小山駅の待合室で、ぼくは人を待っている。
窓から大きなコンクリート工場が見え、その向こうには最近できたばかりの商業ビルがある。それは4階だてのガラス張りで、入っている店はすべて蕎麦屋だ。
だから、ぼくがそのビルに入ることは一生ない。
◯
次の日……。
家族はみんな朝から出かけてしまう。
家には、ぼく独りだけ……。
つまり、いわゆるこれが〝お留守番〟。
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冷凍チーズハンバーグを配達中の宅配ドライバーに導かれ、彼は神社にやってくる。
ここには人間に食された魚の霊が祀られているのだと、ドライバーが説明してくれる。
にわかに厳かな気分になり、神社を見上げ、ふと、ドライバーの姿が消えていることに気づく。
◯
ドライバーはトラックを走らせる。配送センター目指して。
そして、
配送センターでは、山のように積まれた荷物を、大勢のスタッフたちが夜を徹して . . . 本文を読む