真野教室から川合です。
私立高校のオープンキャンパスが各地で開催されています。県立高校の学校見学も受付が進行中ですね。私も、仕事と勉強をかねて出かけるようにしています。先日は京都両洋高校に伺って、吹奏楽部の部活動体験を見学させてもらいました。ここ数年で強豪に名を連ねるようになった両洋高校はどんな練習をしているのか、大変関心をもっていましたが、想像していたイメージとはまったく違っていて、とても勉強になりました。
部員数は140名ほどになるようで、体験に参加した中学生や保護者も含めて、専用練習場は人でいっぱいになりました。この大勢の人の集団がどんな風に動くのか、興味津々で見ておりましたが、何か大声で気合いを入れたりとか、ピリピリした雰囲気は感じられず、シャキシャキ動く、という印象ではないのに、きちんと時間通りにものごとが運んでいくのですね。これは面白いな、何でだろう?
指揮台に取り付けられた呼び出しベルをチンチンと鳴らすと、みんながお互いに「シッ」と言い合って、前に注目します。部長(らしき男子生徒)が指揮台の横に立って、穏やかな声で静かに指示を出していきます。顧問の先生も、大声を張り上げることはありません。穏やかにしゃべっておられます。ですが、その指示がちゃんと通っているのがうかがえます。
和音の確認に時間をかけていましたが、声で和音を作りながら、そのハーモニーのどの部分を自分が担当しているのか、指でサインを出して自覚していく練習でした。魚市場の競り(せり)をミュージカルにしたようなイメージです。その確認をした上で楽器の和音に取り組んでいましたが、なるほど、和音って、音を出せば勝手にきれいにハモるというもんじゃないんだな、と初めて知りました。
練習中は、練習メニューが切り替わったり、曲が変わるたびに、全員が、周囲のメンバーに「よろしくお願いします」と挨拶を交わす習慣が新鮮でしたね。そして一回合奏が終わるたびに「はい、チェックして」と呼びかけられ、お互いが、他人の演奏に感想・アドバイスを言い合っています。強烈なリーダーシップで全員を従わせて引っ張っていくのではなく、全員に考えさせています。そして頻繁にコミュニケーションをさせています。なるほどー、これなら強くなるのも納得がいくなあ、と感心することしきりでありました。
上下関係は厳しくないそうで、パートリーダーにも2年生や1年生がいます。コミュニケーションを高める工夫は随所に見られましたが、パート練習に分かれている間に、各パートで体験生の名前・中学校・趣味を聴き取り、全体練習にもどったときに、先輩の口から紹介させるというのも、うまいなあと感じました。体験に来ていた中学生たちは、先輩の間に混じって合奏に参加し、途中中学生だけで1曲演奏させられましたが、いい音を響かせるようになっていました。滋賀県からは4名が参加して、うち1名は塾生でしたが、初見の楽譜と懸命に格闘してへとへとになっていましたね。それでも感想は「とても、やりがいがあった!」です。おつかれさん!
静かで穏やかな真剣さに満ちた3時間半でした。HPなどでよく見てはいましたが、実際にその空間に来てみると、その熱気、呼吸、ノリなどを直に受け止められます。募集要項などからは決して読み取れない魅力を感じました。来てみて良かった!
2枚目、3枚目の写真は、最近では真野教室の顔となったタチアオイの繁殖ルートの解明です。上の写真で、ブロック塀の向こうに2株の白いタチアオイが見えます。ここの花は毎年咲いています。ここから塀を越えて種が落ちると、駐車場の傾斜に沿って、雨水などで溝まで流されてきます。あとは溝の中を運ばれてくれば、ここに到着しますね。先日は小さな女の子とお母さんが鑑賞してくれていたので、話しかけてみました。「シンボルツリーなのかと思いましたよ。」と言われ、ちょっと嬉しかったです。そろそろ花の盛りは過ぎて、実りが始まっています。どんな種ができるのか、楽しみです。