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次の本の原稿を出した。
次のテーマは、『シビック・プライド』で水曜社から出す。今からだと、本になるのは、6月か7月になるだろう。水曜社は、文化関連が得意なので、ちょうどよいと思う。
コロナ禍で、原稿が押しているそうで、もうちょっと、待ってと言われていたので、書いた原稿をそのままにしておいた。そうしたら、一昨日、急遽、前が履けたのでということで、1日半、提出する原稿に取り掛かった。1日、20時間は、考えた。
こうした緊張感は、久しぶり。苦痛というよりも快感なのは、自分でもおかしい。また原稿を投げるように送りつけるのは、さらに、小気味がいい。
「おわりに」に、こんな感じで書いた。
シビック・プライドは、何となくイメージできるが、施策化が難しい政策テーマである。それは、シビック・プライドが、内発性(愛着、誇り、共感及び当事者性)を対象とする政策であることに起因する。この愛着、誇り、共感及び当事者性の客観化が難しいのだと思う。
また、シビック・プライドには、独自に危うさもある。シビック・プライドは、下手をすると精神論になってしまうし、シビック・プライドは、自己愛や優越意識に連なるので、気を抜くと、偏狭なパトリオティズムに陥ってしまう恐れもある。
こうした問題意識から、本書では、このシビック・プライド政策の理論化と政策化に焦点を絞って論述した。
理論化では、シビック・プライドを新たしい公共論・協働論から組み立てた。またシビック・プライドは、社会資本であると考えて、社会資本にふさわしい、客観化、見える化に注力した。本書では、住民アンケートモデルなどを提案している。
政策化では、シビック・プライド政策は、先行事例がほとんどないことから、政策の全体像がわからない、この政策の意義や必要性がうまく理解できない、実際、どこから取り組んだらよいかわからないといった不安や疑問があると思う。それに答えるべく、できる限り事例も交えて、具体的に論述した。
本書では、条例案までつくってみたが、これはややお節介であったかも知れない。
新型コロナウイルス騒動では、さまざまな課題が顕在化したが、改めて、日本の政治・行政システムの脆弱性が、白日のもとにさらされてしまった。その再構築は,政治・行政の基盤である地方自治から行っていく必要があるだろう。
シビック・プライド政策が、その再構築に、どれだけ寄与できるかは、まだまだ未知数であるが、本書を足がかりに、シビック・プライド政策のさらなる深化、普遍化を期待したい。