めざめていても夢はみる

ぼくはいつまでもさまよいつづける、
夜が明けても醒めない夢のなかを…

海辺の酒場

2014-05-30 18:08:26 | ペン
潮風に誘われるままに、この酒場までやってきた。 ぼくのように、行く先を見失った航海士にとって、この酒場は灯台代わりになってくれる。 しかし、この酒場は、ここがどこであるかは教えてくれても、これから先どこへ向かえばいいかは、教えてはくれない。 . . . 本文を読む
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田舎路にて思い込む -紋切り思考-

2014-05-28 21:03:39 | ペン
仕事に疲れ、こんな田舎に来てしまった。 自然に浸れば、疲れも癒されると思ったからだ。 将来はこういう田舎で暮らしたいな。 雄大な自然と、綺麗な空気と、あたたかい人たちにかこまれて…… ────────────────── . . . 本文を読む
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旅の恥はかき捨て

2014-05-28 19:12:28 | ペン
どこでもいい、とにかくいまとは違う場所に行きたくて、旅から旅へとさまよいつづけている。 ゆうべ酒を飲みすぎたせいか、腹の調子が悪い。 周りを見わたしてみても、公衆トイレもコンビニもなく、手製らしい霊媒師の看板ばかりが目につく。 仕方ないので家に帰る。 かなり郵便物がたまっている。ほとんどが公共料金の請求書。先月より電気代がかかっていないのを見て、ぼくはうれしくなる。 &nbs . . . 本文を読む
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門柱

2014-05-27 19:57:46 | ペン
近所に洒落た門柱を見つけたので、その上に腰かけてみる。 そして、将来のことなんかを考える。 いま、ぼくの人生はなにもかも上手くいっていない…いや、上手くいっていないどころか、かなり絶望的だと思う。 ぼくは、これからどうやって生きていけばいいのだろうか……? 突然、その家の飼い魚が云う。 「失ったんじゃない、手に入れる前に戻っただけさ」 いま、ぼ . . . 本文を読む
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ひっそりと下手な絵を描く

2014-05-23 22:28:58 | ペン
勝てるのはずのない戦いに、自分の意思とは関係なしに挑まされます。 よくあることです。 結果は、云わずもがなの負け戦。 いつものことです。 人生の主役様たちは、無意識のうちにわたくしを蹴散らし踏みつけ、ご自分は輝き放っていかれます。 神の気まぐれか、仏の御慈悲か、奇跡的に訪れた至福のひと時さえ、あなた様がたは目ざとく見つけ、万遍なく木っ端微塵にされていかれます。 お願いですから、どうか、こ . . . 本文を読む
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帰り道

2014-05-23 13:20:08 | 色鉛筆
わーい! 晩御飯はビーフストロガノフだーい!! . . . 本文を読む
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どうぞ おかまいなく

2014-05-22 17:50:32 | 色鉛筆
ある日突然現われた男。 なにやら、ぶつぶつ云っている。 あ、どうぞ、ぼくにはおかまいなく。 . . . 本文を読む
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勝利者

2014-05-21 16:56:52 | ペン
山の上に立って、つまらない奴らを見下ろす。 「あーあ、可哀想に」 「ほんと、つまらない人間に生まれたばかりに、無駄口も叩けず黙々と…」 「だって、そうでもしないと、生まれてきた甲斐がないから」 「たしかに! つまらないんだから、真面目にしないと生きる意味ないよね」 「あーあ、ほんと可哀想!」 破裂したような嘲笑が、山間にこだまする。 ……いやぁ、皆様、面白い人間に . . . 本文を読む
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もう何もかも遅い

2014-05-20 18:48:42 | ペン
ゴルファーに変装し、駅前の喫茶店に入る。窓際の席に着き、駅の出口に眼を向ける。 30分ほど経ったころ、駅から待ち合わせの相手が出てくるのを認める。 ぼくは、喫茶店を出て、駅とは逆の方向へ走る。 商店街の1番端にある中華料理屋に駆け込み、ギョーザ定食を注文する。 急に雨が降り出す。 すると、部屋の窓が開けっ放しのままのような気がしはじめ、いてもたってもいられなくなる。 けれど、店の主人はす . . . 本文を読む
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暗躍

2014-05-16 19:05:28 | ペン
夕暮れ時の心地よい風を感じながら、晩御飯のメニューを考えている。 本当は焼きそばにするつもりで、わざわざ買い物に行ったのに、キャベツを買い忘れてしまったのだ。 キャベツの入っていない焼きそばなんて要らない。 「う~ん、なんにしよう……」 すっかり焼きそば気分になってしまっていたので、もう何も思いつかない。 そこに、自分ばかり一生懸命に生きていると思い込み、自 . . . 本文を読む
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