人生をひらく東洋思想からの伝言

様々な東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら一緒に人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第81回「大器晩成(たいきばんせい)」(老子)

2023年04月09日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第81回 

「大器晩成(たいきばんせい)」(老子)


この言葉は、老子 同異第四十一からの言葉になります。

この言葉は、なんらかで日常の会話の中にも出てくる言葉でもあります。

では、この言葉の本質はどんな意味なのでしょうか?


同異第四十一は、こんな文章から始まります。

「上士は道を聞けば、勤めて之を行ひ、中士は道を聞けば、存するが若く亡きが若く、

下士は道を聞けば、大として之を笑ふ。」


「道」いわゆる、宇宙の根源を意識して生きている人は、道の教えを聞けば 素直に実行するが、

中途半端に信じて疑う人は、半信半疑になってしまう。

そして、宇宙の根源や道理に全く関心がない人は、最初から信じることもなく

大笑いをして馬鹿にするような態度をとる、ということが書かれています。


その後の文章が痛快で、

「笑はざれば以て道と為すに足らず。」

ゆえに、人から大笑いされるようでなければ、

「道」いわゆる宇宙の根源に基づいて実践しているとはいえないのだ、

と言っています。老子らしい文章ですね。



世の中で認められようとか、好かれようということは一切考えずに、

ただただ宇宙の根源、道理に沿った生き方をすることが一番だ という在り方。

本当に本質をズバッと言っています。


そして、今回の言葉が出てくる文章は こんなくだりから始まります。

「大方(たいほう)には隅(ぐう)無く、大器は晩成し、

大音は聲(こえ)希(な)く、大象(だいしょう)は形無し。」



意味合いとしては、

あまりにも大きな箱は、四隅が見えないから無いようにみえ、

器の大きな人は、
本領発揮に長い時間がかかってしまう。

あまりにも大きな音は 音が無いようにも思えるし、

大きな形は、形が全部見えないから形が無いようにみえてしまう。という意味になります。



実は、私は小さい時から要領があまり良い方ではないので、

様々な試験では苦戦し、恋愛もなかなか上手くいかないし、

グズでのろまなで、コンプレックスの塊の人間でした。

そんな自分をいつも励まし、支えてくれた言葉が、今回紹介する「大器晩成」という言葉でした。


そんな自分でしたが、ここ最近思うようになったのは、

自分が経験してこと良い事も辛かったことも、それがすべて材料になって、

肥やしになっているなと すべて感謝だと思えるようになってきました。

だからこそ、これからもあせらずに じっくり熟成させていきたいものですね。


参考文献
『ビジネスリーダのための 老子道徳経講義」田口佳史著 致知出版社

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする