松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆法制執務の再構築

2008-02-29 | 1.研究活動
 法制執務を改めて、勉強している。やらなければいけないという直接の動機もあるが、この機会に、政策法務という観点から、法制執務を見直してみようと考えたからである。
 なぜか。これは法制課職員の役割と関係する。
 法制課職員は、むろん法制執務をしっかりと勉強しなければいけない。簡単に言うと、原課や市民は、法制執務を知らないし、せいぜい、ちょっとかじっている程度に知っていればよい。そんなことを学ぶ余裕があったら、政策事実をしっかり積み上げることに、全エネルギーを注いでもらいたいからである。法制執務は法制課職員が、しっかりとフォローすれば、全体としては、これでよいからである。
 そのうえで、政策法務時代の法制課職員は、法制執務だけなく、条例づくりの専門家として、原課や市民の条例づくりを指導するのも役割である。ここで条例をつくるとは、何度も言っているように、条文をつくるということではない。特に重要なのは政策事実の積み上げ方で、こういった条例づくりの基礎をしっかりと原課や市民に手ほどきしてほしいからである。
 そう考えると、100年の歴史の上に積み上げられた法制執務のルールはあまりに煩瑣である。余力を政策法務に回せるように、もっと簡便なルール、エネルギーを使わずに使いこなせるルールを開発しなければいけないというが、私の問題意識である。
 うまく答えが出るかどうかは分からないが、これが、やらなければいけないことが山ほどあるのに、わき道に入ってしまう理由である。
 なお、決意を新たにする意味でやらなければいけないことを記しておこう。
①政治学の論文5本
②自治基本条例のつくり方(論文 実践版)
 これが3月いっぱいにやることであるが、3月の前半はニュージーランド、後半は講演会がたくさんあるから、余裕は決してないと思わなければいけない(自戒)。なお、本日は研究室の片付け(枚方)。今年の2月は29日まであり、得した気分である。
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2 コメント

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うらやましいです。 (はじめの一歩)
2008-03-04 08:47:41
お忙しい中、さらなる探究を目指される先生の姿勢に驚かされる反面、うらやましさも感じます。
というのは、自分がやった勉強や研究が残らない役所勤めと比べて常に書籍や研修等でアウトプットができるからです。(もちろん、インプットが大変ですが)
これまで・これからの職員生活の努力が無駄にならないよう資格取得や研修発表等を通じて形に残せるようがんばりたいです。
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かたちに残しましょう (マロン教授)
2008-04-04 06:11:30
 役所に入ったときの最初の研修で、講師の人が、異動になったら、自分のやった仕事を論文等のまとめるとよいと言われました。それを実践してみようと思ったのが最初です(もっとも勤めて10年ほどはできませんでしたが)。
 最近は、職員が発表する機会も多いと思います。とりわけ行政学の世界では、現場を踏まえた論文のほうが、魅力的です。
 そこで、仕事がひと段落したら、論文を書いて見てください。私の最初に書いた本(自治体NPO政策)も、仕事のまとめのようなものです。それが、本になり(何度も増刷されました)、あまつさえ、外国で翻訳されるということも起こりました。

 
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