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概念の相対性あるいはその関係性は古くから世界中で広く考察されています。それに関する記事や解説をいくつか選んでみました。
仏教から二つ。
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維摩
✧不二法門
維摩経の内容として特徴的なのは、不二法門(ふにほうもん)といわれるものである。不二法門とは互いに相反する二つのものが、実は別々に存在するものではない、ということを説いている。例を挙げると、生と滅、垢と浄、善と不善、罪と福、有漏(うろ)と無漏(むろ)、世間と出世間、我と無我、生死(しょうじ)と涅槃、煩悩と菩提などは、みな相反する概念であるが、それらはもともと二つに分かれたものではなく、一つのものであるという。
(維摩経 wiki)
維摩経の内容として特徴的なのは、不二法門(ふにほうもん)といわれるものである。不二法門とは互いに相反する二つのものが、実は別々に存在するものではない、ということを説いている。例を挙げると、生と滅、垢と浄、善と不善、罪と福、有漏(うろ)と無漏(むろ)、世間と出世間、我と無我、生死(しょうじ)と涅槃、煩悩と菩提などは、みな相反する概念であるが、それらはもともと二つに分かれたものではなく、一つのものであるという。
(維摩経 wiki)
不二法門を原典からもう少し詳しく引用します。
喜見菩薩いわく、
色と色空とを二となす。色即ち是空なり。色滅して空なるに非ず、色は性として自ずから空なり。かくのごとく受・想・行・識と識の空を二となす。
喜見菩薩いわく、
色と色空とを二となす。色即ち是空なり。色滅して空なるに非ず、色は性として自ずから空なり。かくのごとく受・想・行・識と識の空を二となす。
識即ち是れ空なり、識の滅して空になるには非ず。識は性として自ずから空なり。その中に於いて通達すれば、是れを不二法門に入ると為す。
「入不二法門」
「入不二法門」
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龍樹
✧中論
この世のすべての事象・概念は、「陰と陽」「冷と温」「遅と速」「短と長」「軽と重」「止と動」「無と有」「従と主」「因と果」「客体と主体」「機能・性質」と「実体・本体」のごとく、互いに対・差異となる事象・概念に依存し、相互に限定し合う格好で相対的・差異的に成り立っており、どちらか一方が欠けると、もう一方も成り立たなくなる。
このように、あらゆる事象・概念は、それ自体として自立的・実体的・固定的に存在・成立しているわけではなく、全ては「無自性」(無我・空)であり、「仮名(けみょう)」「仮説・仮設(けせつ)」に過ぎない。こうした事象的・概念的な「相互依存性(相依性)・相互限定性・相対性」に焦点を当てた発想が、ナーガールジュナに始まる中観派が専ら主張するところの「縁起」である。
中観派wiki
この世のすべての事象・概念は、「陰と陽」「冷と温」「遅と速」「短と長」「軽と重」「止と動」「無と有」「従と主」「因と果」「客体と主体」「機能・性質」と「実体・本体」のごとく、互いに対・差異となる事象・概念に依存し、相互に限定し合う格好で相対的・差異的に成り立っており、どちらか一方が欠けると、もう一方も成り立たなくなる。
このように、あらゆる事象・概念は、それ自体として自立的・実体的・固定的に存在・成立しているわけではなく、全ては「無自性」(無我・空)であり、「仮名(けみょう)」「仮説・仮設(けせつ)」に過ぎない。こうした事象的・概念的な「相互依存性(相依性)・相互限定性・相対性」に焦点を当てた発想が、ナーガールジュナに始まる中観派が専ら主張するところの「縁起」である。
中観派wiki
ユダヤ教から一つ。
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✧対の考察
善が悪と相対し、命が死と相対しているように、罪人は信仰深い人と相対している。
いと高き方が造られたすべてのものに目を注げ。
一つは他のものに対しそれぞれ対になっている。
そして、このような仕方で、いつも二つずつ、一方を他方に対立させ考察せよ。
シラ書
道教からも一つ。
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✧有無相生(うむそうせい)
有があってはじめて無があり、無があってはじめて有があるという、有と無の相対的な関係。また、世の中のすべての事柄は相対的な関係にあるということ。「相生」は、互いに生じあうこと。
有無相生 音声相和
高下相傾 前後相随
長短相形
有無うむ相あい生しょうず
長短ちょうたん相あい形かたちし、
高下こうげ相あい傾かたむき、
音声おんせい相あい和わし、
前後ぜんご相あい随したがう。
老子二章
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