松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆自治基本条例3周年とどやばい村(新城市)

2016-03-20 | 地方自治法と地方自治のはざまで


 自治基本条例3周年の記念イベントと全国の若者が集まる「どやばい村」に参加した。

 自治基本条例は、「自治の基本」とは何かと「条例」とは何かを問うものである。
 自治に基本については、2つの考え方がある。ひとつは、伝統的な考え方で、
政府の民主的統制が自治の基本と考える。国の理論を地方に当てはめたもので、要するに、役所や議会をチェックしていると、幸せになれるという考え方である。

 しかし、それではとてもうまくいかないのは言うまでもない。人口減少問題でも、役所だけではとても手に負えず、市民一人ひとりの生き方やライフスタイルから再構築が必要になっている。また空き家問題では、行政による権力的な執行では、緊急避難的な事項しか解決しない。地域コミュニティ、NPO、企業など多くの主体による公共的な活動が大事で、政府の役割は、こうした活動をどれだけ後押しできるかにかかっている。

 イメージでいうと、重箱の隅をッつくようなコップの中の争いを早く止めて、思い切って大海に乗り出し、新たな地平を拓いていくことが求められている。そうしなければ、私たちの未来はないと思う。その船の一つが、自治基本条例である。

 このように自治基本条例を考えると、多くの公共主体が、その力を存分に発揮できるように、そのための仕掛けを重層的に作っていくことが急務である。おそらくはトライアンドエラー、失敗や反省を繰り返しながら、一歩ずつ、道を開いていくことになるだろう。

 どやばい村の試みも、その一つである。これはあまり出番がなかった若者の出番を作る試みである。今回は、全国から30名の若者が集まって、2泊3日で、新城を舞台に中山間地のまちづくりを考えた。今回は、北は仙台から南は鹿児島まで、全国から人が集まった。学生だけでなく、サラリーマンもいた。

 学生は暇のように思われるが、学生にとっては、連休の2泊3日は結構きつい。みなアルバイトをやっているが、稼ぎ時で繁忙期に3日間休むからである。今回、私のゼミ生は4名参加したが、行きたいという学生は、もっと多かった。しかし、結局、アルバイトの事情等、処々の条件で参加できなかった。よく30名を超える若者が集まったものである。

 どやばい村の評価は、これから学校が始まってから、ゼミ生たちの話をゆっくり聞くて、考えることにするが、それ以前にすごいと思うのは、このように集まってくる若者の行動力、積極性である(自分が学生のころだったら、どうだったかと考えるとよくわかる)。私たちの世代もそれなりの行動があったが、結局、頭のなかで考え、足が地についていなかったように思う。

 昨今の学生たちを見ていると、その行動力は、本当にすごい。私のゼミ生でも、この春休みに、3週間、ペルーやブラジルをバックパックで旅してきた学生がいる。ペーパーテストは苦手かもしれないが、こうしたことをサラッとやってしまうのが、今の若者である。行動力は、とても私はかなわないと思う。

 私たち世代の弱点は、欠点を見つけ、それを改善するという発想で育ってきたことである。改善されればその部分はよくなるが、元の枠を超えることができない。欠点をあげつらうことに長けてしまって、新たな枠組みを作る能力が決定的に不足している。

 私たち世代の役割は、私たちの固定観念で、若者たちの自由な発想、行動をつぶさないようにすることだと思う。今の若者たちが順調に育っていけば、私たちの未来はきっと明るくなる。そんな期待を込めて、若者政策を進めていこう。

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