人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第145回『曲なれば則ち全く、枉なれば則ち直し』(老子)

2024年07月01日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第145回

『曲なれば則ち全く、枉なれば則ち直し』(老子)
(きょくなればすなわちまったく、おうなればすなわちなおし)


老子の「不争謙下(ふそうけんか)」の考え方を現している有名な言葉になります。

まさに、争わないで謙虚に生きることが、長生きの秘訣だとも言っています。

幹が曲がりくねっているような木は、材木としてはなかなか使い道が少ないが、

だからこそ、伐採されずに年輪を重ねていくことができる。

人間も一緒ではないかということを老子は説いています。

人間においても、優秀だとそれはそれで素晴らしい事でありますが

一見役に立たないとか、個性的で組織にとっては扱いにくい方は、

長期的な視点で見ると、余計な争いもないので、

愉快に生きていけるのではないかという考えになります。

後半の、「枉(おう)」とは、つまり尺取虫を例にあげています。

くねくねと身を曲げたり伸ばしたりしながら進んでいるようにみえても、

結果的にはまっすぐに進んでいる。

人間に例えると、だからこそ、どんな不器用でも、遠回りしていても、

長い目で観ればちゃんと生きているよと、老子は言っています。

この言葉に、自分もかなり救われました。

10代、20代はなかなかうまく生きれずに悩みながら葛藤の連続だったからです。

どこか周りの人と比べて、なんで自分はこんな感じなんだと、

自己嫌悪に苛まれていたことが多かったように今を思うと感じます。

そんな時に、老子を読んでから

少しづつ自分の人生を受け入れていけるようになっていった感じがします。


参考文献
『老子の無言』田口佳史著 光文社

 

 寒川神社

 

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