すっかり地球の生活に馴染んだはぐれ宇宙人は、行きつけの中華料理屋に昼ごはんを食べに入る。
この店はラーメンやチャーハンなどの定番メニューもおいしいのだけれど、
常連にしか出されない裏メニューのエビフライが絶品で、
はぐれ宇宙人は1ヶ月毎日通いつめ、つい2日前に、やっと主人から常連と認められ、エビフライを注文できるようになった。
そして、やっぱり、今日もそのエビフライを注文する。
自家製タルタル . . . 本文を読む
チェンバロの音色に誘われて、陸にあがってきた。
しかし、海辺にはチェンバロもそれを弾く者の姿もなく、
さっきまで聞こえていた美しい音色もいつの間にか消え、
ただ波の音がくり返されるのみ。
仕方なくぼくは、海沿いの小さな商店で芋けんぴを2袋買い、
海に戻り、叔父の経営するティンパニ教室へ向かった。
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深い海の底から、今日、新しい家に引っ越して来た。
友だちも知り合いもない街にたったひとり。不安でいっぱいだけれど、家賃が安くとても見晴らしの良い家を借りることができたし、これからは何もかも新鮮に感じられるだろうと思うと、ワクワクして仕方がない。
早速、明日は朝から街を探検ようと思う。
来るときに見た、駅前商店街の海鮮居酒屋がとても気になっているのだか……。
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誰からも忘れ去られた高速道路の建設予定地で、イギリス人探偵ヴォルフガング・ルイーヌ(10歳)は呆然と立ち尽くす。
1ヶ月ほど前から世間を恐怖に陥れている、エビシューマイ連続失踪事件……
彼はいま、その捜査に行き詰まり、途方にくれている。
先が見えず、自信を失いかけている。
事件に取りかかったときの意気揚々とした自分を思いだすと、本当に恥ずかしい。あの思いあがりに満ちた自分を……。
……と、
ど . . . 本文を読む