おうみ進学プラザ 先生ブログ

先生たちがリレー形式でブログを作成。
どの先生が登場するかはお楽しみ。

数学実験第1弾:サイの目は本当に均等に出るのか?

2014年04月18日 | 日記

真野教室から川合です。

写真をご覧ください。さいころが6つ転がっていますね。以前から、さいころの目の出方にかたよりがあるんじゃないかと感じていたので、実験をしてみようと思い立ちました。中2生の諸君が協力してくれるので、1万回以上はさいころをふって、データを取ろうとしていますが、まずは、私1人で予備実験をしてみました。冒頭の写真は、6個のさいころをふってみて、どんな出方になるか、一度だけやってみたものです。ご覧の通り、5が2つ、3以外が1つずつ出ていますね。数学の教科書では、さいころの目が出る確率は、どの目についても6分の1とされていますね。「どの目の出方も同様に確からしいものとする」という変な日本語で書かれています。ネットなどでは、「実は、5が一番よく出るのだ」と、もっともらしく言われていますが、これもどうも、誰かが言い出したものを、みんなが孫引きを繰り返して、受け売りしているだけのように感じます。そこで、きちんと実験してみようじゃないかと思ったのです。小保方さんの騒動が続いていますので、「手順を整備して、記録をきちんと取ろう。」と、生徒たちと話しています。「疑似科学」にならないよう、結果についての考察も、注意して行います。例えば、冒頭の写真を見て、「ほら、やっぱり5が一番よく出るんだ。」と言ってしまうと、占いと同じになってしまいます。1回やっただけの、偶然にすぎませんからね。



2枚目の写真は、4/12(土)に行った予備実験の記録です。何度か予備実験をして、手順などを整えますが、この時は以下のように行いました。まず、1辺が1㎝のさいころを7個用意しました。全く同じ規格です。1号から7号まで名前をつけて、今回の予備実験では1号だけを使いました。
天板が合成樹脂の事務机に、5㎝の高さから、左手でさいころを転がし、、その出た目を右手で記録していきました。転がす動作は1秒間隔で、18:00からスタートしました。記録用紙は40段になっていて、これを10列記録して、400回分のデータを取ろうとしたのです。途中3回中断しました。電話応対で2分、教員間の連絡で1分半、床に落としてしまって10秒、この3回以外は、止まることなく、記録し続けました。そして、その記録用紙の、それぞれの目の数字を、色分けして数えていきました。

さて、この予備実験の結果は、どうだったと思いますか?次をご覧ください。

①が84回、②が67回、③が60回、④が58回、⑤が69回、⑥が62回で、合計400回です。
ずいぶん、かたよりがあると思いませんか?試しにパーセントを出してみると、
①が21%、②が16.75%、③が15%、④が14.5%、⑤が17.25%、⑥が15.5%でした。
数学で使う「6分の1」は、およそ16.67%なので、②が近いだけで、あとの目は全く均等ではありませんね。
でも、ここで結論を急いではいけませんよ。たった400回しか転がしていないのですから。もっとたくさんデータをとってみれば、6分の1に近づいていくかもしれませんね。また、2号や3号など、別のさいころを使うと、全く違ったかたよりが出るかもしれません。さらに、素手で転がしたことに問題があったかもしれませんし、5㎝の高さからでは、低すぎたかもしれません。なぜ、そんなかたよりが出たのか、原因はいくつもあるのかもしれません。大事なことは、ちょっとやってみただけで、結論を出してはダメだということですね。実際、この予備実験では、次のような、「神がかった」現象が起こっています。400回のうち、同じ目が連続して出たのが64回もあり、そのうち12回は連続3回同じ目が出ているのです。さらに、そのうちの1回は5連続だったのです。反対に、いかにもありそうな1・2・3・4・5・6の連番は1回も出ませんでした。この「結果」を見て、疑う気持ちを持ってくださいね。私自身「すごいな、これは!」と驚くと同時に、実験のやり方に問題があるに違いない、と感じています。素手で転がしたのはまずかったかな、と思いますね。そして、手は直前の動きを覚えていて、同じように動いてしまうのかもしれないということも感じました。さらに、予備実験を行って、実験方法をきちんと整えたいと考えています。結果を、こうご期待!





3枚目と4枚目の写真は、近江神宮の桜です。ソメイヨシノではないらしく、色合いが濃いですね。つくづく、桜が離弁花でよかったなあ、と毎年感じています。「離弁花」は受験理科では定番の語句ですが、花びらがバラバラに分かれる種類ですね。もし、桜が合弁花(花びらが一つにくっついている種類)だったら、入学式の風情は台無しですね。風に乗って、宙を舞う花びらに美しさがあるのであって、新入生たちの頭上から、一つ一つの花がぼたぼた落ちてきたら、滑稽な入学式になることでしょうね。


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