めざめていても夢はみる

ぼくはいつまでもさまよいつづける、
夜が明けても醒めない夢のなかを…

連載『夢からさめる』第2話

2014-11-28 20:32:26 | 連載駄文
そう… あのころのぼくは、〝失うこと〟を異常に怖がっていた。 なにかを失うことなんて、たいしたことじゃないと云うのに。だって、人は生まれてくるとき、なにも持っていやしなかったのだから。 失うんじゃない、元に戻るだけなんだ。 それに、そのときぼくがいちばん大切にしていたものは、ぼくが勝手に存在すると思い込んでいただけの、たんなる幻だった。 元からなにも持ってなんか . . . 本文を読む
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連載『夢からさめる』第1話

2014-11-21 20:45:37 | 連載駄文
結構すっきりした気分だった。 身体が少し重く感じられるようにはなったが、心はとても軽い。こうなると、心は空っぽになるらしい。 心が空っぽ……なんて素敵なことだろう。 もうなにも煩わしい思いをする必要もないし、なんの心配事もない。 けれど、失ったものは多く、そして、そのどれもがぼくにとって、命よりも大切なものだったと思う。 大袈裟でなく、本当にそうだった……うん、そうだった。 . . . 本文を読む
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