2024年7月7日
最近、少し驚いたことがありました。パソコンのソフト、エクセルでのことです。
文書を作成するときは提出の日付を、計画書などの作成では最終変更日を記入すると思います。「令和○年○月○日」と文字で入力するのが面倒だと思う人はぜひしっかり読んで下さい。
前に勤めていた職場では色々な事業計画書の検討がよく行われました。それぞれの事業の担当から配付されます。ファイルもあったのでおじさんはパソコンで見ていました。全ての事業計画書ではないですが、問題を発見したのです。
最初に見つけたのは検討した当日ではなく、数日経ってからです。提案日が検討した日に前回見たのと違う日になっているのです。
例えば6月25日に検討し、翌日に修正して最終更新日も6月26日に変更したとします。そのファイルを6月30日に開くと最終更新日も6月30日になっています。さらに7月1日に開くと今度は7月1日になっています。
その間にファイルは変更されていません。すぐに原因は分かりました。提案日にある関数が入力されていたのです。この問題はそれまでに何度も見ています。
「=TODAY()」とセルに入力すると、その日の日付が表示されます。このTODAY関数を知った人が「これは便利だ。これでいちいち日付を入力する手間が省ける。」と喜んで使ったのだと思います。
喜んだかどうかは分かりませんが、「これは便利だから皆に教えてやろう。」と思ったのでしょう。おじさんが関わった中では、エクセルを日常的に仕事に使っている人でも、数式を理解していない人を多く見てきました。というよりほとんど数式が使えない人の方が多かったように思います。使っているのはせいぜい合計や平均を求める関数くらいでしょう。
その人たちにTODAY関数を教えた、あるいは入力してやったとしたら、問題に気がつかないまま使ってしまうことになります。それが今回の問題です。
このTODAY関数は、入力した日の日付ではなく再計算をした時点の日付を表示します。エクセルの通常の設定では、新たな入力や変更等をするたびに計算をやり直しています。そのたびに表示される日付が変わるのです。
TODAY関数の場合は日付を表示するので、深夜0時を超さない限り再計算されても変化はありません。それなら時刻も同時に表示するNOW関数で試してみましょう。エクセルを開いてどこかのセルに、「=NOW()」と入力して下さい。そして1分以上経ってから先ほどのセル以外に文字でも数字でもいいので入力して下さい。分の部分が変わるのに気がついたでしょうか。TODAY関数も同じように日が変わると変化します。
つまりTODAY関数はファイルを開くたびに再計算されて、ファイルを開いた日付が表示されるので、今回のように最終更新日を表示するために使ってはいけない関数なのです。
最初に書いた「少し驚いたこと」についてです。パソコンをよく使いこなしているだろうという人の集まりでオンラインで作業したときのことです。ある文書についてそれぞれがチェックして気がついたことを報告用のシートに記入します。そのシートの確認日の欄にTODAY関数を使っている人がいたのです。
ファイルを開くたびに確認日が更新されるので、常にファイルを開いた日になっています。いつ確認したのかが分からないのです。このような作業では確認日がとても重要になることがあるのですが、全く役に立たなくなっているのです。
それならTODAY関数は全く必要のない関数でしょうか。そんなことはありません。TODAY関数は年齢を求めたい場合に便利な関数です。他の関数と組み合わせればファイルを開いた時点の年齢を取得できます。
もうすぐオリンピックが開幕します。開幕まであと何日かといったカウントダウンもTODAY関数を使うと求めることができます。
TODAY関数について分かってもらえたでしょうか。それで、はいつファイルを開いても変化しない日付を素早く入力する方法はないのでしょうか。
あります。
「Ctrl+;」で入力できます。コントロールキーを押したままセミコロン(図の左側の赤枠)を押して下さい。その日の日付が入力されます。
ついでに「Ctrl+:」、コントロールキーを押したままコロン(図の左側の赤枠)ならそのときの時刻が入力されます。
覚えておくと役に立つと思います。ぜひ使ってみて下さい。
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