アレキサンドル・スクリャービン:
・交響曲第1番 ホ長調 作品26
メゾソプラノ:エフゲニア・ゴロホヴスカヤ
テノール:コンスタンティン・プルズニコフ
国立レニングラード・グリンカ・アカデミー合唱団
USSR放送交響楽団
指揮:ヴラディーミル・フェドセーエフ
OLYMPIA: OCD 159
スクリャービンがショパン的な作風からワーグナーの影響を受け始めた頃に作曲されたのがこの交響曲第1番。全体的に半音階的な無限旋律を使っており、ワーグナーっぽい印象がありますが、管弦楽法がまだヘタクソなのと元々大袈裟な性格なのと芸術に対する変なこだわりのためか妙に水臭いものになっています。全体は6楽章で、通常の4楽章交響曲の前に序章を加え、後に合唱曲を加えたような構成に思われます。合唱付の第6楽章では芸術讃歌が歌われて、なんだか後から付け足した感がありますが、ある種ベートーヴェンの第9に対するオマージュなのかもしれません。
こんな風に書いてしまいましたが、私はこのディスクをよく聴いているのです。生活が切り替わったり新しいことを始めようと考えた時に聴くことが多いかもしれません。未熟ながらも意欲にあふれたスクリャービンの生の雰囲気が味わえるような気がするのです。
交響曲第2番ほどクドくなく、
交響曲第3番ほど電波を受信しておらず、交響曲第4番ほどエロくなく、
交響曲第5番ほど逝っちゃっておらず、比較的聴きやすいためか一番多くCDを引っ張り出してきたかもしれません。
序奏とも言える第1楽章で全体の旋律を提示して全体の統一感を出すという手法は後に何度か使われています。スケルツォの第4楽章でグロッケンシュピール(鉄琴)が使われているのが鮮烈です。
このディスクの演奏は指揮のフェドセーエフを始めとしてコテコテのロシアものっぷりのオーラを発していますが、音色はロシアオケながらも滞りない流れがあり、土臭いフレージングはしていないという印象。
一方、下の動画はロシアのどこだかのライブの映像ですが、こちらは実にコテコテのロシア風。なんかスゴイです。第2楽章だけの演奏ですが、終わった後になぜか拍手しているのでアンコールか何かのために抜粋したのでしょうか?
ところでどうでもいいですが、第6楽章の声楽の旋律を聴くと思わず「痔に~はボラギノ~ル」と歌いたくなってしまいます……。
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