している「世界の学校体系」

 https://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/detail/1396836.htm

を少し見れば判ることである。

下の表はここのデータから義務教育の開始月を整理して示したものである。

文部科学省「世界の学校体系」からデータを抜粋して引用

 

 この表から判ることは、何が「国際標準」だ!! この大嘘つき、否、アホなのか?

 調べれば簡単に判ることである。嘘、デタラメで論議を進めるなどもっての他である。もし気が付かなかったのであれば、それこそ、議論する立場にない「ど素人」である。国家百年の大計に関わることを論じるなどすべきではない。

 ところで、この表では、「欧米」のうち、欧州では国の数だけは多い。しかし、日本と比べて一桁も小さな、日本の県レベルの規模の国が多数あるだけである。なお、欧米のうちの「米」の、米国は7月入学であり、9月入学ではない。

 因みに、この知事サン達の考えは、「欧米に合わせろ」との趣旨であるが、これは、植民地根性である。何故、日本が合わせなくてはならないのか。日本は「日本の文化」に適した時期として設定されているのである。加えて、承知のこととは思うが、日本の人口は世界で11位であり、経済規模は世界で少なくとも第3位である。また、排他的経済水域まで含めた「日本国の支配が及ぶ」面積は世界で第9位である。欧州の国は、日本で言えば「県が国家と名乗っている」程度の国々が多いのである。これに合わせる必要はないであろう。必要があれば、先方が合わせたいと思うように、日本の学問水準を向上させれば良いのである。知事サン達よ、自覚を持て!

  • 「改革をするなら今だ」は、暴論である。このようなことを言う輩は、日本文化の破壊主義者である。改革という名の破壊が目的なのであろう。そして、このように社会的な混乱状態を利用して、するべき議論を省いて、自身の目的を達しようとしている。そして、4月入学を9月にするための膨大な作業で、更なる混乱を惹起することは、無視しているか、寧ろ喜んでいるような、極めて卑劣な卑しい輩の言い方である。

 この例としては、東日本大震災の混乱に乗じて、原発停止、太陽光発電の導入を図った、国賊・菅直人がいる。この国賊は、原発の代替えには、絶対にならない太陽光発電を混乱に乗じて、代替えできるが如くのプロパガンダをして導入した。その結果、電力会社が消費者へ販売している電力価格よりも「高い値段」で不安定な太陽光発電の電力を引き取らせたのである。そして、莫大な利権を太陽光発電事業者に与えた。このツケは未だに、一般消費者が支払わされていて、その支払は、電力価格の約1割増となっているのである。このように混乱に乗じて、何かをしようとする輩は、卑劣で薄汚い根性の持ち主である。

   このような輩の「掛け声」に騙されてはならない。

 9月入学は、武漢ウイルスの感染拡大で、国中が混乱しているとき、このように改革を装って、更なる混乱を惹起して、選挙目当てのパフォーマンスに使いたいのであろう。そして、うまくいけば「自分の手柄」とし、そうでなければ「ダンマリ」を決め込み、何の責任も痛痒も感じない薄汚れた根性の連中の仕掛けたことである。

 日本人の心とも合わず、加えて、日本の文化を壊す「9月入学」には絶対に反対である。

 なお、国際標準に合わせるのであれば、日本国憲法を国際基準にまずは合わせるべきである。これが先決である。他にも、スパイ防止法のない国は先進国では皆無であろう。このような国防上必要なことすら、国際標準にしようとは言っていない。これは、怠慢である。国を守ろうという気持ちのないような人物に、教育という国家の根幹に関る部分を弄ばせてはならない。



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