松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆シビックプライドの違和感

2020-06-21 | 1.研究活動
 既存のシビックプライド調査の読み方。その注意点である。

 シビックプライドの調査は、何かすっきりしないものがあったが、改めて考えてみると、それはそうだよなあということになった。人間は、考える葦である。

 既存のシビックプライドの調査には、「シビックプライド調査」(読売広告社)や「市民のプライド調査」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)があるが、これらは、都市開発・住関連等のマーケティングの一環として調査が行われているものである。ちなみに、読売広告社は,新築分譲マンションの広告は業界ナンバー1とのことである。

 従って、調査の対象は「シビックプライド」は、20代から50代、「市民のプライド」は、20代から60代までになるし、調査項目も、「継続居住意向や他者推奨意向」(シビックプライド)、「買い物・遊びで訪れること、住むこと、アフターファイブを楽しむこと、デートすること」(市民のプライド)等になる。

 都市開発・住関連マーケティングから見れば、不動産販売や都市開発が低調な地方都市は、調査の対象にならないし、不動産購入や消費活動が期待できない子どもや高齢者といった年代も、この調査から除外されることになる。ふれあい、助け合いなど無形の資源も、調査から外されるだろう。

 ただ、これは非難すべきことではなく、企業の活動目的にあわせて、それに応じた調査が行われるということは、当然のことである。

 ということは、自治体がシビックプライドを政策として考える場合は、住みよいまちをつくるという観点から、調査対象(子どもや高齢者も)、調査項目(助け合いや連携・協力なども)、調査方法(インターネットに限らず面接も必要)等を考えた、シビックプライドの指標や調査実施をしなければいけないということである。

 何か、つかえていたものがとれたようで、すっきりした。
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