人生をひらく東洋思想からの伝言

様々な東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら一緒に人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第82回「お釈迦様が教えるお金持ちになる方法」(仏教)

2023年04月16日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第82回
 
「お釈迦様が教えるお金持ちになる方法」(仏教)


仏教においては、お金を罪悪視もしていません。

そして、お金を稼ぐことも否定はしていません。

ただ、煩悩や欲にまみれて執着しすぎたりせず、

社会のためになるようなお金を儲けることが大事だと言っています。

同時に、いかに社会に還元していくか、利他の心が重要であるということ、

いわゆるバランスが大事だと言っています。


今回は、YouTubeチャンネル大愚和尚の一問一答でも有名な、

大愚元勝さんの『苦しみの手放し方』(ダイヤモンド社)の本を参考にしながら、

仏教を通じてのお金との向き合い方、付き合い方について考えていきたいと思います。


『大荘厳論(だいしょうげんろん)』という経典には、

「人間が幸せになるためには、次の4つが大事である」と記されています。

1) 健康第一の利・・・健康であること

2) 知足第一の富・・・生活を安定させること

3) 善友第一の親・・・善き友を築いていくこと

4) 涅槃第一の楽・・・自分以外の人たちの役に立ちながら、生きていくこと

この4つの教えの中から、

お釈迦様が考える「お金との向き合い方」を読み解いていくことができます。


アメリカ富裕層研究の第一人者である トマス・Jスタンリー博士とウィリアム・Dダンコ博士は、

1万人以上の億万長者にインタビューとアンケートを実施し、

資産、年収、職業、消費行動のタイプを調査しました。

彼らは、億万長者の共通点を次の7つにまとめています。


(かっこ内で、お釈迦様の上記4つの視点との関連を入れてあります)

1 収入よりはるかに低い支出で生活する(知足)

2 資産形成のために、時間・エネルギー・お金を効率よく配分している(健康、善友)

3 お金の心配をしないで済むことの方が、世間体を取り繕うことよりも
   ずっと大切だと考えている(知足、健康)

4 社会人になったあと、親からの経済的援助を受けていない(善友)

5 子供たちは経済的に自立している(善友)

6 ビジネスチャンスを掴むのが上手だ(健康、知足、善友、涅槃)

7 ぴったりの職業を選んでいる(健康、知足、善友、涅槃)



これをみると、『健康で、いい人間関係(家族関係も含む)を持ちながら、

心の状態がよく、社会との関わりもバランスよく調和している方が

お金と健康的に付き合っているので、自然とお金持ちにもなっている』と考えられます。

それは、2500年前でも、アメリカでも時代や国境を越えても、

共通していることが浮かび上がってきます。

ということは、
物事の本質であり、宇宙の道理なんでしょうね。


「たくさん稼いでいる人」が決してお金持ちなのではありません。

仏教では、「自分の収入に見合った等身大の生活が出来る人」

「困っている人のためにお金を使う心の豊かさを持っている人」のことをお金持ちと解釈をしています。


だからこそ、禅寺には「お金持ちには4つの種類がある」と言い伝えられているそうです。

1) お金持ちのお金持ち・・・お金を持っていて、そのお金を「人の役にたつこと」に使える人

2) お金持ちの貧乏人・・・十分なお金を持っているのに、「もっと欲しい」と欲張る人。
             自分の欲を満たすためだけにお金を使う人。

3) 貧乏人のお金持ち・・・あまりお金は持っていないが、困っている人がいたら、私財を投げ出す人。

4) 貧乏人の貧乏人・・・お金もなく、心の豊かさもない人。


現代においても、お金と心のバランスはとても大事なテーマだと思います。

だからこそ、お金に振り回される人生ではなく、

そしてお金がないと生きていけないと思い込んでいる側面も強いので、

そのあたりの感情にも気づきながら 、その感情を浄化していくことも大切だと思います。

お金とどのように付き合い、心のバランスや人間関係、

健康など目に見えないものと調和をいかに保っていくかが、

これからの時代でとても大切なテーマかと思い、

今回 お金について改めて考えてみました。いかがでしたか?


東洋思想を通じて、お金との付き合い方、向き合い方については

これからもいろいろと考えていきたいと思います。


参考文献
『苦しみの手放し方』 大愚元勝著 ダイヤモンド社

 

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