めざめていても夢はみる

ぼくはいつまでもさまよいつづける、
夜が明けても醒めない夢のなかを…

予兆

2024-04-17 15:05:00 | ちょっとしたおはなし



早朝。
小貝川の土手の上の道を、ぼくは4人の男に担がれ運ばれている。
男たちは、スポーツ選手ではないかと、ぼくは担がれながら、最前からそう疑っている。
おそらく、
ひとりは野球、
ひとりはサッカー、
ひとりは水泳、
ひとりはバスケットボールの選手に違いない。
やがて、男たちはぼくを担いだまま河川敷へ下りると、
そこでぼくをゆっくりと丁寧に地面に下ろす。
そして、スポーツ選手たちは、ぼくには一言も声をかけずに、なにやらしゃべりあい、笑いあいながら、土手の向こうに行ってしまう。
河川敷に仰向けになったぼくの視界はただ空だけで、こうなれば、ぼくはそのまま、これからのことを考えてみるしかなかった。


高級中華料理店の個室で、4人のスポーツ選手たちがなにやら話しこんでいる。
どうやら、スポーツ選手の更なる社会的地位の向上と方向指示器について議論しているらしい。
と、ひとりのスポーツ選手(おそらく野球選手)が席を立ち、部屋を出る。するとそこは、昔ぼくが住んでいた家の2階の階段をあがったところで、
かれは、窓を開け、下を見る。
庭の物置の裏には、つけ麺屋ができていて、店先に4人の男が並んでいるのが見える。
そこへ、ひとりの男が現われたのだが、それは、ぼくがもうひとり誰か現われると良いな、と思ったからだ。
現われたばかりの男は、列には並ばず、先頭の男に話しかける。
先頭の男は応えて云う。
「わたしたちは、宇宙からやってきた〝本当の〟スポーツ選手です」と。
ちなみに現われたばかりの男は白い帽子をかぶっている。




ぼくは自転車を停め、高速道路の高架の拡幅工事を見ている。
ふと下のほうに目をやると、橋脚の脚元に空いている穴から、なにかが出てくるのに気づく。
それは、白い帽子の男で、かれはぼくに気づくと、にっこり微笑んで、サムズアップした。






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2 コメント

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Unknown (tsukihimesakura)
2024-04-17 19:57:10
こんばんは🌙

スポーツ選手の社会的地位の向上の議論は上手くいったでしょうか^^
布団の干し方がリアルで好きです✨
それと、ところどころ切られている2枚目の木、
こんなのあるー、って見てしまいました✨
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Unknown (painfulnight)
2024-04-17 20:18:41
@tsukihimesakura こんばんはー!
いつもコメントありがとうございます!

スポーツ選手の社会的地位は今でも充分あると思うんですけどね…ま、向上心を持つことが大切なのでしょうね笑

布団はなんとなく寂しかったので干してみました。
あまり奇抜なことは思いつかないので、いつも身近なものばかり描いてしまいます^^;
でも葉っぱの量は中途半端でしたね。もっと多くても良かったかも?
2枚目の木は、ずっと前に自転車でウロウロしているときに見つけたものです。後ろの小屋と一緒に畑の隅にありました。
なるべくリアルに描こうと心がけました。
けど、そのために、小屋を本物同様錆びさせたら汚くなってしまって…反省です^^;
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