近所のブックオフで3/30に買ったプレイステーションの「ノバストーム」ですが、とりあえずイージーモード、7機設定でエンディングを見たところでクリア認定しました。ちなみに本作にはコンティニューはありません。本作のようなアーケードタイプ(途中セーブのない)ゲームでは、本来ならば初期設定で(さらにノーコンティニューで)クリアしないとクリア認定はしないのですが、もうどうでもよくなったのでこれで終わりにします。
ノバストームは英国のシグノシスという著名なメーカー製。PC版がオリジナルで、プレイステーションの他にもメガCDや3DOにも移植されているようです。移植ハードを考えると、ムービーを背景映像にしたシューティングということがわかることでしょう。メガCDには「シルフィード」という名作がありますし、3DOはそんなのばかりというイメージがあります。プレステでもナムコの「スターブレード」や「ギャラクシアン
3」が同様の作りになっていました。いわば1980年代のレーザーディスクゲームのようなものですが、うまく作らないと「レールの上に乗っただけの不自由なゲーム」という印象をプレイヤーに与えてしまいます。その点、メガCDの「シルフィード」は(プレイ動画を見たことしかありませんが)よくできていたように感じます。
本作も「シルフィード」ほどではないかもしれませんが、本来はそこそこの出来だったのでしょう。YouTubeにはPC版とみられる映像がありましたので、そちらをご覧下さい。
画面がきれいでそれなりに面白そうに見えるし、パワーアップも派手で難易度もそれほど高くなさそうに感じられます。ところがプレイステーション版はかなりひどい出来になっています。敵は堅くて速くてあっという間に画面を横切っていくし、アイテムを取れるタイミングは一瞬しかないし、敵ボスの攻撃はまず避けきれません。最悪なのは地形の当たり判定です。プレステ版の背景動画は他機種版とやや異なっているようで、わざわざ勝手に障害物の密集地に向かって行き、直前で方向転換したりしてどちらに避けたらいいのか判断がつきません。もちろんその地点を憶えて次は別方向に避ければいいのですが、全編で何十カ所もある障害物についていちいち試してられないのです。
こんな出来だからでしょうか、プレイステーション版のプレイ動画は見つかりませんでした。よっぽど誰もやる気がないのでしょう。そもそも私も大した期待をしていたわけではなく、ただケース裏の
「シリコンVS肉」というフレーズを見て気になったというだけでした。普通に「コンピュータVS人類」と書いてあったら買わなかったでしょう。
ところで、レーザーディスクゲームはともかく、このようなムービーを背景としたゲームにはどこか興ざめしてしまう部分があります。それはプレステの「スターブレード」や「ギャラクシアン
3」で感じたものでした。これは無駄なこだわりだということは理解してはいるのですが、ムービーとして再生された映像はコンピュータがリアルタイムで生成した空間とは異なるというひっかかりが私にはあるのです。ナムコの2作の場合でも本来はリアルタイムポリゴン生成で進行していたので、余計にそう感じてしまいます。
理由の一端は、ひょっとしたら背景の画質にあるのかも知れません。それは動画を圧縮したときのブロックノイズだったり、あるいはゲーム部分との画質のギャップだったり、そういったことが気になるのは事実です。友人のプレイを録画したメガCDの「シルフィード」のビデオではそういった不自然な感じはありませんでした。
やはり最大なのはゲームデザインの問題なのでしょうか。「シルフィード」は背景はあくまで背景であり、ゲームの根幹は確固としたものがあるのに対し、プレイステーション版「ノバストーム」は背景に頼り切った適当な作りになっています。ナムコ2作についてはもともと自由度の低いゲームであり、ムービーだと意識した時点で余計に自由度の無さを実感した、という気がします。もっとも、現在のゲームハードの性能では全てをリアルタイム生成できるため、こんな問題はどうでもいいことなのでしょうけれど。
いずれにしても、このプレステ版「ノバストーム」の出来は悪く、純粋に楽しむことはできませんでした。他機種版はまともそうなんですけどね。
YouTubeにあったメガCDの「シルフィード」のプレイ動画。背景動画は簡易的ですが、それが逆に不自然さを無くしています。「シルフィード」と言えば、その昔、初代のPC8801mkIISR版のデモをパソコンショップで延々見ていました。プレイしたかったなあ…。