シューティングラブ。~TRIZEAL~(プレイステーション2)
2006年9月13日掲載、年齢は当時のもの
参考:
トゥエルブスタッグ
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「シューティングラブ。」
なんと素敵な言葉だろう! これぞ私にふさわしい! 私は夢見る益荒男35歳、シューティングゲームを30年近くたしなんできたのだ。そんな素敵な言葉と共に「トライジール」がついにプレステ2に移植! この時を待っていた! だってゲームセンターで見たこと無かったし!
私がシューティングをプレイする時は、難易度ノーマル、3機設定、ノーコンティニューが原則。さもないと残機でゴリ押しボンバー撃ちまくりの大味プレイになり、そのゲームの持つ本来の面白さは味わえないからだ。それではクリアしたとは言えない。コンティニューは練習用!
さて、早速プレイ開始!
ショットとボンバーに加えて、武器チェンジができるようだ。武器はワイドとミサイルとレーザー。いつでも切り替えができるのは当然で、ある程度パワーアップした武器は他の武器に切り替えてもサブウェポンとして使える! フルパワーアップでは3つの武器が同時に使えるなんて、今までに無かったのが不思議なくらいナイスなシステムだ。
初プレイでは当然うまくできないが、慎重に操作し、必死でゲームに食らいつく。それでも全6面のうち、4面ボスまで到達。もちろんノーコンティニュー。うまい人ならもっと先に進めるかも知れない。
あれ? 思ったより簡単かな? それに面白さもイマイチ明確ではない。だが一足飛びに過小評価してはいけない。操作にも慣れたところで再度挑戦!
ところが、その後しばらくは2面クリアできないプレイが続く。これはよくあるアレだ、パワーアップしすぎると敵が強くなる難易度自動調整だ。だがそれだけではなく、中型編隊を全滅させるとステージ分岐するシステムもあった! さらに、ボーナスアイテムの連続取得を狙って死ぬという事故も多発! プレイヤーの力量に合わせた二重三重の壁!
だがそんな壁は、戦略の見直しと練習量で次々に突破! うまくなっていくのが実感できるのだ。雑魚どもがやっかいな4面ボスを沈め、ブーメラン弾がトリッキーな5面ボスを撃破し、広角の弾幕を張る6面中ボスを接近戦で倒し、ついに最終ボスが浮上! 攻撃は途中までは初見で避けられるものだが、段々と多くの攻撃が複合してくる! 一秒先の弾道を読み、敵の砲台さえも盾にして攻撃をしのぎ、見事に破壊に成功だ!! 言うまでもなくノーコンティニュークリアだが、最後の一機でボンバー無しのギリギリの勝利だった!
さあ、次はハイスコアに挑戦だ! プレイを磨き上げ、さらに安定させなくては! まだまだ幾らでも遊べるというものだ!
画面こそ地味だが、これは面白いシューティングだ! ある程度やり込まないと分からないのだが、攻略のさせ方がうまい、とでも言えばいいのだろうか。パターン性とアドリブ性のバランスも良好。後半ステージのボスも手応え十分。前作(?)の「トゥエルブスタッグ」の機体も使用可能。ミニゲームも多数収録。特に「シューティング技能検定」なんて余計なお世話だ! そんな風に言われたら、やらないわけにはいかないではないか!
シンプルなのに奥が深くて長くつきあえる、うるさい演出は無いが気は利いている、例えるなら生涯の伴侶にふさわしいシューティングだ。「シューティングラブ。」という言葉は、単なる景気づけではなかったのだ。
だが残念ながら本作は、今やプレイ人口が少ないと思われるシューティング界の救世主とはならないだろう。かなり通好みであるからだ。それもただでさえマニアックと言われるシューティング界でだ。けれどシューティングってそんなにマニアックだろうか?
シューティングの魅力とは何だろう。もちろん撃ちまくりの避けまくりで爽快ということもあるが、そうしながらも機体の特性や武器を使いこなしているっていう感覚が欲しいところだ。その上でいろいろと努力して攻略するのが魅力だと思うが、なるほどそれでは敷居が高いと思われてもしょうがない。ゲームは娯楽なんだから。
でも、ゲームとは「先に進むのが楽しい娯楽」ではなく、「先に進むにはどうするかを考えるのが楽しい娯楽」だと思うのだ。そしてそれは「先に進むための勝負」でもある。だから、誰でも簡単にクリアできるゲームなんてゲームとは言えない! 初めから勝負の筋書きが決まっているゲームなんて八百長だ! 茶番だ! そういうものは、たとえゲームの体裁をしていても、デジタルコミックやデジタルノベルと呼ぶべきものだ。
真剣勝負こそゲームの領分だ。そんな真剣勝負の色合いは、古典的なジャンルのシューティングに強く残っているのかも知れない。シューティングはマニアックなのではなく、いや、マニアックではあっても、それがゲーム本来の姿なのだ。
だから私はシューティングをする。「シューティングラブ。」 貫いてみせる!!