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2021年9月の課題本『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

2021-10-05 20:16:00 | ・例会レポ

普段ノンフィクション(エッセイ?)はあまり課題本になることはありません。
今回、話題になっている本が文庫本になったということで、読んでみたいなと思い課題本に推薦しました。本の帯には『60万人が泣いて笑って感動した 親子で読みたい「一生モノ」の課題図書』と書かれてあり、多くの方々に読まれている本のようです。私も普段はベストセラーと言われている本はすすんで読む方ではないのですが、この本の題名が素敵に思えたので読んでみたいと感じました。

賛否ありました。

肯定的な意見としては
・息子がたくましい良い子。お母さんも一緒に成長している様子が見て取れる。
 イギリスは多様性に対する教育がなされているようだが、日本にも必要になるのでは?
・読みやすく良くできた話だ。こんなにいい息子がいたらいいな。
 日本でも周りに外国の人々が増えてきている。差別しないように注意しようと思っていてもしてしまうかも。 相手の受け取り方によっては傷つけてしまうこともあるので。
・2つの国を持っている子供はうらやましい。2つの国の視点を持って育つのがうらやまし  いと思っていた。でも国際結婚をした友人の子供は悩んでいるようだった。この本を読んでその悩みが理解できた。成長することによって2つの価値観を持った時にたくましくなれると良い。おじいちゃんとの交流も微笑ましくてよかった。
・母ちゃんはねと話し合えるような親子関係が良い。
・日本には多くの人種が暮らしていないので、言語や文化の違いに触れることは少ない。
 海外の家庭の事情を知ることができて良かった。
・イギリスの教育事情のような自分の知らない世界を知ることができて良かった。今はコロナで出かけることもできない。知らない世界の事は興味がある。シンパシーとエンパシーの違いを知ることができて良かった。この本に出てくるような教育を受けている子供が成長すれば少しは未来は明るいのではないか。今の日本の教育事情はどうなのだろうか?

否定的な意見としては
・すらすら読めて、新しい情報はあるが、割とたいくつ。息子の自慢や説教を聞かされているような気になる。逆高い系?貧困を売り物にしているようにも思え、くたびれた。
・図書館で借りようと思ったが予約が取れない。図書館ではこの本を130冊も購入しているらしい。同じ本こんなに多量に買う?
 息子があまりにも優等生で大人で、いいところばっかりみたいでずるい。子供自慢?
・文章が非常にうまいが、理想の息子を描いているようで、計算高いように感じる。
 息子の友人たちの個人情報書いてしまって大丈夫なのでしょうか?
 ・エッセイは小説と違って嘘がつけるのでは?小説を書くときは自分の考えが反映され てしまって本音がでてしまうが、エッセイは格好つけて書くことができるのでは?

講師からは
 知らない事を知るのはおもしろい。
 大事なのはどういう視点でどういう語り口で書くかということ。
 作者の時代感覚、価値観がぶれていないのが良い。視線が低く高慢にならない(上から目線になっていない)ところが良い。
 パンクロックが好きというような人が持っている感性が反映された作品。
 自らの価値観で息子の様子を拾っている。題材の選定の仕方や書き方がうまい頭のいい人。
 ほかの作品では『花の命はノーフューチャー』がおもしろかった。
 これからは小説を書くといいのでは?

 
 
今月もオンライでの開催でした。やや参加人数が少なかったのは課題本のせい?
こういうことでもないとノンフィクションは読まないので私は読めて良かったと思いました。ちょうどこの本の続編が出たので読みましたが、音楽の話が出てきて良かったです。
ある女の子が歌うサム・クックの「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」や
クリスマスの歌(イギリスではポピュラーとのこと)ポーグス&マッコールの「Fairytale of New York」という曲You Tubeで聞いてみて気に入りました。クリスマスの歌なのに汚い言葉を使っているということで演奏すべきかどうか揉めたということですが、私はいいと思いました。知らない事を知るのは楽しいです。


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