松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆行政資源をめぐる世代間争奪政治ゲーム・若者議会

2022-06-14 | 新城市がヒットを飛ばせる理由
 コミュニティ政策学会関西支部研究会で発表することになった(来年の1月ころ)。新城市の若者議会を切り口に、行政資源をめぐる世代間争奪政治ゲームを考えることになった。忘れないうちの書いておこう(後でもう少しちゃんと整理しよう)。

 若者参画政策は、政策化が難しいテーマである。その主たる要因は、シルバーデモクラシーである。市長や議員は、選挙に受かってなんぼなので、人数は若者の1.5倍、投票率は2倍の高齢者をターゲットに政策を組み立てる。これは、ある種、合理的行動である。この力関係のなかでは、若者が高齢者を打ち破って、資源争奪政治ゲームの勝利するのは、困難である。黙っていると、行政資源の獲得競争は、高齢者の一人勝ちになる。

 しかし、ワンサイドゲームを続けていくと、世代間の軋轢を生み、世代間対立になる。それがひいては、社会の持続可能性にとっても危機となる。その中で、行政資源の争奪戦の新たな戦い方を提起するのが、新城市の若者議会である。

 答えを先取りすると、この戦いを丸く収めるには、引き分けに持ち込むことである。これを言い換えると、win/winである。

 ということは、若者参画すると、高齢者にとってWiNという道を探ることである。たとえば、若者が参画することで、高齢者で構成される自治会活動の担い手が増え、活発化した。担い手不足に悩む消防団活動に参加する若者が増えた。若者と交流するようになって、元気になった等々、高齢者にとってプラスになったという道を探ることである。WiN・WiNなら、文句はないだろう。

 でも、WiN・WiNに持ち込むには、どうすれば、よいか。単に若者の意見を聴きますという参加方式では、そうならない。どうしても、若者中心の発想になる(すぐ「音楽フェス」の開催になる)。これを「税金を使って」若者が提案するという方法に変えると、若者の提案は、途端に公共性、公益性を持ったものになる。原資が税金だからである。高齢者が中心的に活動する組織や団体の活性化は、公共性、公益性である。

 実際、新城市の若者議会では、若者たちの提案は、自分たちのことではなくて、まちのことである。地域と密接につながる活動も多い。ポイントは、税金を使うということである。これは若者のとってもWiN、地域にとってもWiNである。

 限られた行政資源を奪い合うのではなく、行政資源をうまく分け合ってWiN・WiNに持ち込む。それを実践する仕組みとして、1千万円の予算提案権を持つ新城市若者議会というシナリオである。もう少し、補強すると、スジが通った話になると思う。
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