松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆『励ます令和時代の地方自治 - 2040年問題を乗り越える12の政策提案』(木鐸社)(2)

2020-09-12 | 地方自治法と地方自治のはざまで
励ます令和時代の地方自治 - 2040年問題を乗り越える12の政策提案』(木鐸社)の紹介をしよう。

 第1章は、 昭和、平成の時代の地方自治を振り返り、令和の時代の地方自治とは何かを考えている。大まかなデザインは、次のとおりである。 

[昭和の時代] 
 戦後、地方自治法ができたのが1947年(昭和22年)である。その後の昭和の時代は、地方自治の成功体験の時期であった。経済発展による税収の大幅な増加で、「税金で地方自治ができた時代」である。公害・環境、福祉など、さまざまな分野で地方自治の成果が花開いた。

[平成の時代]
 バブルの崩壊は、1991年である。平成3年に当たる。平成時代は、昭和の地方自治の成功体験の余熱に浸りながらも、そこから逃れて、「新たな地方自治を目指し、もがいた時代」でもある。ただ内容は、内向きで、行政の改革(合併等)、行政への民間手法の導入等であるが、その効果は限定的で、むしろ弊害が目立つようになった。

[令和の時代]
 そして、令和の時代は、いよいよ地方自治の成功体験からの決別し、新しい地方自治に大転換する時代である。枕詞のように使われていた人口減少、高齢化がリアルなものとなり、否応なしに日々の暮らしを変え始めた。このままにしていたら、未来の展望は開けない。余力が残っている今のうちに、これまでの地方自治法の成功体験のくびきから逃れて、新しい世界に飛び出るときである。
 
 その処方箋は、チェックや監視の地方自治から「励ましの地方自治」への転換である。税金だけの、行政だけの地方自治から、市民の知恵や経験、行動力を活かしながら、「市民が存分に力を発揮する地方自治」である。

 これまで、昭和、平成の時代の地方自治を振り返ったものはないと思う。たしかに時代は地方自治に鮮やかに反映している。転換のキーワードは、成功体験からの決別である。
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