【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第77回
「立つ鳥 跡を濁さず」
「立ち去る時には、あと始末をよくして 行わなければならない。」という意味です。
「飛ぶ鳥 跡を濁さず」という表現としても使われるので、
そちらで認識している方もいらっしゃると思います。
こちらでは、どちらかの是非は別にして、
同義語としてご紹介させていただきます。
サッカーW杯で、日本代表チームのロッカールームが 試合後立ち去る時に、
きれいになっている写真などで、こちらの言葉を聞いたことがあると思います。
他にも 試合後に日本代表観戦者がスタジアムの掃除をしていることなどで、
これらの言葉を聞いたことがあると思います。
まさに、日本人の美学と精神性、社会性などを体現した言葉だと思います。
この言葉で思い出すことがあります。
それは、大学時代に友人の家でお酒をよく飲みかわしていましたが、
たまにその友人のお父さんが入ってきてくださり、
いろいろな話をしてくれました。
「お前ら、よく覚えておけよ。いずれ社会に出て、
出張などでホテルなどに泊まることがあるだろ。
その際に、部屋を出る際に 部屋に入ったときと同じようにして出るんだぞ。
そうすると、忘れ物をしなくて済む。それと、その部屋を掃除する人も楽だろ。
それが、必ず仕事でも活きてくるから。それだけは、覚えておけよ。」
なぜか、その話は鮮明に覚えていて、社会に出てからも
家庭ができ、子供たちにも 必ずその話をして、自分の中で実践してきました。
宿泊研修などをした際にも、必ずこの話をしてきました。
その友人のお父さんも、会社経営者だったのですが、
今思うと、すごく有難いですし、心の中に今でも残っています。
このお父さんが、先日 お亡くなりになられたと友人から連絡があり、
ご生前に大変お世話になったので、ご挨拶が出来なかったことが悔やまれますが、
この教えを 少しでも自分自身も活かして、
そして多くの方に伝えていくことが 供養かと思っております。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
『国語辞典』金田一京助 小学館
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