松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆審議会の作法⑨充実した議論・副座長の出番(三浦半島)

2017-01-08 | 審議会の作法

 本来は充実した議論をすべきであるが、そうでない現状もある。審議会のあるあるを列挙してみよう。

・(聞きあう)自分のことばかり話す。他人の発言を遮る。自分の意見を押し通す。
・(みんなが話す)発言が特定の人に偏る。同じ人がいつまでも発言している。
・(対案や創造的な議論)要求・批判ばかりで対案がない。結論を言わない。反対意見ばかり。でき ない理由を述べてばかり。実行につながる結論が出ない。立場からの議論に始終する。クロストークができない。形式だけで話し合う気がない。行政への質問ばかり。結論ありきの通達の場。最初から答えが決まっている。
・(密度の濃い議論)論点がずれる。要領よく話せない、話が長い。意見が出ずダラダラしている。
・(自由な議論、議論百出)場の雰囲気が堅苦しく、発言しにくい。会議中は黙っていて終わってから意見を言う。ずっと沈黙をしている。
・(結論を出す)次回に持ちこす 。曖昧なまとめになる。

 その対策であるが、制度や仕組みの工夫で対応すべきものもあるが、座長の指揮によって、解消できるものも多いようだ。

 特定の人ばかり話すという問題では、座長は、その人を指さなければよい。それでも、話し始めたら、私が指してから話してといえばよいだけである。他人の発言を遮る人がいたら、これは、話している最中だからといえばいいだけである。何度か体験があるが、「すいませんでした」という話になった。

 発言しない人を指名するのも大切である。私は、「目が合った」と因縁をつけて、その人に話をふる。うまく話せない場合は、ヒントを出して、話を引き出す。これくらいは座長の役割である。

 内容のある議論をするには、いくつかの工夫も必要であるが、座長の出番もある。批判に始終する発言があると、「その意見に一理あるけれども、ではどうしたらいいと思います」と話をふる。私は、欠かさず、ではどうしたらいいと思います?と聞くので、そのうち、単なる批判だけでは、座長から必ず突っ込まれると、みんなにわかるようになる。

 話が長くなりがち、遠回りになるというのは、その人の個性だから、ある程度は、仕方がない。ただ、話が終わったら、簡潔に「こういうことですね」とまとめるようにする。これで参加者も、何が言いたかったのか理解できる。言いたいことをうまくまとめきれずにポイントを外すこともあるが、半分でもあってれば、それで良しとする。

 場の雰囲気が堅苦しいというのは、私の最も苦手である。だから、そういった会議の座長を頼まれることはまずない。というか財政問題の委員会でも、特別職の報酬委員会といった堅めの会議でも、最初は厳粛に始まっても、すぐにゆるい雰囲気の会議になる。厳粛な会議ができないのが悩みと連れ合いに相談したら、「いつもあなたの、そのゆるい感じにやられている。もう治らない」と相手にされなかった。

 私の弱点は、まとめが曖昧になるところである。メモを取るのが苦手で、記憶でまとめるから、曖昧になるのだろう。合意型という性格も影響しているだろう。自分でも、弱点だと思っているので、心しているところである。

 それについては、寝屋川市の地域協働検討会議の経験は面白い。この会議では、副座長をお願いしている同志社大学の永田先生に、いつも最後に議論のまとめをしてもらった。いつもこまめにメモを取ってくれていることと、説明が実にクリアーなので、「私にはできないので」と言いながら、いつも永田先生に振った。永田先生も、それが役目だと思うようになって、いつもうまくまとめてくれた。副座長は、中2階の存在で、不満足の気持ちが残る仕事であるが、こうすれば、副座長の出番もできる。ちなみに、私は、これまで副座長になったことはないが、なるほど事務局は、人を見ているのだろう。

 

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