一週間後、ぼくは国道沿いのラーメン屋の窓際の席でカレーライスを食べながら、これからのことについて考えている。
陽が暮れはじめ、今日は昼の時間が短いような気がしながら、ぼくは店を出る。
駐車場でカバンのなかを見ると、なにも入っていない。
けれども、上着やズボンのポケットにはいろんなものがいっぱい入っているのが、確認しなくても感触でわかる。
ぼくの横で、若住職は云う。
「たまにはゆっくり布団で寝たいよ」
大洗港から、若住職が小型クルーザーで海へ出る。
その様子を、ぼくはテレビの生中継で見ている。
◯
南半球一の探偵が、百貨店の最上階のレストランの窓際の席で、カレーライスを食べながら、これからのことについて考えている。
どうやらかのじょは推理力を失いかけているらしい。
もしかしたら、もう、一生分の推理をしてしまったのかもしれない。
いまかのじょは、残った推理力を振り絞って推理しようとしているが……
「もう、わたしにはなにもできない……」
それはたぶんぼくもそうだ。
◯
大洗港に小型クルーザーが帰ってくる。
ぼくは小型クルーザーから下船すると、タクシーを拾い、生まれ故郷の家へ向かう。
しばらく走ると、道の両側は土産物屋ばかりになる。
前に行ったときは、一本東側の道を通った気がしている。
「このあたりで大丈夫です」
ぼくは車を降り、目の前の百貨店に入る。
エスカレーターで最上階まで上がり、エスカレーターで一階まで降りる。
そして入ってきたのとは反対の出入り口から外へ出る。
駐輪場に停めておいた自転車に乗り、田んぼ道を走る。
空は青く、陽射しは強く暑い。
ふいに強く風が吹いて、木々がサーっと音を立てて波打つように揺れる。
ぼくはそれを見て、少なくともこの一瞬だけは晴れやかな気分になっている。
最後の三行が何だか好きでした🌸
木の質感といい、古い祠がとってもリアルです😊
急に祠に出会った時はドキドキして走って逃げるくらい
怖がりな私です 笑^^笑
こんばんはー
そうなんです、ずっと前に書いた南半球一の探偵のことを急に書きたくなって。
なんか可哀想な感じになってしまったんですけど、ここで出てきて欲しいなと思って。
最後の部分は、ぼくが夏でいちばん好きな風景と、そんな風景に出くわしたときの率直な気分です。
自分のなかでは爽やかに終わるかな、と。
祠は、近所の集落を散歩しているときに見かけたのを、いくつか合わせたり、アレンジして。
描き込んでるうちに、なんか不気味になってしまいました^^;
絵、ちょっと歪んでしまっているところが多くて、反省してるんです…いつものことですが^^;