Dの中編集。3つの話に登場するDはこれまでよりも少しだけ「おしゃべり」だと思った。
ジャンルとしてはミステリーというよりもSFと言った方が良いかもしれない。人気女流漫画家の日常と子供の頃の記憶がごちゃごちゃになったようなストーリー。自殺未遂によって植物状態となった弟とセンシングを取ることができるが副作用として精神に影響を及ぼすことにもなるという。話の半分くらいからなんとなく真相に気づいていたが、ぐいぐい引っ張られる感じのストーリーに驚愕。面白かった。
第3巻の本書では、まず大6話で海の共和国としての最強のライヴァル、ジェノヴァを中心に語られる。そして第7話では「ヴェネツィアの女」と題して千年の時を通して変わらない女性を通してヴェネツィアの内側が語られる。女性である塩野さんが書くだけに嫌味を感じないが、男性では同じことに気づいたとしても同じことは書けないのではないかと思う。
それと解説が秀逸でした。塩野さんの読者は皆同じことを考えているともうようなことを素晴らしく的確に表現していると思いました。
このダーティーペア外伝はマイクロソフトネットワークというもののコンテンツだったものを本にしたものらしいです。この文庫版は2001年に出ていたようです。ケイとユリのルーキー時代の話でムギとの出会いが語られる。面白かったです。
そんな、うそだろ…。って感じで前巻から続いた物語はこれまでと同じく淡々と綴られていく。
私は最後まで復活を信じていたのですが、なんだかあっさりと過ぎ去ってしまったようです。
いつも七花の隣にいた奇策士のちぇりおが響き渡るのがとても悲しいのでした。
長かった話もついに終わりとなりました。最終章である本巻はやや急ぎ気味の感は否めませんが、壮大な締めくくりとしては満足いくものでした。これで終わりと思うと寂しい限りですが、まあ、いつまでも続くような話よりはいいかと思いました。とりあえあえず、外伝もいろいろあるのでそれも読んでみようと思っています。
ついに十一巻まできてしまった。鳳凰との決戦は、相変わらずわけわからんかったけど、ここで盛り上がらなければ取り残されるだけなので、無理矢理気分を上げて読んでみました。
と、思ったら前回同様最後の1、2ページでさらに盛り上げる展開に驚愕。さあ、残るは一冊。どんな結末が待っているのか楽しみです。
第2巻では、第4章のヴェニスの商人と第5章の政治の技術が語られる。地味だが面白い。
以下は第5章の締めの言葉。
人間の良識を信ずることを基盤としていたフィレンチェの共和政体が1530年に崩壊した後も、それからさらに三百年近く、人間の良識を信じないことを基盤にしていたヴェネツィアの共和政体は、存続することができたのであった。
まあさっぱり意味はわかりませんが、仙人は見る側が勝手に苦手なものを観測するようです。まあそんなことはともかく、ここで一つの真実らしきものが仙人によって語られる。私はそれはなんとなく関係あるとは思っていたが最終巻あたりに語られると思っていた。ちょっと意外でした。次はいよいよ鳳凰との対決なのでしょうか。とりあえず盛り上がってきたみたいですね。