10月30日(日)、
産技祭(都立高専文化祭)の「特別企画」として開催された
テクノシティ城南コミュニティカレッジ 第5講
「福島原発事故の徹底検証 と これからのテクノロジー、技術者、ものづくりの課題」
100名を超える参加者があり、大変、充実した内容となり、
これからの課題が、いくつもの面から提示されたように思います。
まずは、このシンポジウムの参加者の感想などをご紹介させていただきます。
◎ 新入会 白川欽彦 氏 (新現役ネット 技術総合支援グル-プ 運営委員)
本日はお疲れ様でした。
新現役NET GSSGの白川です。
素晴らしい企画でした。同友会と高専のコラボ自体に感銘をうけています。
1.講演会も時宜を得た企画で多くの方が来られ議論も活発でなによりでした。
技術を長年 やってきた者にとって大変考えさせられるテーマでした。
”本質安全を考えた時 何も出来ない”ジレンマとの戦いが始まります。
それを乗り越えるのに時間と、競争企業との競争も始まる。
今日の講演を聞いて思い出しました。
電車に乗っていたときある大学広告で
その大学の教育基本理念が紹介されていました。
『神なき知育は知識のある悪魔を育成するものだ』
最初はキリスト系の大学の基本方針かと思って違和感を持っていました。
ある時インターネットをみると
《神》とは ⇒ 良識ある精神、人をいつくしむ精神 道徳心 のようで
技術を正しく活かすためには、
このような心、精神が必要とわかり安心したことです。
石原知事が『原発開発自体が《神への冒涜》と言われたのも思い出されます。
《神》のバチがあたったのでしょうか?
2.午前2時間ほど 高専祭の色々な研究室の出し物は開発紹介を見て回りました。
少し質問したり議論を吹っ掛けたりしました。
みんなまじめに取り組んでいます。元気に反応してくれる学生さんもいました。
このような学生を伸ばすべく
同友会のみなさんのご苦労に頭が下がる思いを改めて感じました。
微力ながらお手伝いしますので何でもおっしゃってください。
大変有意義な1日でした。
日に日に寒むくなり季節の変わり目です。
みなさんご自愛ください。
白 川
◎ 会員外の中小企業経営者 T 氏 より
昨日はありがとうございました。
知らないことが多く大変勉強になりました。
地震国においては、やはり原発は難しいようですね。
40年前、原発反対を唱えていた諸先輩に先見の明があったようです。
あのような貴重なシンポジウムに
今の学生が参加しないことは誠に残念です。
新卒募集で男子大学生を面接しても、
(当社を受験するような学生は)とても採用できない学生ばかりです。
わが社の将来を含めて日本の将来を心配してしまいます。
30歳前後のやる気のある男性で、
職探しをしている方がいたら是非ご紹介ください。
中略
取り急ぎシンポジウムの御礼を申し上げます。
T
◎ 日本コンピュ-タ開発 高瀬拓士 氏よりは、
準備のプロセスで、下記のメッセ-ジをいだきました。
田中様 おはようございます。
お忙しい中で、 高専交流委員会の企画運営など、本当にご苦労様です。
私も久しぶりに参加させて頂きたいところですが、
先週木曜日に、突然山形県の鶴岡高専から学生採用依頼が飛び込み、
3日に日帰りで学校訪問することになり、今回も欠席させて頂きます。
当社の来春卒業予定者への採用活動は、既に5月で終了しましたが、
諸般の事情からかその後の追加採用依頼が多く、
結局、当初予定の40%オ-バ-の内定をしてしまうことになりました。
そんな事情から6月以降は追加採用依頼をお断りしていました。
今回が初めてのコンタクトとなる鶴岡高専にはそんな事情もお伝えしましたが、
是非再検討をとの強い依頼があり、
また東日本大震災の影響もあるかと思い、先ずは訪問してみることに致しました。
東日本大震災に対して当社は、
先ずは社員で募金活動を行い、その集まった募金に会社からの義捐金を加えて
総額を10倍にするという、
当社が他の災害支援でも行っている独自の支援方法で義捐金をお届けしました。
今回は義捐金総額が
過去のどの災害支援時おも上回る 数100万円 になりました。
それに加えて先月には管理部門役員が数人の社員と共に、
炊き出し支援に行ってきました。
今回はその災害支援の一環と考え、
既に採用枠をはるかにオ-バ-していますが、訪問して見ることにした次第です。
”助け合おう ニッポン” というところでしょうか。
(2011.8.1)
大震災への政府とその関連機関、また東電の対応を見ていると、
それぞれがとてもプロとは思えない状態です。
そこに見えるのは無能と言おうか、
役割認識も、責任感もない指導的立場の人達。
組織、集団としての基礎的な問題と言えそうです。
世界が絶賛する被災地域の人達の行動、
そして、今回「なでしこチ-ム」が達成した偉業などから言える
極めて上質の、日本人の人間的、精神的文化とは真逆の実態です。
しかしながら、
平時は自分の身の回りの安心、安全、平穏、受益以外には社会の動きには無関心で、
原発でもその推進・誘致利益に潤って来た人達、
興味本位の取材しかして来なかったマスコミ、
利益誘導期待での議員選出をして来た我々国民が、
一旦事故が発生すると直ちに批判者に豹変するのも、悲しい実態といえましょう。
責任をを他人に押し付けたり、相変らず「お上」や他人依存だったりではなく、
一人一人が自分の人生に責任を持って、当事者意識で生きる事が大切だと思います。
これは過去の行いの結果ですから、現実は真正面から素直に受け止め、
その真剣な反省の上に立って次代に備える事が大切でしょう。
その基本は若者育てだと思います。
日本社会が戦後の荒廃から立ち直る過程で伝統的な文化を見失い、
物質文明に毒されて来たとはいえ、
今回あの被災地の人々、そして「なでしこチ-ム」が、
日本人の根底にあるすばらしさを思い起こさせてくれました。
「グロ-バリゼ-ションとは、
日本の伝統文化、日本の良さまで捨てて、外国の文化を真似ること」
だと誤解しているような最近の風潮はどこか間違っているといえます。
「グロ-バリゼ-ションとは大いなるロ-カリゼ-ションを図ること」
というのが私の主張です。
一方で日本人の平均レベルがいかに高くとも、
集団にはリ-ダ-が必要だと言うことも忘れてならないことです。
この世界一条件が揃ったこのすばらしい国日本に、
唯一不足しているのがリ-ダ-だと思います。
私は8年ほど前、
ミネソタ州州都地域日米協会が設定した
「日本経済の長期経済不況について」というテ-マで講演した時、
「日本は経済不況ではない。あれは人材不況。
世界一恵まれた条件を有しながら、それを活かせる人材、リ-ダ-が居ない」
と言う講演をしたことは、かって21研の講演でご紹介したとおりです。
そう言う視点で私は、
当社独自に次代を担う若者育てに全力で当たっていますが、
一方で同友会の高専教育・学生支援への取り組みに大いに期待し、
そのますますの進展を祈念してやまないものです。
後略
(2011.7.20)
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