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ネメシス

2015-12-30 20:18:05 | ゲーム
 『ネメシス』はもともとアーケード版『グラディウス』の海外バージョンの名前だったのですが、国内のグラディウスの外伝的作品にもその名が何度か使われました。その一つがこのゲームボーイ版ですが、私は昔その続編『ネメシスII』をゲームボーイごと友人に借りてクリアするまでやり込んだのですが、グラディウスとしては斬新な演出があったように覚えています。ゲームボーイで遊んだ経験はその時くらいしかなかったのですが、最近レトロフリークを購入したこともあって、ゲームボーイを含めた各機種の中古ゲームソフトをあさっております。その際に見つけたのがこの『ネメシス』なのでした。

 『ネメシス』とはいっても実際は正真正銘ゲームボーイ版『グラディウス』のつもりで制作したに違いありません。ゲームシステムはグラディウスそのままです。ただし、ちびっこ向けのためなのか、ハードの制約のためなのか、画面上のデザインとの兼ね合いなのか、難易度は低くなっています。バッテリー消費を考慮したのか、1周5面と短め。難易度設定は2段階で、レベル2は2周目の難易度。コンティニューがない代わりに、どのステージからでもスタートできます。全ステージをダブルで進めば、シリーズに慣れた人なら数回のプレイでクリア可能。慎重にプレイしていればそのまま2周目もクリアできるでしょう。

 難易度は低いと言っても、厄介な敵が何種類かいます。特に2周目に多く出現しますが、後から出てきて自機に突っ込んでくる敵、ヒョロヒョロと自機を追尾していくる敵、自機を取り囲む位置にワープしてくるザブ系の敵が結構邪魔くさいです。

 そして、もっとも『ネメシス』ならではの雰囲気を持つのがボス達。各面のボスはとにかく大きくて、存在感は圧倒的。そのうえ従来シリーズには見られなかった重厚なデザインのボスも登場。下の画像は3面ボスで、これまでのボス達とは一線を画す大きさと込み入ったデザインでカッコイイ!



 他にもおなじみビッグコアがさらに大きくなってディティールアップした1面ボス、グラディウスIIのクラブの曲をバックに現れるカニのハサミのような2面ボス、ドンキホーテの観覧車のような4面ボスが印象的。最終ボスだけは中ボスのような威厳のなさですが。

 グラフィック的にはモノクロながらよくここまで描き込んだなというこだわり。ゲームボーイは液晶画面で、表示の遅さから残像が発生するため、画面の動きが激しいシューティングゲームには不向きなハードであると考えられますが、グラフィックデザインやステージエディットなどに見やすくなるような工夫を感じます。ただ、1面の背景の二重スクロールには騙されました。画面最上段と最下段の地面のスクロールが速くなっており、通常の地形が遠景に見えるため、うっかり山にぶつかったことが何度かありました。

 音楽は主に初代グラディウス、II、MSX版グラディウス2から。特に1面では初代の4面と1面の曲が合体していてびっくり。

 家庭用グラディウスでお約束のエクストラステージも隠されています。2面の後半、上に設置されているハッチを破壊した跡に入ると、1UPが幾つも隠されたエクストラステージに突入します。もちろんダブルで進みましょう。

 グラディウスとしては若干物足りない部分はありましたが、なかなか気分良くクリアさせていただきました。メーカーが手探りでハードの限界や購買層を研究している様子が伺え、大変興味深かったです。いずれはオリジナリティーが高い続編の『ネメシスII』も購入したいところです。



 動画は2周目スタート。エクストラステージに入っておらず、まっとうにプレイしています。

沙羅曼蛇

2015-12-29 20:26:09 | ゲーム
 私がアーケードゲームでもっとも魂込めてプレイしていたのが『沙羅曼蛇』だったのですが、この作品は当時グラフィックやサウンドがケタ違いの迫力で、とてもファミコンに移植するのは無理だろうと誰もが考えていたに違いありません。なんせアーケード版は肉壁や炎の地形がぐぃんぐぃんと変動するのが最大の特徴だったのですから。

