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イースIV MASK OF THE SUN

2019-03-11 23:04:23 | ゲーム


 私がリアルタイムにプレイしたイースはIIIまでで、IV以降は今回初めての挑戦です。イースIVに関しては、プレイ環境の都合でスーパーファミコン版となりましたが、このバージョンはイースIIIを移植したトンキンハウスによるもの。そもそもイースIVというのは、話によるとファルコムの原案をもとに2社が競作して別々のハードに発売したようです。したがって当時はファルコム純正のIVは無く、その後に原案に近い本作SFC版『MASK OF THE SUN』が正史となったらしいです。

 そんなイースIVをハードオフで400円(税別)で購入! イースIIIをクリアしてすぐの挑戦です。



 IIIでおかしかったアドルの顔が治った! というか本作はIIの直後でIIIの前の話。本来の「イース」にまつわる話(I&II)とその後のアドルの冒険(IIIおよびV以降)をつなぐ重要な作品となりました。



 画面はIIIの雰囲気を強く残しています。町を出た最初の地形は曲線的な山道で、特に初代イースを意識した作りです。また、ゲーム機の性能を活かして遠景と近景の二重スクロールになっています。

 ゲームシステムもIIまでとほぼ同様で体当たりによる戦闘。ただし敵がきっちり軸を合わせて来るため、半キャラずらしがやりにくくなっており乱戦になることが多かったです。敵の移動方向に対して横から攻撃する方がやりやすいかも。

 魔法は武器に付属の能力になっていて、アイテムでパワーアップが可能。この時点での魔法システムは荒削りであまり使いどころもなかったのですが、以降のシリーズではこれを発展させたシステムを採用しているようですね。

 武器の種類も従来の5種類から増えていて、強くなった感を何度も得られるのは良いところ。最終決戦では最強武器より一つ弱い装備が必要になるのは従来ファンもニヤリ。



 ここは峠を越えてたどり着くセルセタの樹海。一見複雑そうなマップに見えますが、実際はそうでもありませんでした。基本的に一本道で、分岐があってもすぐ行き止まりになる上に、アイテムがマップの分岐先にあることがほぼありません。行き止まりでなかったらそれは正解ルートで、アイテムやイベントの取りこぼしは(ほぼ)無いということです。そのために私のようにマップの全てを把握したい欲が旺盛なゲーマーにはプレイしやすいですが、一方で若干の物足りなさもありました。



 本編と関係無いですが、なぜかスクリーンセーバー機能も搭載されています。その名も(おそらく)フライングイースIV! 昔のMacintoshのスクリーンセーバーにあったフライングトースターのパロディでしょう。



 ゲームの中盤ではIとIIの舞台であったエステリアに戻ることになります。見知った村や草原を久しぶりに(私はそうでもないけど)駆け回るのはなかなかアツイ展開であったことでしょう。しかもここでフィーチャーされるのはあのリリア! 敵に狙われる立場でありながら、そんなことお構いなしにアドルを追っかけ、敵地の中心であるセルセタの樹海に勝手に突っ込んでいくという無謀の極致! リリアすごい見せ場っすなあ。

 過去作との関連性を持たせるために懐かしのキャラや村を出すのはなかなか効果的であって、ファンが作ったイースの続編という印象。これは素人くさいという意味ではなく、こういう展開があったら旧来のファンは納得するだろうというサービス精神と言えましょう。これがファルコム原案にあったものか、センス・オブ・トンキンなのかはわかりませんが、燃える展開なのは間違いありません。



 そんなリリアが敵ボスに見つかって人質として連れて行かれます。言わんこっちゃない! 敵ボスは古代に高度な文明を築いた有翼人の生き残り、エルディール。これら古代文明と有翼人の設定がこの後のシリーズの基幹となったようです。

 ちなみにこのちょっと後、リリアと引き換えに宝玉を渡せと言われるイベントがありまして、その時に「渡さない」という選択肢を選ぶと即時にゲームオーバーになります。イースではこれまでイベントの選択肢でゲームオーバーになることはありませんでした。



 リリアを助けるために、古代に有翼人と戦った英雄の霊に力を貸してもらいます。ここであの金の台座がフォーカスされるという意外な展開! 金の台座といえば、初代イースでアドルが泉で拾ってそれを換金したり(ファミコン版ではばっさりカットされたイベント)、古くは同社のアドベンチャーゲーム『太陽の神殿』でうっかり泉に落とされたりしたアイテム! それを買い戻すためにまたエステリアに行かなければならないのは面倒くさくてかなわん、と心で思っていてもなぜか顔はニンマリ。なかなかにイースファンをくすぐってきます。あれ、私はイースファンだったのか!



 前述の即死イベントで宝玉を敵に渡したら、なんとリリアは殺されてしまいます。その後のリリア復活の儀式が上の写真。これらの展開の際に、リリアを抱きかかえて移動したり、二人で走ったりなどのちょっとした例外処理による新しい要素がいろいろ入っています。もうリリアがゲームシステムやプログラムの中にまで干渉していると言えましょう。



 そしてエルディールとの最終決戦、ここでも珍しくイベント待ちのための避けに徹するプレイが必要になってきます。しかも2回も。正味の戦いはとにかく被ダメージが大きいのできっちり敵の攻撃を避けることが必須。

 ボス戦といえば、通常のボス戦とは異なり、アドル対多数の中ボスというシチュエーションも幾つかありました。これもイースとしては新しい要素です。



 ボスを倒すとエンディング。こちらは古代人のエルディールと唯一心を通わせたリーザさん。本作のヒロインの一人で、アドルがセルセタの樹海に赴くきっかけを作った人物です。悪に染まりかけたエルディールが倒れて傷心のようですが、頑張って生きてほしいものです。

 もう一人、カーナというヒロインもいるのですが、一枚絵なども無いため特に印象に残らないもよう。ちなみに武闘派。



 というわけでイースIVクリア。レベルはそこそこ上がりやすいですが、さほど頑張らなくても強い装備で先に進めるため、あまりレベル上げをさぼっているとボス戦で苦労するかもしれません。弱い敵を倒しても経験値が1しか入りませんが、ちょっと進むとすぐにちょっと強い敵が現れるので、常に経験値稼ぎができるようなバランスになっています。私のようにレベルをできる限り上げたい欲が旺盛なゲーマーには楽しいかもしれません。

 全体的に、とにかく従来のイースファンに楽しんでもらおうという姿勢で一貫した作品でした。その結果として、IIまでのイースの国とIII以降の世界との関連を示すことができたようです。エステリアに戻った時に、IとIIの村が地続きになっているのを見て思わずコーフンしてしまいましたよ私としたことが。懐かしのキャラ達も相変わらずで何よりでした。

 リリアがアドルの追っかけとして少々病んでいるような気はしましたが。

 次はファルコム純正のイースVに挑戦です。


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