1月29日(水)図書館流通センターのセミナー「まちの課題を解決する図書館」
に行って来ました。
数年前から行われていて、連続講座であったり単発であったりしていますが、
参加者と議論したりする形のセミナーです。都合があえば参加するようにして
います。
今回は「2020年地方自治体の政策課題」自治体行革と持続性確保への次なる
一手がテーマでした。
講師は宮脇淳北海道大学法学研究科・公共政策大学院教授です。
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まず、行政経営問題で1.人的資源問題です。
大量退職と新人採用の困難化=現在の職員構成は高齢層と若年層が多くて
40代の中間管理職が少ないそうです。また一般職を減らして専門職を増やして
いるので専門職でも組織マネジメントをやっています。また、正規・非正規の
問題もあり、単に非正規というだけで給与を下げてはいけなくてきちんと役割
分担されていないとダメです。4月から会計年度任用職員制度が始まります
ので、注視していく必要があります。
新人採用は人数を確保しようとするとどうしても質が落ちます。また、10年以内
に他自治体に移動する人も増えていて流動化しています。
また、技術職やIT関係の職員採用も困難になっています。
これらの課題を解決するためには、人的資源の共有化が必要で自治体間での
共同機関の設置などが有効です。
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勤務実態は上のグラフです。
横軸が残業時間で右に行くほど多い、縦軸が有給休暇取得率で上に行くほど休み
が多いということです。これを見ると右下の小さな丸が財政課でブラック。その右
斜め上が保育課、
左の線の少し下の大きな丸が住民課で残業は少ないけどルーティンで仕事をして
いるので休みはとりにくいということです。一番左上で残業も少なく休みも多いのは
公園管理課だそうです。なかなか面白いですね。
残業時間だけでなく有給休暇の取得率もあわせて考えないといけないですね。
組織的な問題としては、中間管理職の疲弊とOJTを含めた研修機能の劣化や
管理職への意欲低下、女性管理職比率と昇格制度、職員意識のギャップなど
があげられました。
仕事量は増えるばかりですが、国から下りてくる調査を断るというのも確かにあり
かなと思いました。またライフスタイルが変わってきていてダブルインカムだと
管理職より一般社員の方が生涯賃金が高くなるそうです。
働き方改革も言われていますが、労働投入量(職員数×労働時間)の把握も
必要です。
ICTやAIも活用の前提があります。業務の棚卸と業務プロセスをフローチャート
化して、定型業務、準定型業務、非定型業務を分類して、定型で時間数の多い
ものからAI化するのが良いそうです。
テレワークとモバイルワークの話もありました。先生の勤めている北海道大学
ではテレワークも進んでいて、自宅のパソコンで資料を見られるし、生徒の成績
もつけられるそうです。またそのデータはすべて大学におくられて先生のパソコン
には残らないそうです。
財政問題、アウトソーシング、個人情報の取り扱い方の話もありました。
estatというデータベースがあることも知りました。外国人人口が地図になって
すぐわかる優れものです。活用している自治体は数パーセントとか。
内部統制問題や公会計制度についても話がありました。ポイントは日々仕訳です。
町田市の他にも小さな町などでもやっているところがあります。
最後に質疑応答がありました。指定管理の議案で協定書も仕様書もだしてい
ない自治体があり驚きました。それでどうやって審査するのか大いなる疑問です。