ハンガリー田園幻想曲 ~フルート&ハープ名曲集
・ドップラー:ハンガリー田園幻想曲 作品26
・フォーレ:シシリアーノ 作品78
・グルック:精霊の踊り
・フォーレ:「ドリー」作品56より 子守歌
・イベール:間奏曲
・ビゼー:「カルメン」第3幕への間奏曲
・ドビュッシー:シランクス
・ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(ジェマイン編)
・イギリス民謡:グリーンスリーヴズ(フレウリー編)
・ビゼー:「アルルの女」より メヌエット
・フォーレ:子守歌 作品16
・ドビュッシー:月の光(サルゼード編)
・ラヴェル:ハバネラ(ラルデ&ジャメ編)
・バッハ:フルート・ソナタ 変ホ長調 BWV1031より 第2楽章 シシリアーノ
・オネゲル:牝山羊の踊り
・モーツァルト:アンダンテ ハ長調 K.315
フルート:クリスチャン・ラルデ
ハープ:マリー=クレール・ジャメ、篠崎史子
SONY: SRCR2094
フルートとハープと聞けばセレブでハイソな皆様がたしなむようなイメージがございます。それなのに、品性下劣な私がなぜこのようなCDを持っているというのでしょうか。それをご説明するためには数十年の時をさかのぼるのでございます……。
私が小学生の時分、毎朝の朝礼ギリギリの時刻に登校していたのですが、やんごとなき事情のためたまに校門が開く8時15分に登校しますと、それはそれは優雅な音楽が校内に流れていたのでございます。その音楽はハープの伴奏に合わせてフルートが旋律を奏でるものでした。とても印象的な旋律で、その後もテレビなどでしばしば耳にしていたため有名な曲であろうと思っていました。
その十数年後、ふとこの事を思い出し、大学の後輩にフルートとハープのこういう曲なんだけど知らないかと尋ねたところ、知らないとのこと。そして後輩は「アルルの女じゃないですか?」と言い張り続けたのです。
アルルの女を私が知らないはずがなく、明らかに異なる旋律です。品性下劣な私でございますから「それならアルルの女ではないことを証明してヒィヒィいわしたる」と思い立ち、秋葉原の石丸電気のCD売り場でとりあえず目について買ったフルートとハープのディスクがこれなのでした。
さてこのディスクに私が探し求めていた曲があったかといえば、
なかったのでございます。後輩は哀れむような目で私を見たのでございます。まあ私が選んで買ったものだし、曲が楽しめれば馬鹿にされる筋合いはねぇだろうが!ということで、それなりに聞き込んでいたのでございます。
それにしても収録曲を見ると、優雅で上品そうな曲に紛れ、一曲だけ明らかにヤバそうなものが……。おわかりであろうか? 異彩を放っておりますのはオネゲルの「牝山羊の踊り」でございます。なんせ
オネゲルの曲はどれもビターでダスキーなものばかりで、フルートのような清浄なイメージはありません。聴いてみると……、なるほどこのメカニズムはオネゲルの音楽で、それでいてそれなりに優雅です。これはなかなかの発見でした。
さて、小学生以来の疑問の解決を放棄したわけではありません。今回はたまたま収録されていなかったけど、いつか巡り会う時が来るだろうと考えておりました。ところがこの時、私は重大な勘違いをしていたのでございます。それは、
本来フルートとハープで演奏する曲であるとは限らないということでした。
つづく
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