私がアーケードゲームでもっとも魂込めてプレイしていたのが『沙羅曼蛇』だったのですが、この作品は当時グラフィックやサウンドがケタ違いの迫力で、とてもファミコンに移植するのは無理だろうと誰もが考えていたに違いありません。なんせアーケード版は肉壁や炎の地形がぐぃんぐぃんと変動するのが最大の特徴だったのですから。
ところがファミコン版『沙羅曼蛇』(ファミ曼蛇)ではそれを再現してしまったのだから大変な驚きでした。しかも前作のファミコン版『グラディウス』ではオプションが2つしか装備できなかったのに、特殊チップを搭載した本作では3つまで装備可能に。さらにレーザーも若干長くなり、ワインダーも効くようになってよりレーザーらしくなりました。さすがに大量の隕石のステージは変更されていましたが、独自の仕掛けをほどこしたオリジナルステージを収録。音楽はアーケード版を基本に、1曲は沙羅曼蛇の別バージョン『ライフフォース』から採用。パワーアップシステムはグラディウス方式になっています。また、ゲーム内容には関係ありませんが、スケルトンカセットは当時話題になりました。
私が本作をプレイしたのは友人の家でした。クリスマス会ということで同期と後輩が合計15人くらい集まり、みんなで仲良く輪になってワイワイ遊んでいたのですが、私は一人でファミ曼蛇を黙々と攻略していたのでした。私が沙羅曼蛇狂であることを誰もが知っていたためか、誰も何も言いませんでした。その時はなんとか2周クリアできるくらいまでやり込んだような記憶があります。
それ以来しばらくファミ曼蛇とはご無沙汰だったのですが、半年ほど前に友人がUFOキャッチャーの景品か何かで取ったファミコン互換機(と言うのも抵抗があるようなガラクタ)をこのファミ曼蛇と共にくれたのでした。ガラクタは当初まともに動作せず、本当にガラクタだったのですが、ファミ曼蛇をプレイしたい一心であちこちを削ったり磨いたりして、なんとかプレイできたのでした。
改めてプレイしてみると、やはり今見ても凄い出来であると感じます。上記のようにプログラム的に大きく進歩しているし、グラフィックもハイセンス。2面(アーケード版の4面に相当)のガサついた岩肌も結構忠実に再現されているし、5面ボスのツタンカームの黄金の表現も秀逸。ハードの限界を感じさせません。
ファミコンでは相当高いと言われた難易度ですが、沙羅曼蛇的なものを知っているとかなり簡単であると言えます。2周目以降は敵弾が増えるほか、一部の敵の攻撃が変化します。2面ボスのテトランの腕の回転が定期的に逆転するという凝った変化も。そして2周目以降の肋骨ビームはファミ曼蛇で最大の難所でしょう。1周目では画面一番下で左右に動いていれば良かったのですが、画面外からも肋骨ビームを撃ってくるようになり、ここだけは未だに上手くできません。確実ではありませんが、下の画像の位置にいれば無事に通過する確率が比較的高いです。
背骨の真上、画面一番下から自機一機分ほど上の位置で肋骨ビームに対して安全地帯となります。問題は上からくる分裂する敵。左右に最小限にかわすのがコツですが、かわしきれなかったり、ちょっと大きくかわした瞬間に肋骨ビームをくらったりと、なかなか完璧には突破できません。他にもっとうまいやり方があるのでしょうか。
というわけで、発売後四半世紀を過ぎた現在でも楽しめる沙羅曼蛇、実機では2000円くらいすると思いますが、今ならWiiの
バーチャルコンソールでも購入できますので、腕に自信のある方(および、自信のない方)は是非どうぞ。
1周クリアの動画。「スーパープレイではありません」とありますが、十分にうまいです。もともとそんなにスーパープレイが生まれるゲーム構成でもないですし、誰にでもできる(と思わせる)ようにテクニックを噛み砕いたプレイにこそ価値があるように思います。
【2015/12/29 21 :30追記】
上記記事をアップした直後に、画像を見てもっと楽で確実な方法がありそうだと感じて研究したところ、以下の写真の位置およびフォーメーションでほぼ動かなくていいことが判明しました。この方が位置合わせが楽ですし、危険な位置から降りてくる敵はすぐに破壊できて、画面の上に消すことができるようです。