ミステリーではなく、ジャンル分け不能な作品だそうです。物語は最初から最後まで、50代の男女のフェイスブック上のメッセージのやり取りだけで構成される。前代未聞の読書体験とか、衝撃の問題作とあり、まあとても期待して読んだ。確かにラスト数十ページあたりから加速する展開にとても面白く、引き込まれたが、そこまでの衝撃とは思わなかった。ちょっと期待しすぎだったかもしれない。ところで、人が向かい合ったふうにも見えるあの有名な壺のことをルビンの壺というそうで、デンマークの心理学者エドガー・ルビンか考案したものだそうです。
わたくし率イン歯ーに続いて二つ目に読んだ川上未映子さんの作品。文体は同じような感じだが、比べるとずいぶん読みやすいと思った。豊胸手術をするという姉とその娘が上京してきて主人公の部屋に泊まる。娘は言葉を発さずノートに言葉を書いて会話する。女性の身体の変化や産まれてくるということなどの話題や、胸を手術することや卵子と精子のことなど、なんか赤裸々。最後に卵と玉子がごちゃごちゃになって。でもどうやら、言葉を発することはできるようになったってことかな。芥川賞受賞作だそうです。「あなたたちの恋愛は溺死」も。