大分発のブログ

由布・鶴見やくじゅうをメインにした野鳥や山野草、県内四季折々の風景などアウトドア写真のブログです。 

生ける光の体験

2019-10-13 19:02:00 | 西洋神秘主義

  
 ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1098-1179)

中世ドイツのベネディクト会系女子修道院長であり神秘家、作曲家。史上4人目の女性の教会博士。 神秘家であり、40歳頃に「生ける光の影」の幻視体験をし、女預言者とみなされた。Wikipedia 

■ 生ける光

 「子供の頃から」と彼女は語った。
 
 私はいつも、私の魂の中に光を見るのです。それは外的な眼で見るのでもなければ、心の中の考えによって見るのでもありません。外的な五官は、この視覚には関係がないのです。

 …私が感じる光は

 場所的なものではなくて、太陽を運ぶ雲よりもずっと明るいのです。私はそこに、高さも広さも、あるいは長さも区別することができません。

 私がそういうヴィジョンの中で見たり学んだりすることは、いつまでも私の記憶の中に残っています。私は見、聞き、そして同時に知るのですが、私は、私の知ることをいわば瞬間のうちに学んでしまうのです。

・・・この光の中には、全くどんな形もみつけることはできません。もっともその中に、ときどき、私が生ける光と名づけた別の光を認めることはあります。

・・・私がこの光をみることに恍惚としているあいだ、あらゆる悲しみと苦悩は、私の記憶から消え去っているのです。
 
  彼女の描いたマンダラ
 
  




不変の光

2019-10-13 09:02:00 | 西洋神秘主義

 神秘主義宗教の主な特徴として「光」の体験が挙げられます。そしてそれは普通に見られる光とは異なったものです。

 これに関しては多くの記録が残されていますがそれらの中でも特に有名な人の体験をいくつか紹介します。

  
 アウグスティヌス(4~5世紀)はキリスト教の神学者。聖ヒエロニムスに助言を求める手紙を出したところ、書斎に光が満ち、ヒエロニムスの声が聞こえたという。

     *

 わたしは書物から自分自身にたちかえり、わたしの心の内奥に進んでいった。

 わたしは進んでいったとき、私の魂の目にはそれはなおかすんでいたが、まさしく魂の目の上に、わたしの精神の上に、不変の光を見た。

 それは、肉眼にも見えるような普通の光ではなく、万物を照らすというような光でもなかった。

 わたしが見た光は
 そういう光ではなく

 このようなすべてとはまったく異なったものであった。

 …真理を知るものは
    この光を知り、

 この光を知るものは
     永遠を知る。

 それを知るものは愛である。

―中略―

 天上からあなたの声が聞こえるように思った。そこでわたしは「真理は有限の空間にも無限の空間にもひろがらないから、無であるのではなかろうか」とたずねた。

 そうすると、あなたははるか彼方から、

「わたしは
 存在するものである」

  と叫ばれた。

 わたしはこの声をあたかも心で聞くように聞いたので、疑いの余地はまったくなくなり、「造られたものによって悟られ、明らかに知られる」真理の存在を疑うよりはむしろ自分が生きていることを疑ったであろう。

 アウグスティヌス/「告白」7巻10章