UENOUTAのお絵描きとかブログ

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 144

2024-12-29 18:42:10 | 日記
 爆発が起こった。黒煙がもうもうとたちこめる。手応えはあった。銃だけど……と、確実にあたったのは確か。それにこの規模の爆発だ。あの腕が爆発したのではないか? 
 けど、何かが警鐘を鳴らしてる。それは勇者としての第六感か……自分はその感覚を今まで信じてここまできたといっても過言じゃない。油断はきっとできない。
 
「くっ!?」
 
 いきなり強い風が吹く。自分たちの所まで一気に流れてくる黒煙。それによって視界が悪くなる。この吹いた風はどう考えても自然に吹いたわけじゃないだろう。だってここは室内だ。でっかい風が吹く装置とかが無い限り、こんな強風がいきなり吹くなんてないだろう。つまり……これは何かが起こした風ということだ。そうなにか……この場合、それは一つしか無い。
 
 ガキイイイイイイイイイイン!!
 
 なんとか聖剣で防いだ。気づいたら正面にいた腕。そして気づいたら、その拳が目の前に迫ってた。なんのゆらぎもなかった。空気のゆらぎ、迸るエネルギーのゆらぎ……それらが全く感じなくて、この瞬間までそれに気づくことすらできなかった。
 
 頭はきっとその瞬間まで理解してなかっただろう。けど、自分の長年の積み重ねのお陰でとっさに体は動いてた。きっとあのままだと「死」が訪れてたのだろう。それだけのピンチだった。だからこそ、脳を無視して体が動いた。確かにやつは機械だ。そこに殺意とか感情は全くもってのってない。
 ただ、自身の役割をこなすためだけに動いてるに過ぎない。だからこそ、分かりづらいというのはあった。でも……今のは……いやこれは……
 吹っ飛んだ自身に向かっていとも簡単に追いついてくる腕。円環一つに、沿うようについた二本の腕。そう……戻ってる。いや、違う。微妙だけど、色合いとか、形の細部が違ってる。それに今、あの腕は肘部分にブースターがついてるのか、それを吹かして高速移動を可能にしてる。
 どうやら小回りだって効くようだ。ボッボボボボ――と細かく調整してるのがわかる。
 
 ギッギギギギギギギ――ギュパッ――
 
 拳が来るかと思ってたら、直前でぎこちなく手を開く。その手のひらの中心には何やら穴が見える。そこに光が集まっていく。
 
(まずい!!)
「どきなさい!!」
 
 その瞬間、自分は横によける。すると後方からアイ殿の銃が火を吹いた。けど向こうもそのまま手のひらに集めた光を放つ。二つの光がぶつかりあった。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十八話part6

2024-12-28 17:53:35 | 日記
「わっわっ……わぁああああ!」
 
 そんな恐れとも興奮とも取れる言葉が小頭からは漏れてる。まさか本当に飛べるとは……という感じ。落ちると思ってたら、なんか空を……道なき道を自然と進めてる。
 
 カラカラカラ――
 
 車輪からはそんな音がしてた。それに車輪は重くもかる過ぎもない。坂道を上がってるような重みも、坂道を降ってるような軽さもないのだ。
 ペダルを踏むと適度な抵抗が返ってくるような? そんな感覚。それがどこかを進んでる……と小頭に伝えてくる。
 
(確かにこれは、飛んでるというよりも走ってるのかも? でも光景は完全に飛んでるから脳がバグりそう……)
 
 どっちなのかと問われると、とても困る状況なのは間違いない。この光景を観てる人は間違いなく「飛んでる」というだろう。さっきまての小頭がそれだ。けど、確かに乗ってみて体験してみて思う。
 これは「走ってる」な……と。そこでふと小頭は思った。
 
(これって、漕ぐの辞めたらどうなるの?)
 