 ところがファミコン版『沙羅曼蛇』(ファミ曼蛇)ではそれを再現してしまったのだから大変な驚きでした。しかも前作のファミコン版『グラディウス』ではオプションが2つしか装備できなかったのに、特殊チップを搭載した本作では3つまで装備可能に。さらにレーザーも若干長くなり、ワインダーも効くようになってよりレーザーらしくなりました。さすがに大量の隕石のステージは変更されていましたが、独自の仕掛けをほどこしたオリジナルステージを収録。音楽はアーケード版を基本に、1曲は沙羅曼蛇の別バージョン『ライフフォース』から採用。パワーアップシステムはグラディウス方式になっています。また、ゲーム内容には関係ありませんが、スケルトンカセットは当時話題になりました。

 私が本作をプレイしたのは友人の家でした。クリスマス会ということで同期と後輩が合計15人くらい集まり、みんなで仲良く輪になってワイワイ遊んでいたのですが、私は一人でファミ曼蛇を黙々と攻略していたのでした。私が沙羅曼蛇狂であることを誰もが知っていたためか、誰も何も言いませんでした。その時はなんとか2周クリアできるくらいまでやり込んだような記憶があります。

 それ以来しばらくファミ曼蛇とはご無沙汰だったのですが、半年ほど前に友人がUFOキャッチャーの景品か何かで取ったファミコン互換機(と言うのも抵抗があるようなガラクタ)をこのファミ曼蛇と共にくれたのでした。ガラクタは当初まともに動作せず、本当にガラクタだったのですが、ファミ曼蛇をプレイしたい一心であちこちを削ったり磨いたりして、なんとかプレイできたのでした。

 改めてプレイしてみると、やはり今見ても凄い出来であると感じます。上記のようにプログラム的に大きく進歩しているし、グラフィックもハイセンス。2面(アーケード版の4面に相当)のガサついた岩肌も結構忠実に再現されているし、5面ボスのツタンカームの黄金の表現も秀逸。ハードの限界を感じさせません。

 ファミコンでは相当高いと言われた難易度ですが、沙羅曼蛇的なものを知っているとかなり簡単であると言えます。2周目以降は敵弾が増えるほか、一部の敵の攻撃が変化します。2面ボスのテトランの腕の回転が定期的に逆転するという凝った変化も。そして2周目以降の肋骨ビームはファミ曼蛇で最大の難所でしょう。1周目では画面一番下で左右に動いていれば良かったのですが、画面外からも肋骨ビームを撃ってくるようになり、ここだけは未だに上手くできません。確実ではありませんが、下の画像の位置にいれば無事に通過する確率が比較的高いです。



 背骨の真上、画面一番下から自機一機分ほど上の位置で肋骨ビームに対して安全地帯となります。問題は上からくる分裂する敵。左右に最小限にかわすのがコツですが、かわしきれなかったり、ちょっと大きくかわした瞬間に肋骨ビームをくらったりと、なかなか完璧には突破できません。他にもっとうまいやり方があるのでしょうか。

 というわけで、発売後四半世紀を過ぎた現在でも楽しめる沙羅曼蛇、実機では2000円くらいすると思いますが、今ならWiiのバーチャルコンソールでも購入できますので、腕に自信のある方(および、自信のない方)は是非どうぞ。



 1周クリアの動画。「スーパープレイではありません」とありますが、十分にうまいです。もともとそんなにスーパープレイが生まれるゲーム構成でもないですし、誰にでもできる(と思わせる)ようにテクニックを噛み砕いたプレイにこそ価値があるように思います。

