ゲーム感想文投稿サイト【ゲームクエスト】が2010年3月に終了するという案内があったものの、仕事がとても忙しかった私は2月以降投稿することが出来ず、半端な気分のまま終了の日を迎えました。それからしばらくしたある日の事、何かの本を読んでいたら、
「インターネットとはバカにも発言する権利を与えたもの」という言葉が書いてありました。ならば私にも権利があるのだろうとこんなブログを立ち上げたのです。どうせ一度はゲームクエストに投稿した身であり、バカなりにも与えられた発言権には責任を持たねばなりません。そんな経緯で、ゲームクエストに投稿していた文章の責任をここで取ることにしました。ブログ開設からこれまでに投稿文の再録を続けてきましたが、終えて
リストを見ると、墓標が並んでいるようで複雑な気分になります。
再録が終わったらゲームクエストなるものの総括をここでしようかと考えていました。ですが考えれば考えるほど総括する意義が見いだせなくなりました。なんせ当のゲームクエストは一部のアーカイブを残してこの世に無いわけです。編集部への不満などが無かったわけではありませんが、それを書いたところで、一体何に反映されるというのでしょうか。それよりも私個人がどのようにゲームクエストを利用し楽しんできたかを突き詰めた方が、読んで下さっている方々にとって参考になるかもしれないし、何よりこのブログの編集方針として活かすことができるでしょう。では私個人が感じていたゲームクエストの意義はどのようなものだったでしょうか。
ブログやTwitterなどがこれだけ普及してきて、ゲームクエストにわざわざ投稿してまでゲームを語るなんてのは時代遅れであり、そもそもゲームクエストの寿命だったのでしょう。ただ、毎日の担当日記によって投稿者一人一人のキャラクターが閲覧者に意識されるようなサイト作りは独特で、そのようなゲームレビューサイトを私は他に知りません。その結果としてゲームの良い点や悪い点を羅列するだけではないサイトになっていたのは間違いありません。
「そんな投稿者のキャラなんてどうでもいい」と思うか
「面白い視点を持った人だなあ」と思うかで得られる情報も変わってきたと考えられます。ゲームの善し悪しが知りたいだけなら情報はいくらでもあります。ですが、自分とは異なる感性を持つ投稿者の文章を読んで、興味の対象が広がるような感覚がゲームクエストにはあったのです。「ゲームについての情報」と同等に
「ゲームへの視点についての情報」を私は得ていたのです。
一方、私がゲームクエストを通じて情報発信する側の場合の姿勢として、できるだけゲームの楽しい部分を示して褒めようとしてきました。なぜなら皆でゲームを楽しみたいからです。欠点を示さないのは公正ではないと考える人もいるかもしれません。ですが全員が全員わざわざゲームの欠点を挙げつらった結果、今までそんなこと気にしていなかった人にまで欠点として刷り込んでしまったとしたらどうでしょう。それは「目が肥えた」と言えるのでしょうか。私には「目が濁った」としか思えません。もちろんこれは私個人の立場なだけであって、ゲームへの批判を否定するものではありません。まさに
「そういう視点もある」ということを示したかったのでした。
ゲームに対する「客観的で公正なレビュー」って最も大事なことでしょうか? もちろんゲームに関係ないウソを書くのはいけませんが、「グラフィックが並以上」とか「操作性が劣悪」とか「有名声優を起用」とか「難易度が高い」とか、そんなことはおまけ程度に書いておけばいいのです。どうせ誰が書いたって似たり寄ったりだろうし、そういう点数を付けるようなレビューサイトは他にもあるからです。私にとって大事なのは、通信簿の五段階評価などでは知り得ない、プレイヤーがどれだけ楽しんだのか、どのように楽しんだのか、でした。つまり、プレイヤーの主観が重要でした。客観的意見よりも、自らの体験を思い入れでデコった主観的な
「駄文」の方が遥かに読む意義があったのでした。
以上が、
「駄文ばかり」と揶揄されたゲームクエストを私が読みあさり、あまつさえ投稿までした理由です。ちょっと投稿文の傾向がいろんな方面に偏っていたのは自覚していますが、ゲーム語りの風潮を見渡して全体のバランスを取れないかと模索しながらのものでした。だから当時も極端な語り口を反省していたのですが、ブログとして記事を単体で読んでみると「何これ?」というのが多くて赤面ものです。いかに時代と場所に寄りかかっていたか、ということがあからさまに見えます。いや~恥ずかしい。
ゲームクエスト終了の理由として、私を含めた常連が調子に乗りすぎて幅を利かせ、新規投稿者の参入を阻んでしまったからという可能性も否定できません。ただそれはゲームクエストを独占して私物化しようという意図があったからではありません。一投稿者として断言しますが、投稿者は他の人の感想文に影響され、新たな切り口や関係性を探り、その上でゲーム好き同士として交流したかっただけなのです。勝手な言い分だとはわかっておりますが、投稿者達にはそういう思いがあったということを閲覧されていた方々に理解していただけると有り難いです。
ところで、この記事をここまで書いてきて、ゲームクエスト投稿時のテンションが戻ってきていることに気づきました。このテンション疲れるんですね。だから月一くらいの投稿ペースだったわけですが。さて、これからが大変です。ここまで書いた以上、このテンションでゲームに関する
「主観的駄文」を書き続ける責任が私に発生したからです。頑張らないといけません。
最後に、こうしてブログとしてまとめることになって、ゲームクエストのサイト上では叶わなかった他の投稿者の皆さんとの交流が持てたことは何よりの喜びでした。いつもコメントを下さっている甘茶さま、フーテンのドラ息子(どらお)さま、漫研(manken99)さまにはお礼を申し上げます。また「ゲームクエスト」等の検索で来ていただいた方々も、また訪問していただけると嬉しく思います。