 ――とね。好奇心は猫を殺す――とかいうことわざがある。強すぎる好奇心は自身の身を滅ぼす、的な諺だ。イギリスの諺らしい。
 小頭はその好奇心と同時に、嫌な予感が第六感で感じてた。けど、自然と漕ぐのを辞めてた。だって慣性というのがある。中3ならもう習ってるだろう。
 物体には動き続けるエネルギーが働くというあれである。もっと簡単に言うと、車は急に止まれない――である。つまりは自転車だって急には止まれないのだ。だからちょっと位大丈夫だろうと思った。
 けど次の瞬間、ガツッと跳んでた鬼女が自転車を掴んでいってきた。
 
「こがないと駄目だよ」
 
 ――とね。ウインクまで混ぜてた。言葉としては軽い。けど、鬼女は自然と自転車を掴んで保持してた。つまりはそういうことなんだろうと小頭は察したのだ。だからすぐに漕ぎ出す。すると安心してたのか鬼女は手を離して、再び下におちてく。
 二人の鬼がピョンピョンする間に、自転車を漕いで空を進む少女の図は夏の幻想か、それか見るものによってはとてもシュールにみえるかもしれない。
 
 入道雲目指すかのように、三人は夏の青い空を進んでる。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 143

2024-12-28 17:47:36 | 日記
「くっ!?」
 
 眩しい光が目に大量に浴びせられて一瞬目を閉じる。なにか新たな攻撃の兆候なのか、自分は五感を研ぎ澄ませる。なにせ目が見えないからといって、何もできない? それではこのレベルでは通用しない。
 だから視界のほかに音で、触感で、そして力を通して、周囲を知れることが大切だ。その感覚によると……
 
(遠ざかってる)
 
 つまりは今のはただの目くらましか!? まさかそんな手段を奴が使ってくるとは思ってなかった。普通の肉体よりも早く目くらましから回復したとはいえ、一瞬で追いつくなんて厳しい。ならば……クルッと聖剣を回すと、剣の形態から銃の形態に聖剣がかわる。そして構えて照準を合わせる。
 そして素早く引き金を引いた。
 
 ガキイイイイイイイン!!
 
 ――という音が響く。それに伴い、ぼろぼろの腕がガクンと態勢を崩す。普段のコーティングなら、この程度の攻撃、きっと意に介さないだろう。けど、今や腕もボロボロだ。だからこそ、これでも効く。一発撃って、更にもう一発。一回一回装填するタイプの銃だが、弾丸はエネルギーで生成してるから、ガチャガチャとする必要はない。
 力を込めれば、弾丸が勝手に生成される。そしてまたも引き金を引く。再びあたり、ぐらりと一気に高度が落ちていく。限界が来たのか? でも完全に破壊するまでは安心なんてできない。だから再び装填して狙いを定める。さっきまでは逃さないために素早く撃つことに重きを置いてた。
 けど今回は違う。この一発は完全にあれを破壊する為の一発だ。だからこそ今までよりも強くエネルギーを込める。そんな時だ。なにやらこの場所でガゴンガンガン――という音が響き始める。それが何なのかはわからない。ここはそもそもが目玉の生産工場だ。だからそれだと思った。
 ここで戦闘を行ってるが、それでもこの工場の稼働は止まってないのだ。かなりぼろぼろになってる気がするが、それでも止まらない工場には感心しかない。
 目玉は実際自分たちの敵ではない。だからこいつを倒すことが最優先。
 
「行け」
 
 引き金を引く。さっきまでよりも硬かった。けど引いた瞬間放たれた弾丸は赤い鳥になって迫ってく行く。でもその時だ。落ちる腕、そして迫る自分の攻撃。そこに割り込むように、何かが飛び込んできたようにみえた。
 けど問題なく攻撃が直撃して、大きな爆発が起きる。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 142

2024-12-26 00:01:53 | 日記
ガキイイイイイイイン!!
 
 そんな音が響く。既にこの腕の右手は指が欠損してるし、左腕はなんとか紙一重で繋がってる状態。そこまでボロボロになってる。なのに……
 
(押し切れない!? これで……)
 
 驚愕の執念。意地……みたいなのを感じる。けどそんなわけはないだろう。こいつは機械だ。アイ殿のように感情があるシステムって訳でもないのだろう。ただ与えられた役割を全うしようとしてるだけ。
 けど……
 
(そうか。役割を全うする。それが出来るのは人にだって案外少ない)
 