【2015/12/29 21 :30追記】
 上記記事をアップした直後に、画像を見てもっと楽で確実な方法がありそうだと感じて研究したところ、以下の写真の位置およびフォーメーションでほぼ動かなくていいことが判明しました。この方が位置合わせが楽ですし、危険な位置から降りてくる敵はすぐに破壊できて、画面の上に消すことができるようです。


グラディウス外伝

2015-12-28 22:42:44 | ゲーム
 グラディウスといえば多彩で強力なパワーアップの代名詞でありますが、実のところ火力で敵を圧倒するのは初代と沙羅曼蛇くらい。他の作品はどこかパワーアップが弱体化していたり狭い地形に邪魔されたりとかで、強さのイメージが初期の頃とは変化しているようです。そんな中でプレイステーション用に発売されたこの『グラディウス外伝』は、とにかくどの武器をとっても強さが実感できるという貴重な一作。もちろんこの強さはプレイ時間を気にしなくていい家庭用だったから可能だったのかもしれません。

 発売はアーケード版IIIとIVの間で、シリーズの仕切り直しの時期に当たります。行き詰まりを見せたIIIのような閉塞感はなく(それもIIIの魅力ではありますが)、急いで作られたIVのような練り込み不足感もありません。

 機体は4種類から選択するのですが、従来と異なり機体そのものが違っており、設定上の役割に沿った武器セットによってプレイ感が少しずつ変わるのが楽しいところ。それでいてどの機体も強いのがいいですね。ただしロードブリティッシュだけは後方に攻撃できないので、オプションを上手く使う必要があり、比較的上級者向けでしょう。私のお気に入りはジェイドナイト、全方位を攻撃し地形を貫通する攻防一体のラウンドレーザー(ダブル系)は私自身に装備したいくらい頼りになります。次点はビックバイパーのノーマルダブル+テイルガン、もうダブルではなくトリプルですが。

 いずれの機体ともとにかくダブル系が猛烈に強いのが印象的。従来シリーズではダブルの両方向のショットが画面から消えないと次のショットができなかったのですが、本作では各方向ごとに射撃可能判定が独立しており、接近戦ではある程度の連射が可能になっています。復活時に早い段階でダブルを取るという選択もありです。レーザーはボス戦と3面(ファルシオンβを除く)の専用武器として使うのがいいと思われます。

 ステージも従来シリーズを継承していると見せかけて、意表をついた展開が目白押し。従来の1面は高温のイメージ(火山、人工太陽、砂漠)が強かったのですが、今回の1面は雪原です。2面は宇宙墓場で従来ボスの残骸が攻撃してくるし、3面のクリスタルは自機のレーザーを屈折させます。4面のモアイはついに目からレーザーを撃つようになりました。最大の見所である7面のブラックホールステージは圧巻。おなじみの火山ステージかと思ったら、敵機、敵弾、残骸、地形の破片、自機のミサイルなどが画面後方に加速しブラックホールに吸い込まれていく様に驚愕です。最終面の要塞では、珍しく画面奥からの攻撃や陸戦兵器の中ボスが登場。最後までいい意味で期待を裏切ってくれました。

 難易度はそれほど高くなく、パワーアップカプセルも多いし、さらにパワーアップゲージの並びを変えることができるので、シリーズに慣れた人なら早い段階で1周クリアはできるでしょう。ただし、2周目は攻撃が激しくなったり打ち返し弾が発生したりするだけでなく、1周目では単なる画面エフェクトだったものに当たり判定が発生したり、ボスラッシュステージでは2周目専用ボスも登場したりして、なかなか驚かせてくれます。

 小気味の良いエフェクト、軽快な操作性、シリーズならではの縛りを飛び越えた大胆な展開など、操作しているだけで楽しく、嫌なストレスを感じさせません。シリーズ未プレイの人や苦手意識のある人には特にオススメしたい作品です。



 上の動画では4種の自機のうち最強と目されるファルシオンβを使用。オートエイミング(ダブル)だけでなく、グラビティバレット(レーザー)を随所で使っているのが楽しいです。