松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆熟議の市長選挙㊽中間報告・市民の期待に応えているか①(新城市)

2017-10-15 | 1.研究活動

 まだまだ総括には早いが、忘れないうちに。

 公開政策討論会は、市民の聞きたいことが論議されているか。

 前回の選挙は、市庁舎建設問題が争点で、政治学でいう争点投票になったが、今回は業績投票の色彩が濃いい。それでも、いくつかの争点があるはずで、それを明確にする意味で、人口、産業、市民自治を争点にして、議論が行われている。もし、この公開政策討論会が行われなかったら、この争点も見えなかったろう。市民にも考えてもらう争点を提示する機能が、この公開政策討論会にあるということである。

 では、なぜこの3つなのか。市民自治は、さすが新城で、ほかの町では、ベスト3には入ってこないだろう。また、討論会は人口問題から始まったが、これは重要度の優先順位なのだろうか。ではNo4やNo5は、何が出たのだろう。いくつかのなかから、この3つを選びましたという決定プロセスが外から見えないので、これを見えるようにするのも大事なポイントだろう。それが見えれば、なるほど、そうかと納得できる。今回は、討論会の回数から、重要問題が3になったが、もし、倍の6回やるとなったら、どういうテーマや運営になったのだろうか。選挙が終わったら、準備会の人たちに、聞いてみたいと思う。

 今回、私が参加した鳳来地区に公開政策討論会で、ぜひ議論になってほしいと思っていたのが、産廃問題である。山本さんのブログには、たくさん書いてあるし、白井さんのブログで、コメント欄がいっぱいになるのが、この産廃問題である。3人の候補で立場の違いがあるし、広がりのあるテーマである。産業問題と密接に絡まっているので、議論になるのならこの回だし、ぜひ議論してほしいと思って聞いていた。しかし、結局、産廃の産の字も出なかった(今回、3人の候補者にお会いしたが、それぞれにごあいさつと激励なので、その訳を聞かなかった)。

 産廃問題については、①現に起こっている問題を、市長として、どのように収斂・解決に向けていくのかという問題とともに、②今後、このような問題が起こらないように、市長として、どのような対応をしていくのかが問われることになる。この論議を通して、市長としてのリーダーシップやビジョン、課題解決のための実現能力、さらには、その人の視野や世界観まで知ることができる。

 しかし、実際の討論会では、産廃の産の字も出なかった(出さなかった)。その理由は、推察するしかないが、言いっぱなしで済むブログと詰めた議論が行われる公開政策討論会との違いにあるのではないかと推察している。もしそうだととすると、だからこそ、市民としては、きちんとみんなの前で議論してほしかったろう。

 すると大事なのは、(候補者が聞きたいことだけではなくて、あるいは質問したくなくても)、市民が聞きたいことが討論の俎上に上るような仕掛けが必要だということだろう。実際のやり方は工夫が必要であるが、常設型の制度を考える際は、きちんと考えていくべき論点だろう。

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