〈読書会〉おもしろ☆本棚

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2月の読書会 課題本「ミュージック・ブレス・ユー!!」津村記久子 著

2009-03-02 22:17:07 | ・例会レポ
青春小説です。
今月は、見学の方が大勢来てくださいました。みなさん活発に発言してくださり、楽しい時間が過ごせました。題名に惹かれて推薦した課題本だったのですが、いろいろな意見が出て、結果としては良かったなと思ってます。

皆さんの発言を以下に記入します。(拾いきれてないかも。なにかこれはぜひ言いたいということがあったら、ブログのコメントにでも書いてくださいね)

★読みやすい。
★関西の人だけあって大阪弁は自然だが、東京弁はちょっと変なんじゃない?
★高校生だった頃があまりにも遠い昔で、よく理解できない。
★文章はうまいが、それ以上のものを感じない。
★ぐだぐだ感が好き。青春のあせりやいらだちから音楽にのめりこむっていう話だけど、
もっとのめりこみ具合がエスカレートしてもよかったのでは?
★みずみずしい。綿谷りさの「蹴りたい背中」が同世代の描いたリアルな高校生の姿だとしたら、こっちの高校生はちょっと大人かな?ぐだぐだしてるけど、不安定ではないように感じる。
★小学生のときちょっと問題がっていうのは違和感があった。このエピソードはいらないのでは?
★小池真理子の「無伴奏」も高校生と音楽がでてくる小説だが、全く違うなと思った。
★すごく楽しかった。卒業してから、何年も経つけれど、すごくそんなこともあったな~と記憶を刺激してくる小説。
★すごく読みやすいが、何が言いたいのか明確じゃないのでは。空気感は伝わってくる。もっと考えさせられるものが読みたい。
★高校時代に感じることは、世代を超えて結構変わってないかも。
★名前がカタカナになっているのは読みにくい。
★読んでも理解できないなと思っていたが、Web上の誰かのコメントで「女性の連帯と任侠を描いた小説」と書いてあって、ああそうなのかと納得した。
★この主人公は将来的に心配。
★この本これで1500円は高い。
★どういう友達がいるかということでその人がわかると思う。チユキちゃんは魅力的。彼女と友達になりたい。
★「畏れ」とはなんだろう。
★おかあさんのエピソードはいい。
★出てくる音楽がわからん。
★高校生はとお~い世界と思った。ちょっとショック。
★地の文に主人公の意識が入っているような書き方がおもしろい。
★作者は登場人物のどの子の立場なのかな?
★好きなものに対する興味が深くなると対人関係は下手になる?
★仲のいい人とメールするときはカタカナなので違和感ないです。
★ぐだぐだだけど自暴自棄ではなく、明るいのは良い。今風?
★日記みたいだけど、ブログの文章みたいに悪くない。さすがは芥川賞。
★映画「リンダ・リンダ・リンダ」を思い出した。好きなものがあるっていい。
★カタカナには抵抗があるけど、字づらから受ける印象っていうのもある。漢字とカタカナではきっと受ける印象は違ってくるでしょう。
★自分の高校時代をすごく思い出した。あんまり親が登場してこない話だったけど、実際そのころ忙しくって親のことなんて考えてなかった。
★音楽と青春っていうテーマが好き。
★バンド活動の話ではなく、一人の趣味っていうのが現代的?
★肯定してなくても、うなづくシーンが書かれていた。それって受容しているよっていうデモンストレーションなのか。今の若者的。
★主人公が女の子というセクシュアリティーに違和感を感じている?自分のこと「でがらし」と言ってたし。
★作者とだいたい同じ歳。カタカナにも違和感なし。共感できる。
★チユキはちょっと兇暴すぎ。
★マンガなんかでは名前はカタカナで書いたりします。
などなど・・・

講師は「高校生小説カタログ」を用意してきて下さいました。
若さを保つには高校生小説。
「音楽は恩寵だ」音楽という一つのことを好きになり、それが全世界より重くなるというこういう生き方もありだと思う。
身辺雑事のエピソードのまとめ方はうまく、自分の世界をもっている作家だと思うとのことでした。

私自身はこの作品はとても好きです。あからさまではなく、身の回りのことを描写することによって登場人物の気持ちをうまいこと表現している気がします。アザミとチユキの友情の表し方とか。
気にいったので、著者の他の作品も全部読みましたが、No.1はこの作品ですね。
作者は背が高いのかな?そういう設定の描写がよく出てきます。かわいい女の子とぐだぐだ(で色気がない)という女の子の対比もよくでてくる。私もどっちかっていうと色気がないって感じなので共感しちゃうのかな?これからも注目したい作家さんだと思います。

津村記久子 著作リスト

★「君は永遠にそいつらより若い」2005年11月発行 筑摩書房
  第21回太宰治賞受賞
★「カソウスキの行方」 第138回芥川賞候補 同時収録「Everyday I Write A Book」
「花婿のハムラビ法典」 2008年2月発行 講談社 
★「ミュージック・ブレス・ユー!!」2008年6月発行 角川書店
  第30回野間文芸新人賞受賞
★「婚礼、葬礼、その他」第139回芥川賞候補 同時収録「冷たい十字路」
2008年7月発行 文芸春秋
★「アレグリアとは仕事はできない」同時収録「地下鉄の叙事詩」
2008年12月発行 筑摩書店
★「ポトスライムの舟」第140回芥川賞受賞
同時収録「十二月の窓辺」2009年2月発行 講談社
★「八番筋カウンシル」2009年2月発行 朝日新聞出版

レポート 舞浜嵐子
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