【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第105回
第105回
「徳を含むことの厚きものは、赤子に比す」(老子)
(とくをふくむことのあつきものは、せきしにひす)
(とくをふくむことのあつきものは、せきしにひす)
私が東洋思想の中でも、 老荘思想に対して特に惹かれてしまうのは、
本質を見事に表現しているからだと思います。
何千年もの間、 世界中の人達に読み継がれてきた言葉だけに説得力があります。
今回ご紹介する言葉も、「徳のある人は、 まるで赤ん坊のようである」と言っております。
赤ん坊は、世間の垢にも、まみれておらず、 生命力にもあふれていて、
柔軟性にも富んでいると言っています。
柔軟性にも富んでいると言っています。
その状態は、老子が生き方として大事だと言っている「道」 のあり様を
自己のあり様にしている理想的な生き方であり、
「徳」 があるからだと老子は表現しています。まさに、 老子らしい表現ですね。
自己のあり様にしている理想的な生き方であり、
「徳」
我々人間は、死に近づくに従って、 頭も心も硬くなってしまいがちです。
ついつい、気がつかないうちに、自慢話をしたくなったり、 説教くさくなってしまったり、
上から目線になってしまう可能性もあるので、 自戒の念も含めて気をつけたいと思います。
だからこそ、赤ん坊を生き方の理想として、 余計なものに囚われないよいように、
頭を柔軟に保ち、 自らを見失うことなく、道ともに歩んでいくように、
気をつけて生きていきたいものです。
頭を柔軟に保ち、
東洋思想の言葉に触れると、ハッとする事ばかりで、
自分自身を振り返る事ができるので、その習慣は、 内省する時間であり、
自己との対話をする大切な時間になっています。
【参考文献】『老子の無言』田口佳史著 光文社