 けどこいつはそうじゃない。機械だからこそ、それにしか存在意義がない存在だ。だからこそ、愚直に……まっすぐにそれを実行してるだけに過ぎない。
 でもそうだからこそ、こいつには迷いなんてものが一切ない。人が色々と迷うことで迷走するようなことが一切ないのだ。自分の体がここまでボロボロになってたら、普通は役目よりも自身の体の事。命の事を心配するだろう。
 けどこいつにはそんなのはない。常に自身に与えられた役目が最上位の物で、それに比べたら、こいつにとっては自分自身さえもその役目よりも下なのだ。
 だからこそ、こんなになっても食らいついてくる。でもそれでもボロボロなのに変わりはない。とりあえずなんとか繋がってた左腕をぶった切る。それによって肘から下の部分が落ちていく。ガシャーン! とか音がしてるが、そんなのはどちらも気にしてない。これで腕は一つだ。残ってる右腕もボロボロ。 
 
 これで攻めきれなかったから、何が勇者だ!! 気合いを入れろ自分。ここで決める!! アイ殿も、そしてミレナパウスさんもよくやってくれてる。なのにここで自分が決めないでどうする!!
 
 出し惜しみせずに力を開放する。黄金の輝きが周囲を照らす。聖剣が光を纏い。その刀身を大きくする。次の瞬間――手のひらを斜めに切った。でもまだだ。切り替えして次には手首と肘の間の部分を切る。
 僅かな抵抗を感じた。けどそれだけだ。これまでの様な頑丈さはなくなってる。それを維持するだけのなにかがなくなったのが、機能してないのかはわからない。でも――斬れる――ことが自分にとっては重要だった。二の腕にも剣を伸ばし、腕の背後の輪っかも同時に切る。真っ二つ……というのは無理だっだが、腕が繋がってる輪っかも一部部分が切れた。
 もう腕は使いものにならないだろう。この輪っか部分が何なのか、正直分かってない。けど、見逃すなんて選択肢はない。これも斬る!! けどその時だ。目の前の輪っかがとても鋭い光を一瞬走らせた。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 141

2024-12-25 23:55:48 | 日記
 野太い光が腕を中心にとらえて包み込む。それでも……奴はこの場所への影響を最小限にしようとその位置を調整してたみたいだ。あくまでもこの目玉の工場への影響を最小限にするように自分達よりも高度を上げた。爆発の中でも、そこら辺を読むことは出来たようだ。
 けどこれであいつがいなくなるのなら、目玉だけなら何とでもなる。そう思ってた。
 
(もう一体とか、出てこないよな?)
 
 その可能性は実はある。だってこの船には生産能力がある。それは目玉を見たらわかる。でも……
 
(この場所では目玉が限界なのかもしれない)
 
 その可能性もあった。確かにこの巨大な円盤の様な船はまだまだ謎がおおい。けど……だ。けど、もしもあの腕を沢山作れるなら、それこそ目玉ではなく、この腕を大量に生産した方がどう考えても戦力的にはいい。
 だって戦力としてみたら、目玉百体分くらいはこの一体で担えそうだ。まあ戦力だけで量産体制を考える訳じゃないと思うけど。それにだ。これだけスペックに違いがあれば、それだけパーツとかもそこらの物で賄えるのか? というのがある。この場所には色んな世界の色んな船がある。だからどうにかなる……のかもしれないが……
 
(これ以上あんな存在が現れない事を願うしかないか)
 
 なんとか倒せたと思いたいが、二体、三体目と出てこれらたらたまったものじゃない。そんな願いを知ってかしらずか……次第に細くなっていく光。その中から、腕がその姿を見せる。
 
 あれだけ沢山爆発してたように思うが……まだ奴はそこに存在してる。
 
「ここまでやっても……」
 
 そんな言葉が出る。けどすぐに思考を切り替える。確かにまだ腕はそこにある。けど……今までで一番のダメージを受けてるのは間違いない。だって指は何本も欠損してるし、左腕のほうはそれこそもう肘の所からプランプランとしてて、なんとか繋がってる状態だ。あれだと左腕は使い物にならないだろう。
 今なら完全に壊すことができる。自分は聖剣を元の形に戻して動き出した。今はアイ殿は銃の放熱をやってるから、攻撃は出来ない。だから自分がいく。
 
「今なら……そう今なら……これで終わりだ!!」
 
 そんな言葉と共に自分は切りかかる。けど、なんと想像以上にこの腕はしぶとかった。機械のはずなのに、生きる意思を感じる行動をしてきた。